隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1928.暗幕のゲルニカ

2019年10月17日 | 絵画
暗幕のゲルニカ
読了日 2019/08/05
著 者 原田マハ
出版社 新潮社
形 態 単行本
ページ数 357
発行日 2016/03/25
ISBN 978-4-10-331722-4

 

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風19号の被害に関する報道が、毎日のようにテレビで放送されている。僕の住む千葉県は前の15号台風による被害の状況がまだ復興には至っていない中、19号の暴風により屋根のビニールシートが飛ばされるなどの、被害が多く発生した。
だが今回の台風は河川の氾濫による、住宅への浸水被害が全国的に広がった。亡くなった方も今日現在で、75人になってまだ不明者も多い。水の被害は特に長野県の千曲川の堤防決壊が、市街地に多大な浸水被害をもたらした。テレビの画像を見るたびに、なんとも言葉にならない思いが渦を巻く。
これも地球温暖化による気候の変動が関係しているのだろうか?

隣町、君津市の市立図書館で、ずっと前に著者・原田マハ氏の講演があって、出かけて聞いたことは前に書いた。2012年の作品、『楽園のカンヴァス』が山本周五郎賞を受賞して、直木賞候補ともなるが残念ながらそちらは逃した、
著者の作品はその後も幾度か直木賞候補となりながら、受賞とならないのはどうしてだろう、と思うが・・・。
まあ、そうした作家は彼女だけでなく、ほかに何人もいるからいつの日か受賞するのだろう(と、僕は思っているが…)。

 

 

話がそれた。著者はキュレーターとして、MoMA―ニューヨーク近代美術館―に勤務した経歴もあって、美術・絵画に関する作品が多いと聞く。
その頃僕はそうした絵画をモチーフとした作品に魅せられて、何冊か読んで、あたかもその道の専門家にでもなったような、気がしていたものだった。小説を読んだからと言って、専門家になれるわけはないのだが、そこが読書の楽しいところで、錯覚でも何でも、そうした気分になれることも、読書の効能ではないかと、勝手に思っている。
本書もそうした美術、かの天才画家と言われるピカソの名画、「ゲルニカ」(ゲルニカというのは地名で、そこで起きた戦争の悲劇を現したピカソの作品名となっている)を巡る壮大なドラマだ。
MoMAのキュレーター、八神瑤子が企画する「ピカソの戦争、ゲルニカによる抗議と抵抗」実施への推移が、ゲルニカが描かれた当時のスペイン内戦の模様を始め、ピカソと愛人の生活、そして現代のMoMAの企画展実施までの、八神瑤子の活躍が交互に描かれて、ノンフィクションの様相を展開するのだ。

 

 

は変わる。先日夜遅くテレビに接続しているブルーレイレコーダーが、突如故障から回復した。
もう半年かそれ以上前から、レコーダーは電源を入れて数秒で、自動的に電源が切れるという状態で、使用不可となっていた。僕が見たいと思うドラマやその他の番組は、夜の遅い時間帯だから、従来は録画して翌日以降の昼間に見ることにしていた。
だから、レコーダーが使えないということは、そうした番組を見ることもかなわなかったのだ。遅くまで本を読むことはあっても、テレビを見て遅くなるのは、僕の中では禁忌となっていた。ところがレコーダーが直って考えたら、どうも僕の捜査方法が間違っていたみたいなのだ。
長いこと同じ操作をしていたはずで、故障の原因となるようなことをした覚えはないが、まあ、直ったのだから余分なことは考えないことにしよう。また、見たいミステリードラマを見られることに、いや、それより内蔵のHDDに録画してあった記録が無事だったことと、それを見ることが出来ることに、なんだかワクワクしている状態だ。



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