隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1382.三匹のおっさん

2013年08月20日 | 冒険
三匹のおっさん
読 了 日 2013/08/04
著  者 有川浩
出 版 社 文藝春秋
形  態 文庫
ページ数 443
発 行 日 2012/03/10
I S B N 978-4-16-783101-1

 

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書は1年以上前の発行だから、いずれ古書店で買うつもりでいたら、前に書いたように数冊の新刊が買えるような、僥倖に恵まれて富津市にあるイオンモールのすばる書店で、「隻眼の少女」などと一緒に買ってしまった。
著者の作品は前に「図書館戦争」を読んだのだが、世間一般の高い評価にもかかわらず、僕の好みには合わなかったから、その後本書が評判になったときも、強いて読もうという気にはならなかった。しかし、気持ちの中ではどこか片隅に引っかかっていたようで、登場人物たちが定年を過ぎた高齢者?であることなども、僕の読んでみようかという気を、引き起こした。そこで、頭書のようなことになったのだ。
病のため惜しくも亡くなった俳優の児玉清氏も、NHKラジオの朝の番組で本書を推薦していたようだ。児玉氏はテレビの司会などでも知られている他、読書人としても知られており、NHKBSで長く放送されていた「週刊ブックレビュー」という書評番組でも、名司会者として活躍した。
いつの頃からか僕は年代も近かったせいもあって、児玉氏の書評に関心を持つようになり、途中からではあったが、「週刊ブックレビュー」を欠かさず見るようにばった。

 

 

サラリーマンを定年になり退いた後、清田清一は父親の代から受け継いだ剣道場の生徒もいなくなったので、系列会社が運営するアミューズメントパーク(清一に言わせればゲームセンターだ)で、嘱託として働くことになった。奇しくもそこは清一の孫の高校生・祐希のバイト先でもあった。
ひょんなことから、若い店長が不良仲間からゆすられていたのを助けた清一は、子供の時分からの気の合う仲間立花重雄、通称シゲと、ノリこと有村則夫の三人で、自警団を結成して町内の夜回りをすることになる。
剣道の達人清田ことキヨ、柔道の有段者シゲ、そして機械いじりならプロ並みというノリは三人の中での参謀役だ。
現在は長男夫婦に譲ったが、立花重雄は「酔いどれ鯨」という看板を掲げた赤提灯の元店主であることから、そこが三人の集合場所となっていた。まだまだジジイと呼ばれることに抵抗のある彼らの自警団「三匹のおっさん」の誕生となる。

 

 

婚が遅かった有村には、遅く授かった子供、まだ高校生の娘早苗がいた。清一には彼のことを「ジジイ」とか「ジーさん」と呼ぶ、口は悪いが正義感の強い孫・祐希がいて、彼も高校生だ。
三匹のおっさん達の活躍とともに、ある事件がきっかけで知り合うことになった祐希と早苗の関係もほほえましい。胸のすくような三匹のおっさん達のアクションは、文句なしに楽しめて、連続ドラマ向きだ。
猛暑の続くかと思えば、片方では豪雨による水害、熱中症などとあまり明るいニュースがない毎日だが、こんな本を読んでストレスを解消、いやなことを忘れよう。

 

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