梅雨に入っても各地の水不足が伝わる中で、東京電力福島第1原発事故の核燃料が溶け落ちるメルトダウン(炉心溶融)が事故から2ヶ月も公表されなかった問題の詳細が発表されて驚くばかりです。
東電の第三者検証委員会委員長の田中康久弁護士は16日、当時の清水正孝社長が「炉心溶融」の言葉を使わないよう指示したとする報告書をまとめ東電に提出です。指示は電話などで広く社内で共有していたとし、首相官邸の関与については「炉心溶融に慎重な対応をするように要請を受けたと清水社長が理解していたと推定される」と指摘です。しかし清水社長の記憶はあいまいで、第三者委は当時の官邸にいた政治家には聞き取りを実施しておらず、「官邸の誰から具体的にどんな指示、要請を受けたかを解明するに至らなかった」とするあいまいさです。
この報告書に管直人元首相や当時の官房長官の民進党枝野幹事長は17日の記者会見などで「不十分かつ一方的で、参院選への妨害との疑いも免れない」と反論ですが、東電擁護の報告書の言葉はすでに一人歩きです。今年2月になってメルトダウンについて、「損傷割合が5%超」と定義する社内マニュアルがあったと発表され、これに従えば事故3日後には炉心溶融と判定ができたはずでしたが、マニュアルの存在を5年間も見逃し、事故を過小評価している東京電力の体質には呆れるばかりです。
写真はご近所の畑のそのまた奥のお隣りの家の隅に咲く色とりどりのアジサイで、路地からも遠く離れて誰からも見られることのないアジサイが愛おしく、デジカメ拡大で撮りましたがピンボケです。そんなことで東電原発事故の闇は深く、検証もされないまま5年以上が経過しましたが、ピントを外すことなく今後も目を逸らしてはなりません。今日は月刊『食べもの通信』の締め切り原稿と、ブログ書き込みなどとの並行作業でパソコンに向かう終日です。