杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

値打ち

2010年10月28日 | 日記
私にはこの歳になっても直らない癖がある。
弱い者が虐めに有っているのに毅然と対応できない人間を見ると、
人事ながら腹が立つ !

自分の事や身内のことに成ると、さすが必死になると思うが ?
たとえ仲間内であっても危機感がなく、真剣に弱者に手を貸さない。
それぞれの思惑があるのだろうが、私の性格とは相容れない。
その結果、私はせっかちに前面に出てしまうのである。

損な性分だと後悔するのだが ? 目の前に困った人を見ると、
手をこまねくことが出来ない。
これは、私の師匠譲りであろうと我ながら苦笑を禁じえない。
しかし、困った人を助けるわけだから仲間も大目に見て貰いたい。

ところで・・・?
朝早く、役所から連絡が入った、
「〇〇の許可申請に補正が有りますから、おいで願えますか ?」
先般、ある案件を担当してくれた若手の職員さんである。
具体的に、内容を聞いて了解した。

設計図面に関することなので、詳しい〇〇先生に手助け願うため、
電話連絡した、久し振りの連絡だったが留守電に成っていたので、
手短にお願いを吹き込んで次の用事に移った。

しばらくご無沙汰している、ある会社の社長へ電話をかけたが、
外出されていたので、奥さんに代わってもらって時候の挨拶や
しばらくのご無沙汰をお詫びした。
何時でも、この社長ご夫妻は変わりなくご親切である。
お茶飲みがてら近いうちお訪ねしようと思っている。

お金持ちにも、いろいろなお方が有って・・・
どんなにお金をお持ちであっても、まだまだ欲しい方 !
どれだけ有るか判らないのだが、腹八分目で淡々とされている方 !
見た目には、古臭いお家にお住まいで ? こちらが心配するほどの
質素なお方が、驚くほどの資産をお持ちの方 ?

金持ちは、見た目だけでは判断できない !?
しかし、私が尊敬する人は夫婦そろって、その背景を自慢しない、
偉ぶらない、生活も質素で謙虚であり他人への情愛をお持ちである。
このようなお方に接すると、私まで高貴な人格者になったような錯覚に
おちいる。

出来ることなら、お金の有る無し依りも、人格者に交友願いたいと思う。
その方が、人生が依り多く豊かな感性が磨かれるような気がする。

私にとって忘れられないお人が居る。
息子さんのお家の件で、手続きをお手伝いしたお方である。
初めてお訪ねした時は、古い農家のお家で正直に言うと ?
貧乏されているのだなと同情心が湧いて来た ?

おじいさん、おばあさんは (申請人の父母) それは、それは感じの良い
人達で優しいお人であった。
昔からのお百姓さんで、苦労されて来たのだなと、話しの合間に
想像していた、また肝心の息子さんが立派な人だった。

あるハウスメ-カ-の営業の担当さんに伺うと、息子さんは結構難しい
お方のようであったが、何故か私とは気が合った。
私の経験の中でも、三本の指に入るほどの難しい案件であったので !
正直に、おじいさん (以下お父さん) にお伝えした。

「全力を尽くしますが、やってみなければ(申請を)どうなるか判りません、
私の前に土地家屋調査士の先生の作業が有りまして、それをやらなければ
私の仕事が着手出来ません ? 場合に依れば許可が下りないということも
有り得ます、しかし、仕事が終わった調査士の先生への費用は払って
貰わなければ成りませんが、どうされますか ?」

私は、包み隠さず正直に申し上げた。
申請に至るためには、他の法律分野の作業も合わせて必要だったのである。
多額な見積もりを提示しなければならなかった !?

私は、子を思う親心の真髄を見ることになる !?

「Uさん、たとえ何百万いったとしても(必要)それを捨てることになっても
構いません、やってみてください、息子に家を構えてやりたいのです !?」
しみじみとお話しされたのである。

私は、失礼だが、思わず家を見渡した、そして、お父さんが不憫になった。
せめて、許可が下りない時は、私の分は遠慮しよう、そのように考えた。
そして、調査士の先生に着手して貰ったのである。

難しい案件で、私の記憶に残る大仕事になったが無事許可に漕ぎつけたので
ある。
手続き費用を頂戴したのだが、内心申し訳ないなと気後れもしていた ?

