9月から本格的に始まった岐阜市内での軌道の撤去。
この事実が路面電車の軌道等を取得した上で復活を目指す「サン・ストラッセ」側の活動に重大な影響を及ぼすことは明らかだった。
この軌道撤去を受けて「サン・ストラッセ」が出した結論は「軌道事業特許申請の取り下げだった。
「路面電車復活申請取り下げ 「サン・ストラッセ」社長」(読売新聞、11/10)
記事の要旨を整理してみる。
○国土交通省中部運輸局へ軌道事業特許申請書を提出していた「サン・ストラッセ」が9日、申請を10月23日付で取り下げたことを明らかにした。
○取り下げ理由は名鉄からレールなどの必要な資産を譲受して運営すると計画の前提条件が失われたため。
名鉄側が岐阜県・沿線自治体とレールの撤去で合意し、9月から実際に作業が始まったことが契機になった。
このブログで何度も触れているように「サン・ストラッセ」の計画は名鉄の資産を取得し、岡山電気軌道が車両運行を担当する上下分離方式だった。
その前提となる名鉄保有の資産譲渡については名鉄自身が「沿線自治体」との関与が必要、岐阜市をはじめとする沿線自治体は様子見、という状況下では話が進行するハズもなかった。
そして、今回の線路撤去で計画の前提条件が崩壊したため、国土交通省中部運輸局に受理された軌道事業特許申請書の取り下げに踏み切ったが、仮に申請書の審査が続いたとしても前提条件が消滅していることから却下されることは確実だった。
「却下」されれば、またゼロから再検討となるが、見通しの立たない計画に引きずられて時間を費やしても・・・と取り下げたのだろう。
いずれにしてもこれで資産を活用した「岐阜の路面電車復活」の目はなくなったと考えれば良いだろう。
今回の結末を知った後、彼らのHPを改めて見る。
非常に景気のいい文言が並んでいるが、実際は資産譲り受けの相手方である名鉄からの情報提供を受けることもなく、また沿線自治体の協力も得られない、文字通り「孤軍奮闘」の半年だった。
今回の計画取り下げは旧名鉄の資産を活用する計画だけであってゼロから計画し、全く新規に路面電車(いや「LRT」と呼ぶべきか)の復活を目指す可能性はある。
言い換えれば、名鉄の設備に拘束されず、現状の人の流動に即した路線計画も立てることができるが、果たしてそれは可能かどうか、現状を考えると疑問に思う。
初期投資コストの削減を目的として旧名鉄の資産の有効活用、という計画になった経緯から考えると、一から路線を計画し、レールを敷く・・・という新規開業案は現実味が低い。
インフラを自治体が保有する「上下分離」を考えているかもしれないが、そもそも自治体の協力が得られていない現状ではこちらも望み薄。
計画を取り下げ後の「岐阜地区新鉄道設立準備室」がどう動くか注目したいところだが、景気のいい話はそうそう出てこないだろう、そんなことを考える。
この事実が路面電車の軌道等を取得した上で復活を目指す「サン・ストラッセ」側の活動に重大な影響を及ぼすことは明らかだった。
この軌道撤去を受けて「サン・ストラッセ」が出した結論は「軌道事業特許申請の取り下げだった。
「路面電車復活申請取り下げ 「サン・ストラッセ」社長」(読売新聞、11/10)
記事の要旨を整理してみる。
○国土交通省中部運輸局へ軌道事業特許申請書を提出していた「サン・ストラッセ」が9日、申請を10月23日付で取り下げたことを明らかにした。
○取り下げ理由は名鉄からレールなどの必要な資産を譲受して運営すると計画の前提条件が失われたため。
名鉄側が岐阜県・沿線自治体とレールの撤去で合意し、9月から実際に作業が始まったことが契機になった。
このブログで何度も触れているように「サン・ストラッセ」の計画は名鉄の資産を取得し、岡山電気軌道が車両運行を担当する上下分離方式だった。
その前提となる名鉄保有の資産譲渡については名鉄自身が「沿線自治体」との関与が必要、岐阜市をはじめとする沿線自治体は様子見、という状況下では話が進行するハズもなかった。
そして、今回の線路撤去で計画の前提条件が崩壊したため、国土交通省中部運輸局に受理された軌道事業特許申請書の取り下げに踏み切ったが、仮に申請書の審査が続いたとしても前提条件が消滅していることから却下されることは確実だった。
「却下」されれば、またゼロから再検討となるが、見通しの立たない計画に引きずられて時間を費やしても・・・と取り下げたのだろう。
いずれにしてもこれで資産を活用した「岐阜の路面電車復活」の目はなくなったと考えれば良いだろう。
今回の結末を知った後、彼らのHPを改めて見る。
非常に景気のいい文言が並んでいるが、実際は資産譲り受けの相手方である名鉄からの情報提供を受けることもなく、また沿線自治体の協力も得られない、文字通り「孤軍奮闘」の半年だった。
今回の計画取り下げは旧名鉄の資産を活用する計画だけであってゼロから計画し、全く新規に路面電車(いや「LRT」と呼ぶべきか)の復活を目指す可能性はある。
言い換えれば、名鉄の設備に拘束されず、現状の人の流動に即した路線計画も立てることができるが、果たしてそれは可能かどうか、現状を考えると疑問に思う。
初期投資コストの削減を目的として旧名鉄の資産の有効活用、という計画になった経緯から考えると、一から路線を計画し、レールを敷く・・・という新規開業案は現実味が低い。
インフラを自治体が保有する「上下分離」を考えているかもしれないが、そもそも自治体の協力が得られていない現状ではこちらも望み薄。
計画を取り下げ後の「岐阜地区新鉄道設立準備室」がどう動くか注目したいところだが、景気のいい話はそうそう出てこないだろう、そんなことを考える。
公務員の生活水準より市民の足を優先するのは当然。
岐阜市内線の廃止で失った岐阜県の信用は百年では回復しないだろう。
「岐阜の路面電車は死せり。」という信念はいささかも揺らいでいない。
ただ、そのことを強調したくて今までコメントをし続けてきたのではない。
国、地方自治体全てが財政的に逼迫しているご時勢である。地方ローカル鉄道は経営難を理由にいつ、どこが廃止されてもおかしくない情勢である。
今後沿線の地方鉄道の廃止が検討され始めたとき旧鉄道を足として利用してきた住民、鉄道ファンがそのことにいかに向き合い存続を実現させるためいかに運動すべきかが、「岐阜の路面電車再生での失敗」を貴重な教訓としていかしてほしいと思う。