すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

「もんじゅ」視察

2010-03-08 21:49:16 | Weblog
高速増殖炉「もんじゅ」の視察に敦賀にでかけた。「もんじゅ」は1995年の冷却液ナトリウムの漏えいによりその安全性が疑問視され、さらに火災状況を記録したビデオ隠ぺいなど情報隠しが疑われ、地域住民の反発などもあって、実に15年間の空白を超えて、今回、ようやく運転再開にたどりつこうとしている。
その意味では資源エネルギー議連が上記要視察に向かうことには意義があった。かなりずさんな管理などが指摘されてきた原子力施設もさすがに度重なる事故や自然災害被害などによって社会の糾弾を受け、地域への広報や住民参加集会なども開かれるようになった。今回の訪問で驚かされたのは、セキュリティチェックと原子炉に接近する際の手続きやチェックの厳しさだ。何度もヘルメットを変え、靴下を変え、3度にわたって入室チェックがあった。
施設内はさすがにナトリウム漏えいを防止し、また万一の際のN2注入など、対策が進んでいるが、それでも15年間使用されなかった施設が稼働するには漠然とした不安が残る。
しかし、あれほど問題が指摘され、実証運転や商業運転が絶望視されるなかでも、ロシア、インド、中国、韓国が果敢に高速増殖炉の商業運転にむけて努力を傾注している。また一度はあきらめたはずのフランスも高速増殖炉の実証運転を計画に移すようになっていることを考えると、たとえ15年の空白があったとしても、この施設をそのまま腐らせてしまうわけにはいかないとも思う。
視察に参加した民主党議員は若手が多く、そのなかからも「もんじゅ」側に厳し質問や意見が加えられた。小生も、事故対応シミュレーションの問題点を指摘しておいた。しかし、この視察の直前に「もんじゅ」側(独)日本原子力研究開発機構の請負企業群から自民党議員や自治体首長などへの政治献金が報道され、せっかくの再開へむけての関係者の努力に水をさした感じになったのは、かさねがさね残念だ。これほどセンシティブなイシューになっている問題で、受注のほとんどが開発機構であるような請負企業がまさに直接の利害関係者に政治献金やパーティ券購入をすること自体信じられないが、施設請負側から献金を受ける側も受ける側だ。
温暖化対策でCO2など排出量制限が重くのしかかる中で、原子力発電はまるで救世主のように言う政治家や官僚も増えたが、ここは脇を引き締めて、着実かつ安全に原子力政策を具体化していかなければならないと思う。

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1 コメント

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原子力の明日 (バビル)
2010-03-10 13:27:59
お疲れさまです。
積雪の福井まで視察に行かれたのですね。
大変ですね。

原子力ですが個人的にあのけた外れのエネルギーを制御するのは並大抵ではなくまだ人類の
英知を越えた物だと考えてます。
やはり事故があれば周辺が破壊され、放射能による環境汚染の被害が出るのはすでにご存じだと
思います。
でもせっかくある技術ですから人類のための平和利用の研究と実用化は必要だと思います。
私見ですが原子力産業の実用化は以下の条件を満たす必要があるのではないでしょうか。

1.二酸化炭素の削減という明確な国家プロジェクトの元でやるというスローガンを掲げる。
2.安全な設備で厳格に事故の起こらない管理の元で運用する。またテロに襲われないように
厳重に警備をする。
3.放射能や核廃棄物を無害化する研究を同時に研究し実用化をする。
4.原子力による電気の原価は水力発電が800円火力発電が600円原子力発電が1円と聞いたことがあります。
危険でも大きな利益がでるから産業界やそれに癒着する政治家・官僚が推進しようとしてると
思います。
そういった癒着をなくし原子力利権なるものができないようにして、
一方で電気代を安くして消費者や産業界に利益を還元する。
5.核兵器に転用したりしないことを宣言する。また核兵器で死傷した国民感情には充分
配慮する。

お目汚しですが考慮していただければ幸いです。
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