すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

4円の領収書を求める普通の人:これがアベノミクスの成果なのか?

2014-01-12 10:01:31 | Weblog
「先生、日本はこれからどうなっちゃうんでしょうか?4円の支払いでも、領収書くれって言うんです!」
ワイシャツのクリーニングはいつも近くの格安ショップでお願いしている。出勤前のサラリーマン・OLの皆さんが洗濯物を預けて、夕刻に帰宅前に受け取って帰るパターンだ。小生が行く時間帯はちょっと遅くて、主婦層のあと、ちょっと客がまばらになったころかなあ?そんなタイミングだから担当の方(しょっちゅう人が変わるからたぶんパートなのかなあ)とほんの数秒会話することがある。
冒頭の言葉はその中で聞いた。クリーニングだけでなく、外食チェーンでも、コンビニでも、今はもうほんとに社会全体がかっての工場のように一円一円コスト削減というか、その分、人間に負担を負わせてコストを切りはがしていく感じだ。この店でもスーパーと同じように受け取りのビニールの袋を自動的に出すのをやめて、出すときには4円追加するようにした。小生は通常は、そのままワイシャツを抱えて帰るのでこれまでも必要と思わなかったが、駅から遠い人は不便だろう。一円を馬鹿にするわけではないが、正直言って、4円は大きな負担ではないと思う。ところが、袋の4円を加算すると、4円の領収書をくれという人がけっこういるということだ。それは洗濯物の受け入れ、受け渡し、料金の授受をしている窓口には大変な負担となるから、係りの人の愚痴もよくわかる。
しかし、これが今の日本社会の実態ということだ。黒マグロの初セリ価格が前年比で5%まで激減した!という驚愕ニュースがあったが、これが実際の庶民感覚なんじゃないだろうか?今年はアベノミクスの成果が表れると安倍総理が宣伝しても、社会ではもう「こりゃ大変な時代になるから、一円でも切り詰めなければ...」と多くの人が考え出したということだと思う。
一円でも安く、一円の支払いも拒否するという社会はけっして「倹約」の消費者行動ではない。むしろ消費者の不安感を表現するリスクのサインだろう。それは、それ自体、消費を縮小させ、現実の景気後退をもたらす。総理は無責任にアベノミクス・アベノミクスと得意げに吹聴してまわっているが、政府は、いや官邸は今の日本の本当の経済状態を把握しているのだろうか?




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