すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

プライムニュースで中国漁船衝突ビデオ流出にコメント

2010-11-06 23:03:19 | Weblog
木曜夜までかかって、APEC対応の閣議の直前になってようやく、TPP(環太平洋連携)の党内議論が16回もの会合を経て、一応の妥協案が成立し、政府に提出されることになった。一時は執行部批判が激昂し、政局となる寸前まで緊張が高まったが、TPPそのものへの理解も進み、玉虫色の決着とはいえ、現実的な対応のガイドライトができたものと思う。しかし、この16回もの連続議論で、新人議員の活躍はすばらしかった。これまでの沈黙した集団ではなく、一人一人が自分の経歴や専門知識・実体験などを元に激しい議論を展開して、ひさしぶりに「民主党らしい」民主党になったと感じたね。
さて一夜明けて金曜となり、ほっと一息、TPP関連の書類の整理をするかと思っていたところに、尖閣諸島での中国漁船衝突と拘束のビデオがネットに流出。一服気分も吹き飛んで、ユーチューブの映像に見入った。夕刻にフジテレビのライブ・プライムニュースから危機管理専門家として出演依頼が来て、久しぶりにお台場のフジテレビへ。小泉政権の元官邸スタッフの小野参議院議員や元海保の石橋氏、山田教授などの専門家とビデオ流出やその影響について議論。
一日中、テレビでは流出映像を放映し、政府を揺るがす大事件と報道されているが、危機管理を専門としていた立場としては、そうした日本社会の対応に疑問を感じないわけにはいかない。情報漏えいという点では、この事件の直前に露呈した警視庁公安部からのテロ関係情報の流出の方がはるかに深刻な事件である。ネット流出の外事3課作成資料の中にはテロ対策の方向性や外国政府からの情報も含まれているといわれ、まさにAPECを目前にした状況において絶対に起こってはならない事件だ。これまでも日本政府からの機密情報流出が止まらず、もはや日本に機密情報、セキュリティ情報は流さないという態度を表明した国もあったが、これから、さらにその傾向は強まるだろう。そうなると日本政府は事実上「情断」になってしまう。どうしてこれほどの深刻な事態があまり報道されず、本来、最初から公開されてもおかしくはない海保のビデオがこれほど大々的に取り扱われるのか?まあ日本全体がワイドショーモードだといえばそれまでだが、情けない思いだ。すでにネットの世界では、ウィキイリークスが米軍のイラク・アフガンでの掃討作戦の実態を9万件もサイトに公開しており、それこそ国家反逆罪として重罪を課せられてもしょうがないほどの故意の情報流出・機密情報漏洩ですら一定の価値を認められているような現状の中では、今回の海保ビデオ程度の情報流出はいつどこで起こってもおかしくない。それこそたくさんの関係者がこのビデオを見、コピーを取れる環境にあったはずで、ある意味で、これまで流出しなかったのが不思議といっても過言ではない。実は、こうした日本政府の体質は、検察の村木事件の証拠改ざんにもつながるものがある。政府全体もまた犯罪捜査に当たる警察・検察、海保や消防などの現場なども、今回の事件を教訓として、一刻もはやく情報管理の体制を現代化してほしい。

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