Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

JR国立駅保存問題、一応の決着へ。

2006-09-24 20:35:38 | 鉄道(JR)
JR東日本と東京都が主張する「解体再築方式」を国立市が受け入れるか否かが焦点になっていた、この問題。
結局、国立市がJR側の意向を受け入れたことが23日の東京新聞に掲載されていた。
国立市はJR東日本に現駅舎の「丁寧な解体」を求め、解体された部材は市が保管する。これに要する保管倉庫の建設費用等650万円が22日の市議会定例会で可決された。

まずは時間切れで部材の保存もなく解体、という最悪の結末を避けられたのは朗報だろう。
今回はゴタゴタする国立市当局と議会に対して中央線高架化スケジュールを持ち出して押し切った感じが強い。
そうでもしないと何時まで経っても決着しなかったのは確かだったのでこれも仕方なし、という気がする。

今回の問題がここまで拗れきったのはJR東日本よりは国立市内部に原因がある。と、これまでの新聞報道を読んで思う。
「保存したい」という意思は一致しているにも関わらず、JR東日本に費用負担をさせようとした議会。
それを押さえることが出来なかった市長。
幸いなことにギリギリの所で結論が出たからいいようなものの、もし最悪の事態を迎えていれば、次は市長と議会の間で責任のなすり合いになっていたのだろうか。

もう一つ気になるのは現国立駅駅舎の復元後の使い道。
先の報道では具体的な解体・復元方法、保存場所についてはこれから検討するとしており、「中央線の高架工事が終わる5年後を目処に議論を重ねたい」としている。
以前この問題について触れた時、「用途まで議論しているのでは」と思っていたが、記事を読む限りそこまで至っていない。
結局、保存手法に関する議論が白熱する余り用途まで決まっていなかったようだ。

現国立駅駅舎の保存は決まった。
しかし、使い道が決まらないようでは、保存に要した経費は「冗費」としか言い様がなくなる。
多くの人が利用するランドマーク的な使い方がいいのではないかと漠然と考えてみるが、どんな使い道になるのだろう。
市と市議会の実のある議論に期待したいところだ。

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2 コメント

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今日から仮駅舎の (栃木路快速)
2006-10-09 10:27:57
使用が開始されたようです。14日頃、ゆっくり眺めようと思っていましたが、その前に解体と聞き、慌てて現地に行ってきました。



駅舎の外もそうですが、私としては旧国鉄時代の中央線や東京西局の雰囲気が色濃く残った、駅舎内の雰囲気が好ましかったです。解体後、国立市がどのようにこの駅舎を再構築するのかが見ものです。
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国立駅についての雑感。 (Simplex)
2006-10-09 17:04:32
高架化に端を発し、保存までスッタモンダした国立駅の駅舎ですが、ようやく解体、仮駅舎の供用開始までたどり着いた訳ですか。



栃木路快速さん仰るように、駅の外もさることながら内装の雰囲気が良かったことが印象に残っています。

今回は「解体再築」ということで、内装までをどこまで再現するか、そして使い道をどうするかが見どころになってくるかと思います。

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