ブルーマーダー | ||
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読 了 日 | 2012/12/10 | |
著 者 | 誉田哲也 | |
出 版 社 | 光文社 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 436 | |
発 行 日 | 2012/11/20 | |
I S B N | 978-4-334-92855-1 |
者が間違えるわけはないのだと思いながらも、途中までBlue MurderはBlue Murderer(ブルーマーダラー:つまり青い殺人者)のことではないかと思いながら読んでいた。
だが、やはり著者の誤りではなく、登場人物たちが間違った呼び方をしていたのだとわかる。
前にも書いたように、このところ頻繁にいすみ市大原を訪れるので、ブックセンターあずまという古書店に立ち寄る機会も必然的に増える。
そうすると本書のような新しい本と出会うこともあるというわけだ。先月出たばかりの姫川玲子シリーズの最新刊である。
8月に文庫化された「インビジブルレイン」を読んで、次作のまだ文庫になっていない「感染遊戯」もそのうち図書館で空いたら(もう何か月も貸出し中が続いているのだ)借りて読もうと思っていたら、思いがけず最新刊が手に入って先に読んでしまった。
本書を読んでいて、僕は作品がドラマや映画になることで、もしかしたら当初作者が考えていたキャラクター像と映像化された時のキャストが微妙に違っていることで、その後のシリーズ作品に逆に映像の中の人物に合わせて、あるいは書いていくうちに自然と重なりあってしまうこともあるのではないか、というようなことを思った。
というのは今回は作品の中の姫川玲子を、ドラマで見た竹内祐子嬢をイメージしながら、あるいはガンテツこと勝俣刑事を、武田鉄也氏を思い浮かべていたからだ。このシリーズを読むとき今まではそんなことはなく、ドラマと原作は別物という感じを抱いて読んできたのだ。ところが、本書ではドラマのキャスティングそのままのイメージが浮かんできて、といっても限られた人物だけだが、彼らがストーリーの中で動く姿を追っていた。
語は先述のブルーマーダーを軸に展開していくのだが、池袋を舞台にして裏社会で暗躍する輩が、次々と殺害されて姿を消していく恐怖が描かれる。前作「感染遊戯」を読んでないので、どういう経緯があったのかわからないが、姫川玲子は警視庁捜査1課から池袋署の捜査課係長になっている。
あの息の合った?捜査1課八係姫川班の面々とは離れて活動する姫川だが、その独断先行型の行動と、上を恐れない物言いは健在で、ますます磨きがかかって魅力を増している。
出所して間もない暴力団組長が全身打撲で複雑骨折という死体が発見され、所轄の池袋署に早速組織犯罪対策課、通称組対四課が乗り込んできて、合同捜査となる。が、次々と発見される同様の被害者から、暴力団同士の争いの疑いがうすなっていく。
そして、姫川は助けを求める不法滞在の外国人女性から「あなたブルーマーダーを知ってる?」と聞かれるのだった。
ひそかに姫川に思いを寄せていた本庁捜査1課で一緒に働いていた菊田刑事も登場して、スリリングなクライマックスを迎える今回も、胸のすく活躍を見せる姫川だ。映像化が難しい場面もあるが、ドラマや映画で見たいようなストーリーだ。
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