気が重いよ…伊那篇

落ちるところまで落ちた男の日記

うなぎ

2011-07-21 19:00:02 | 昭和レトロ
土用丑の日です。
食事は、お袋が用意してくれるので、夕飯は鰻の蒲焼き。
有難いことです。
そんなに上等な鰻ではないということですが、輸入物ではなく愛知県産だということです。

鰻というと、約30年前を思い出します。
当時、私は高校2年か3年生。
近所に住む親戚のお爺さん(私の祖父の弟)が病気になり、同じ血液型の私の血をたびたび輸血していたのです。
近くの医院で、太゛っとい一度に200cc採血出来るような注射器で、一気に血を抜くのです。
さすがに、毎回怖かったですね。
だって、日赤の献血だって15分くらい掛けて、ゆっくりビニールの袋に溜めていくでしょう。
それが、自分の目の前で一気に200ccの血を抜き取るのですから…。

採血が終わると、帰り道にあった「てる」という割烹食堂で、うな重が用意してありました。
ここで、うな重をご馳走になって、家に帰るのが常でした。
あの頃は、鰻ってそんなに好きではなかったので、その分小遣いくれたらなぁ…と不謹慎なことを考えていたものです。

私も高校を卒業して上京。
もう採血しなくて済むと思ったら、嬉しくなりました。
間もなく、そのお爺さんはガンで亡くなりました。

なので、鰻の蒲焼きを見ると、あの頃辛かった採血を思い出すのです。

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