楽園 | ||
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読了日 | 2007/09/10 |
著 者 | 樋口有介 | |
出版社 | 角川書店 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 289 | |
発行日 | 1994/10/30 | |
ISBN | 4-04-872831-8 |
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になる作家の簡単なデータベースをエクセルで作ったのだが、それに拠ればこの作品は著者の9冊目の作品ということになっている。僕は、この人のちょっと投げやりな感じの語り口が好きで、読み継いできたが、本書は今まで読んだものと少し趣きが違い、CIA現地駐在員のアメリカ人が主人公となっている。
楽園というタイトルについて、読後ちょっと考えさせられる内容となっているが、文体はいつものように淡々とした語り口で、最後まで進んでいく。ハードボイルドとまで行かず、ハーフボイルドといったところか?
赤道直下の群島で形成されるズッグ共和国が物語の舞台だ。照りつける陽光、椰子の茂るさんご礁の島は、長いイギリスの統治から抜け出して独立したズッグ共和国。平和そのものに見えるこの小国に、何故CIA駐在員が必要なのかというようなことはさておいて、アメリカや、日本からの政府開発援助資金で道路や橋梁の建設が進んでいる。
だが、その資金の大半はこの国を率いるサントス大統領一派の懐を潤す結果に終わっている。純朴な国民の生活を向上させるという名目の政府活動は、名目のみの空回りで、誰一人として、その現状を憂いているものはいないのだが・・・。
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