その日いろいろ忙しく銀行に行ったりレッスンもあった。夫が暇そうだったので、買い物を頼みました。
「野菜はいろいろあるから、豚肉のロースの薄切りとかウインナーと飲み物を少し買って来てね。ハムは頂き物があるからいらないよ。」細かいのがなかったので、一万円札を渡しました。
この頃はレジ袋が有料なので、買い物袋を持って行きました。
しばらくして帰ってきました。
二つの買い物袋に買ってきました。
豚肉、鶏肉、菓子パン、みたらし団子、おはぎ、お饅頭、お餅2袋、あんこ、きなこ、バナナ2房、みかん1袋、中華あんマン、ゼロコーラ、サイダー、オレンジジュースなど。
聞くと、お釣りは78円だという。
一万円札を渡すと、全部使ってくるのかと驚いた。
この人は、こう言う人だとは知っていた。
しかも当人は立派な糖尿病なのだ。2、3日甘いものを食べなければならなかった。
菓子パンなどは何種類も買ったので、食べ切るのに何日もかかった。
もう年末で、お正月の買い物を明日あたりしなければと思う。
お正月のもの以外にも、ラーメンとかスパゲッティ、うどんなど買い置きするものも買いたいが、1人で行こうと思う。
その昔お正月になると、1年に1度しか使わない食器を出して洗って使うのだった。
食器を出しながら、これは結婚した時に持ってきたものだとか人からいただいた大事な食器だとか、コバちゃんの講釈がつきものだった。
お正月が終わると、その食器をまた洗って食器棚に戻すのだった。その時も儀式のように食器にまつわる講釈があった。
由緒正しいお家では、こういうことがあるのだなと理解はしていました。
毎年それが面倒だった。
忙しいのに、その時はコバちゃんの講釈を聞くのもお正月の行事だったから。
ちっとも楽しくない正月だった。
じーっと目をつぶってて、早く三が日が過ぎるといいなと思った。
不自由な年月が長かった。37年。
ブルンブルンと腕をバットのように振って、家の中を指揮してるコバちゃんがいつもうちの中心だった。
自分の人生を生きながら、子供の人生もなぞり、さらにコバちゃんの人生も生きた。
同居とは大変な作業だったが、子供を見てくれたので、仕事ができた。
感謝しなければならないことはわかっている。
子供の頃は父が飲兵衛で、お正月が嫌いだった。
結婚してからは、食器の出し入れのたびの長い講釈でお正月が嫌いだった。
最近は大晦日にみんなが集まり、年越しするようになった。
そして三が日の朝はお雑煮を食べるが、あとは自由だ。
不自由なことがなくなった。
自由過ぎるほどだ。
音楽以外の仕事もないので、さらに自由だ。
ヤッホーー❣️