親は大変なのだ！

レッスンの時、弾けないと儀式のように泣くマリオ君とお姉さんのまりなちゃんが来ました。久しぶりにお母さんもおみえになりました。よその人からいただいたピアノの本を持って来て、マリオ君に使えるかと聞かれました。丁度いいから使いましょうということになったのだが、マリオ君には気に入らないみたいでした。雲行きが怪しくなったが、何とか頑張っていました。マリオ君はエレクトーンにも興味があって習いたいらしいので、考えてあげると答えました。そこへお姉さんがやってきました。ダラダラと長イスに寝て、コートを広げたまま脱ぎ捨てました。マリオ君のレッスンが始まると帰ってしまったお母さんを思い出しました。お母さんの困った顔が浮かんできました。私は、このまりなちゃんを甘やかしていたと思った。生徒は、お月謝を払っていれば何をしてもいいと思っていて、私は生徒から月謝を戴いていれば、無難にレッスンしていればいいと思ってはいないだろうか？、と考えてみた。[コート、ちゃんとたたみなさい！]と叱った。[はい！]とまりなちゃん。私は大切な役割を放棄していた。この二人に限ってだが…。まりなちゃん
の態度は一変した。こうでなくちゃ。あのお母さんの子だもの、いい子のはず…。私が至らなかったな…。