シャーロック・ホームズ殺人事件 MURDER,SHE WROTE Murder of Sherlock Holmes |
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読了日 | 2009/1/31 | |
著 者 | ジェームズ・アンダースン James Anderson |
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訳 者 | 高田恵子 | |
出版社 | 東京創元社 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 322 | |
発行日 | 1986/7/18 | |
ISBN | 4-488-22801-1 |
・ミステリのVシリーズを半分(5作)読んだところで、瀬在丸紅子が年を経たらこんな感じになるのではないかと思ったのが、本書の主人公、ジェシカ・フレッチャーだ。そこで、森・ミステリをちょっと一休みして、ずっと以前に読んだ1冊を読み返してみることにした。
この作品は1986年の発行となっているが、本自体はその翌年の再版である。それでもNHKでドラマが放送される10年以上も前だった。この当時の僕は、このブログの中で何度も書いているが活字から遠ざかっていた時で、ミステリーもほとんど読んでいなかったのだが、たまたま書店の文庫棚で本書を見かけて、ミステリードラマに関心の向いていたこともあって、買い求め読んだのである。
アメリカで放送されていたドラマのノヴェライズで、ミス・マープルを髣髴させる主人公、ジェシカ・フレッチャーが魅力的に描写されており、まだ見ぬドラマへの憧れが募ったことを今でも思い出すことができる。
というのも、ドラマで主人公を演じているアンジェラ・ランズベリ女史(表紙の写真とイラスト)は前に映画「クリスタル殺人事件」(アガサ・クリスティ女史の「鏡は横にひび割れて」を元に英国で1980年に制作されたオールスター映画)で、ミス・マープルに扮して好演しているのを見ており、ドラマへの期待がなおさら高まったのである。
ところで、本書はドラマ「ジェシカおばさんの事件簿(原題は”MURDER,SHE WROTE” 彼女の書いた殺人事件)」のパイロット版として制作されたもののノヴェライズである。ジェシカ・フレッチャーが手慰みとして書いたミステリー原稿を、ニューヨークで公認会計士として働く甥のグラディが持ち出して、出版社に勤めるガールフレンドのキットに見せたことから、原稿は出版社社長のブレストンに渡り出版されることになるという発端から、ストーリーは展開される。
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ジェシカの書いたミステリー小説「死体は真夜中に踊った」がベストセラーに躍り出たことから、彼女はカボット・コーブ(架空の町:ドラマではキャボット・コーブと発音される)というメイン州の小さな港町からはるばるニューヨークに足を運ぶ仕儀となる。テレビ出演や記者のインタビューやら忙しいスケジュールをキットとともにこなす中、出版社社長のブレストンから招待された仮装パーティーで、思いもかけない事件が突発して、甥のグラディに会社の秘密書類の盗難と、果ては殺人事件の容疑がかかってしまう。邸のプールにシャーロック・ホームズの仮装をした男の銃殺死体が浮かんでいたのである。
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まぐるしい都会から早く静かな故郷のカボット・コーブに帰りたいと思っていたジェシカだが、甥に降りかかった容疑を晴らすためにニューヨーク滞在を引き伸ばすことになる。そして、怖いもの知らずと、おばさん特有の押しの強さを存分に発揮するジェシカの活躍が始まる。
今では、シリーズドラマをたくさん見た後だから、本を読んでいても主役のアンジェラ・ランズベリ女史の顔を思い浮かべながら、その動作までをもトレースできて、再びドラマを見返したくなってくる。
アメリカ本国では、このシリーズ・ドラマは12年にもわたって264本が制作されている。その他に2001年までに単発のTVムービーとして長尺ものが3本ほど作られている。それだけファンに支持されて、人気も高かったのだろう。わが国ではNHKで放送されたのが50本くらいだったろうか?
その後、CSのLaLaTVで、新シリーズが22本ほど、TVムービーが2本だったかが字幕版で放送されたが、それでも全体の半分にも満たない本数だ。DVD化もされていないから、未放送のシリーズも見たいと思っているファンは、僕のほかにも大勢いると思われるが今となっては望み薄か?
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