隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0576.コンピュータ殺人事件

2005年04月04日 | 本格
コンピュータ殺人事件
読 了 日 2002/06/07
著  者 藤村正太
出 版 社 講談社
形  態 文庫
ページ数 306
発 行 :日 1978/01/15
ISBN 4-06-136098-1

 

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の本は目標を立てて読み始めてから改めて買った文庫だが、以前、単行本で買って持っていたことがあるのだ。その単行本の発行されたのが昭和46年だから、前に勤務していた会社に入った翌年のことである。
タイトルの"コンピュータ"に惹かれて買ったと記憶しているが、残念ながら読まないうちに散逸した。
僕はそうした勿体ないことを今まで何度となく繰り返してきた。同じ過ちを繰り返す自分に嫌気が差すこともあるが、過去をグチっても仕方がない。
会社のことを言い出したのは、当時、その会社で業務のEDPS・電算処理(懐かしいEDPSというのはElectronic Data Processig Systemの略語)と出会い、初めてコンピュータを身近に知ることとなった。
といってもまだ、会社にあったのは数台のパンチングマシンだけで、実際の電算機による処理は、大手総合商社の系列会社である計算センターに委託していた。
当時ガソリンスタンドのチェーン経営を目指していた会社は、数あるスタンド(会社ではガソリンスタンドという言い方は禁じられており、SS、すなわちサービスステイションと言っていた。車に関する総合サービスを提供する場所ということだった。)の掛け売りの請求業務を本社で一括処理していた。初めのころは数名のキーパンチャーにより、紙テープへのパンチ処理をしていたが、次第に10数名の女子事務員が皆キーパンチをするようになっていった。
今思い起こせば、まことに用地とも思える作業だったが、その頃はまだそれが最新技術だったのだ。

本書はそうしたコンピュータ黎明期の話題をいち早く取り入れた作品の一つだ。本書では、運送会社の梱包作業の電算化に絡む事件を扱っている。著者は、相当の取材を試みたと見え、コンピュータに関する記述は今読んでも見劣りしない。また、人物がよく描かれているため、リアル感が出ている。

 

 

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