隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1453.アクエリアム

2014年04月06日 | サスペンス
アクエリアム
読 了 日 2014/03/18
著  者 森深紅
出 版 社 講談社
形  態 ノベルス
ページ数 301
発 行 日 2012/08/06
I S B N 978-4-06-182827-8

 

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族館を意味するこの「アクエリアム」というタイトルが、何かしら気になっていた。
三谷幸喜氏の人気ドラマ「古畑任三郎」の第1シーズンのエピソードの一つに、「殺しのファックス」というのがある。この中で笑福亭鶴瓶氏が演じた人気作家・幡随院大が、古畑の質問に答えて「タイトルに意味はない」と言うシーンがあった。辞書を適当に開いて単語を組み合わせるだけという、質問をはぐらかすような答えに、がっくりするような古畑と、古畑の態度にイラつくような幡随院の対照が面白い場面を作っていた。
僕は時によりタイトルに印象的なものを感じて、無性に読みたいと思うことがあるから、まさか本物の作家がそんなタイトルの付け方をしているとは思わないが、タイトルもストーリーの一部として、重要なものだと感じている。
そういった意味からも本書のタイトルは、深い意味を持つものとなっている。

 

 

だが、残念ながらストーリーは僕の好みから少し外れていた。勘が悪く頭もよくない僕は、ストーリーの進展に理解がついていかないことがよくある。途中までは暗号の謎を解いていくストーリーだと思って読んでいたら、あるところから僕の予想をひっくり返すような展開を示して、その辺から逆に僕の頭は理解を示さなくなり始める。
ある意味では恩田陸氏の「ネバーランド」を連想させるようなところもあり、期待もしていたのだが、次第に僕の頭は反応しなくなり惰性でページを追うような始末だ。ところがそれに輪をかけるような終末が待ち受けていたのだ。
多分こうしたストーリーに興味を示す読者も多いのかもしれないが、単純な構造の僕の頭が受け付けないのが残念だ。

 

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