こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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実態が不明なのだ。

2012-08-22 23:07:27 | 訪問看護、緩和ケア
訪問していると、なんとなく生活サイクルや食事の状況などはわかってくるのだけれど、時々どうもよくつかめない場合があります。

ご夫婦そろって認知があり、お子さんなどキーパーソンとなる介護者がいない場合、ヘルパーさんやケアマネさんなどと、何とかその実生活を把握しようとしても、どうもよくわからなくて、困ってしまうのです。

べつに、プライベートなことを全部知りたいわけではなくて、目に見えてご夫婦が痩せてきたり、どちらかの体調がすぐれなかったりと、異常のサインが出ていても、その原因を特定できないので、なんだか周りで遠巻きにあれこれ悩むことになります。


各事業所共通の一覧表を作成して、午前のヘルパーさんが用意したものを記入、さらに摂取した食事、水分も記入。ケアの内容もご夫婦それ記入します。

午後のヘルパーさんがその内容を見て、午前に用意されたものをどのくらい食べたか、残がどのくらいで、何を破棄したかを記入します。
翌日のヘルパーさんは、前日の残り物をチェックすれば、ある程度の摂取量がわかるかな??と、ケアマネさんが考えました。

事業所の違うヘルパーさん同士も、みな協力して記入しました。

多少の傾向はわかったものの、跡形もなくきれいさっぱりなくなっていることも多くて、じゃあ食べたのかというと、よく見ていると妻がしばらくするとさっさと処分していたりします。(~_~;)

ちなみに、ご飯を食べないご家庭なので、主食のアンパンとおかずということになりますが、ご高齢にもかかわらず、あまり和食のおかずを食べないようなのです。

かろうじて、冷凍の小さな焼きおにぎりを、二人で1個とか、多くて一人1個食べたらいい方で、おかずも一口二口で廃棄処分になることが多いようです。

結局、食事を作ってかたずけをしたら、ヘルパーさんの活動時間は終わってしまうので、食べるときにそばにいてなんとなく勧めたり、どちらがどのくらい食べたかを確認したりするのが、とても困難なわけです。

当初、横になることが増え、激やせした妻に気を取られていたら、最近は夫が痩せてきて、表を作って観察すると、大好きなアンパンさえ全部食べきらなくなってしまったというわけです。

いくら作っても、翌日のヘルパーが破棄する。を繰り返していて、なんというかもったいないし、栄養もとれていない二人なのです。

じゃあすごく悪いかと言えば、ヘルパーさんの水分の声掛けで、何とかこの猛暑も乗り越え、ちょっと前まで具合が悪いとしきりに訴えていた妻も、何気に落ち着いてきています。

うーん。
恐るべし日本の90代。

ご高齢になると、代謝も下がるからなのか、ほとんど食べなくても超低燃費で経過されます。

若いければ、絶対に栄養失調で倒れるほどの栄養で、意外に元気な90代。

90もとうにすぎ、食べろ食べろと周りからやいやい言われるのもいやだろうし、とりあえず低燃費で日常生活困っていないのだから、こんなもんでいいのかも・・と思ったりもして。

だって、本人たちはなあんにも困っていないし、逆にちょっとうるさそうです。

そんなわけで、押したり引いたり覗いたりと、微妙な駆け引きを続けるのです。

かねてよりお願いしていた体重測定は、夫の「体重なんて、何十年も図っていないから体重計なんていらん!」の言葉で、ストップしています。

主治医の指示だからと言って、何とか買わせてもらおう作戦を続行しています。
主治医は、残念なことにあまり関心を持っていないようで、何のアドバイスもありません。(-_-;)

ほかにもいろいろ疑問は山ほどあるけれど、とにかく命に直結するものは、やっぱり把握していたいなあと、今日もケアマネさんと頭をひねる私たちなのです。