杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

昼下がりの夢

2010年05月04日 | 日記
昼休みのひと時、何ともなくテレビに目をやっていると、
電話のベルが鳴った・・・
「〇〇です ! 東京へ行ってきましてね ! ・・・」
聞き覚えのある年配のご婦人の声だった。
(ああ ! Nさんだ !?) 思わず私の心も弾んだ。

あれから、1ケ月以上の時が経った、広い屋敷を眺めながら
庭の片隅にでもお姿が見えないかと、車を止めて、ゆっくり
徐行しながら土手沿いの道を走らせる私である。

「松山空港から飛行機に乗りました ! 息子が機内のテレビに
出るので、見ようと思ったけど、判らなかってネ・・・?」

彼女の話を要約すると、全日空パイロットでジャンボ機機長を
されている息子さんが、会社の広報番組に出ているので見ようと
思ったけど見られなかったと云われるのである。

今後、五年間映像が放映されるとのことで・・・
「私も、この1年以内に飛行機で東京へ行く機会があるので
必ず見ますよ・・・!」 弾む声でお伝えした。

「東京タワ-に登りました、東京スカイツリ-を見る客で一杯でした」
彼女独特の言い回しで、喜びを表現された。

会話の少ない家庭生活は、声も沈みがちで実際より老けて聞こえる
お声なのだが、何故か ! 私との会話では明るくて若々しく聞こえる。
こんな私でも ? 話すことで少しは心が晴れるなら、聞いてあげよう
と思っている。
私は彼女の話に、ひとつひとつ相槌を打って、合わせてあげた。

その後、私もよく存じている姪御さんと、その息子さんの話にも
話題が移った・・・
「何かあれば ? Y君 経由でいいから相談してね・・・!?」
私の言葉に・・・「そうします・・・!」 と答えられた。

ご主人は、耳も遠くなり近年肺の手術もされてさほど元気ではない。
「息子さんのためにも、長生きしなくちゃいけませんよ・・・!?」
私は願望を交えて伝えておいた。

これで、少しは元気になられたであろうか ?
また、哀しい時に私の顔を思い出して電話を掛けていただければ、
励ましてあげることが出来る、
(ひとりで悩むことだけは止めなさいよ。)

広いお家と手入れの行き届いた広い庭、だが住むのは夫婦ふたりだけ。
会話の途絶えがちな老夫婦の生活はお金に不自由しなくても心は空虚。
金が無くとも、笑顔の会話と愛情に恵まれた家庭と、どちらが良いか ?
私の頭は混乱する・・・。

(両方とも欲しい・・・!) これが正解なのだが、神様は意地悪で・・ ?
なかなか両方を与えては下さらない。
あなたはどちらを選ばれるか ?
私は勿論、後のほうが良い・・・!?

ジャンボ機機長の息子さんは、ご両親のことは先刻お見通しであろう。
写真で拝見するお姿は母思いのやさしいお人柄、私はそう確信している。

全ては、時が解決する。
彼女の・・・お母さんの、青春が、きっとそこまで来ているに違いない。

・・・・・・・・・・

全日空ジャンボ機の機長、その息子さんが操縦する欧州周りの飛行機の
機内に満面笑みの彼女の姿が見られた。
その老婦人の付き添いで又は秘書役で、見慣れた顔が搭乗していた。

苦楽を共にした同士、協会の新会長に就任した〇〇会長に・・・
長期の出張を申し出た・・・松山支部〇〇行政書士の姿である。
二人は、引き継いだ会の財務建て直しに奔走した苦い経験を共有して
いる戦友だった。

昼下がりの午後、掃除疲れで転寝した、男の淡い夢物語・・・。。。

                       合掌

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