むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

「遊仙」な時間を楽しむ...(東鶴)

2010-12-30 | 書道
「遊仙」な時間を楽しむ...。



これからしばらくは、俗世界を離れて美の世界に...。
(年越しの準備に忙しい時に、何言ってんだっ、おまえは。)



これは、吉野大巨先生の稽古場にある桑原翠邦先生の「遊仙」。




今年は、新しく雅号を戴いた鶴が四羽も誕生しました。
雅号の次は雅印でしょう?

というわけで、今日はその「押し方」の一例を...。

まずは、印首印の位置決めから。



印首印を逆さに置いてみて位置の具合を確かめます。
一字目より上の位置でも、下の位置でも特に決まりはないようです。

ただ、ものごとの始まりを示すのでしっかりと心をこめて押しましょう。


次に雅印になります。





いろいろな位置が考えられます。

この場合、印を押す位置と落款の位置のバランス、字の勢いを
じゃましないことなども考えて位置決めをします。

で、結局これは





というような具合になりました。




ふつうは、次のような道具を使います。

左から「印矩(いんく)」...雅印の正確な位置決めに使います。なくてもOK!
真中が「印褥(いんじょく)」...雅印を押す時の下敷きになります。
一番右が「印泥(いんでい)」...いわゆる朱肉です。使った後は、付属のへらでよく
切り込んで盛り上げて空気に当ててください。


さあ、豪鶴さん、岑鶴さん、鶴城さん、鶴嶺さん!!

雅印を手にしたら、いろいろなものにどんどん押しまくりましょう。
団扇とか扇子とか...(夏物ばかりじゃないかっ。)



押した後は、使った毛遍半紙などで雅印をやさしくふき取ってあげるなど
手入れも忘れずにね。