隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0231.ささらさや

2002年06月13日 | ファンタジー
ささらさや
読了日 2002/6/14
著 者 加納朋子
出版社 幻冬舎
形 態 文庫
ページ数 325
発行日 2001/10/10
ISBN 4-344-00116-8

 

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新婚間もない奥さんと赤ん坊を残して、車にはねられて死んだ「俺」が語り手という連作短編集。
人の善意や悪意が入り乱れて過ぎていく日常で、世慣れていないおっとりとした奥さんが心配で、文字通り死んでも死に切れない「俺」は、彼女の窮地に声だけ現れるという幽霊に。
ユウ坊が生まれて幸せ真っ只中で、サヤは交通事故で夫を失い途方に暮れる。「俺」の葬式は高校時代からの友人で坊さんになっていた細貝がお経を上げてくれたのだが、彼には幽霊の「俺」が見えるらしい。(トランジット・パッセンジャー)

トランジット・パッセンジャー(空港の通過客)でいられる短い時間の中で、「俺」の声に助けられながら、また、周囲の人間にもまれながら次第に彼女が逞しくなっていく様が、ちょっぴりおかしく、ちょっぴり切なく、そしてちょっぴり幸せな気分にさせてくれる。

 

1トランジット・パッセンジャー1998年9月号
初出誌(星星峡)
# タイトル 発行月号
2 羅針盤のない船 1999年9月号・10月号
3 笹の宿 1999年12月号・2000年1月号
4 空っぽの箱 2000年5月号・6月号
5 ダイヤモンドキッズ 2000年9月号・10月号
6 待っている女 2000年12月号・2001年1月号
7 ささらさや 2001年6月号・7月号
8 トワイライト・メッセンジャー 2001年7月号

 

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