「Uさん、高速走りますか ?」 ちょうど四国高速自動車道が開通したばかり
だったので、私も走って見たいと思っていたのである。
無料券を頂戴した。

その時初めて、お父さんは家の事情を話されたのである。
「今までは、貧乏百姓で苦労しました、しかし高速道の土地収用のお陰で
多額の土地代金が入りました !」 その金額を聞いて私は目をむいた。
億の桁の金額だったのである、それも動転するほどの・・・!?

私の心に、爽やかな春風が吹いていた !?
このようなお方にこそ、お金は入るべきだと本当にそう思った。
息子さんのお宅は立派に完成した。

長男は公務員を登り詰めている、私が担当した弟さんは地道にそのまま
サラリ-マンでがんばっている。
役所に顔を出すと、お兄さんの笑顔は、まったく変わることなく穏やかに
微笑む。「:元気ですか! お世話になりましたね !?」
知らない人が見ると、しがない公務員さんである、しかし、その実態は
億の資産家さんである。

お金は持つべき人が持つと、値打ちが違う !?
私は、心からこのご家族に幸せが続くことを願っている。

お父さんから貰った高速道路無料券、息子とふたりで高松まで突っ走った。
爽やかな風を受けて、爽やかな幸福感にしたったことは云うまでもない。

ある所にはある、ちょっぴり億万長者の気分を味わったドライブだった・・・。。。

                                            合掌








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2 コメント

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同じ想い。 (sugi_no_ko)
2010-10-28 23:03:29
さざ波さん。
親しみを込めて、様ではなく、さんと呼ばせていただきます。

過分なお褒めの言葉と恐縮しながらも、私と同じ価値観をお持ちの、さざ波さんに、
ありがとうございますの言葉を送らせていただきます。

私は逆に、さざ波さんのコメントに依って心が洗われる思いがしています。

お年寄りとお会いするだけで、亡き両親の面影を偲び、出来なかった親孝行の真似事をさせていただいています。
お年寄りに喜んでいただくことは、あの世での
両親へ徳を積むこと。

これ以上、云いますと笑われますが !
私は、自分を生んでくれた父、母に、「生んでくれてありがとう!」
心の中で呼びかけています。

さざ波さんのご返事を励みに精進していきたいと思っています。

合掌
返信する
お金の値打? (さざ波)
2010-10-28 19:42:52
自分さえ良ければ・・・・ブランド志向で金持ちだと天狗になる人が多いこの時勢に
心豊かな杉の子さんに出逢え心の安らぎになっています。
困った人を見て見ぬふりをし同情する人もいるが、惻隠の情を備えている人は中々御目にかかれないと思っていましたが、杉の子さんのブログを拝読させて頂き、こんなにも素敵な人がいるのだと嬉しくなります。
私も 自分の事より困った人に出逢うと見ぬ振りが出来ません。
ある雨の日、80歳くらいの夫婦
エンジンがかからなく御主人がハンドルを 奥様が後ろから押してみえた。
私も仕事があり通り過ぎようと思ったが何台も車は通り過ぎていくのに誰一人車を止める人もいなかった。
「おじさん どうしたの」と声をかけると
「バッテリーがあがってしまったから 姉さん助けてくれないか」と
何とかエンジンがかかり その夫婦は 私に手を合わせ何度も御礼を言われた。
当たり前のことをしただけなのに・・・
「良かったね 気を付けて帰って下さいね」と声をかけ急いで職場に・・・セイフ
こんな私でも少しは役に立つ事ができて嬉しかった。
亡き父母が懐かしく又 この夫婦とダブリ寂しがりやの私を心配して出逢わせてくれたんだと   感謝
生き残りのお人好しもいいですよね
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