隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0825.色っぽい幽霊

2007年09月05日 | リーガル
色っぽい幽霊
THE CASE OF THE GLAMOROUS GHOST
読了日 2007/9/5
著 者 E・S・ガードナー
Erle Stanley Gardner
訳 者 尾坂力
出版社 早川書房
形 態 HPB225
ページ数 236
発行日 1990/10/30
ISBN 4-15-000225-8

 

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時々思い出したようにペリー・メイスンシリーズを読んでいるが、読み出すと時間を忘れて没頭してしまうのがこのシリーズである。今なお、たくさんのファンを抱えるペリー・メイスンだが、識者のHPに拠ればこの作品はシリーズ46作目だそうだ。
一見どうやったら依頼人を救えるのか?不可能と思えるような依頼人救出劇を、法廷で繰り広げる弁護士の活躍は、作中ライバルの検事・ハミルトン・バーガーならずともスタンド・プレーを思わせるのだが、文字通りその劇的な法廷場面はいつ読んでも胸躍らされる場面だ。早川ポケットミステリの225番だからかなり早い方の出版だが、シリーズの著作としては中盤より後だ。

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満月の夜、公園でデート中の男女は、木陰からよろめき出でた薄物をまとった若い女の幽霊に驚かされる。警察に捕らえられたこの「色っぽい幽霊」は、記憶喪失の娘だった。翌日、この新聞記事を読んでいたメイスンの前に現れたのは、幽霊の姉・オルガ・ジョーダンだった。彼女に拠れば、妹・エリナは2週間前に、ダグラスという男と駆け落ち同然に家を出たのに、何故このような状況にいたったのか聞きだす手助けをしてほしいというのだ。

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こうしたスタートで始まるストーリーは、やがて、駆け落ちの相手である謎の男ジョーダンが殺害されるという事件に発展する。そして、状況からエリナが殺害容疑で逮捕された。エリナを目に入れても痛くない、というほど愛する父親の宝石卸商・ホーマー・コービンは、金に糸目を付けずにエリナ救出をメイスンに依頼するのだが・・・・。

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いつもながら、危ない綱渡りをするような、法廷での検事との駆け引きや、証人尋問は、まさにアメリカ的と思えるクライマックスを迎えるのだが、今回も、これでもか、これでもかと言うほどの、被告・依頼人に不利な状況が頻出され、どうなるのかというサスペンスを駆り立てる。

 


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