Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

「岐阜地区新鉄道設立準備室」、軌道事業特許申請。

2006-03-24 06:32:24 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
あと一週間で岐阜の街から路面電車が姿を消してから、丸一年が経過する。
車両も各所に散ったり解体されて岐阜の地を去っていった。
残るは軌道を中心とした施設のみ。

残された軌道を活用し、路面電車の復活を計画している「サン・ストラッセ」を中心として組織された「岐阜地区新鉄道設立準備室」が中部運輸局へ軌道事業特許を申請した記事を見る。

記事の要旨は次のとおり。
○「岐阜地区新鉄道設立準備室」が22日中部運輸局を訪れ、軌道法に基づく軌道事業特許を申請した。
○申請書は国土交通大臣あて。申請者は5月に設立を予定する「岐阜新鉄道株式会社」。
○中部運輸局は申請書を受理し、事業認可を判断するためのヒアリングを近く開催する。

このブログで何度も触れているように「岐阜地区新鉄道設立準備室」の計画は「名古屋鉄道が保有している資産の取得」を前提としている。
しかし、同準備室が資産譲渡等に関する交渉開始を名古屋鉄道に申し入れているものの、名古屋鉄道は「行政の関与」を主張して交渉すら始まっていないというのも、これまで触れてきたとおり。

個人的には計画の前提となる資産譲渡を巡る状況が進展していないため、「膠着している」という印象しか持てない。
そんな中での今回の申請には驚くばかり。
普通に考えれば申請が認められるかどうかは難しい、ということになる。

個人的な関心としては今回申請を出してきた意図は何だろうか。
軌道事業特許申請に関する事業計画は恐らく「岐阜地区新鉄道設立準備室」HP内の「事業計画」を詳細にしたものだと推測する。
この事業計画自体、名古屋鉄道から資産に関する基本情報すら得られない中で作成されている。
HPに事業計画が記載された後、基本情報を得ることが可能となり精度の高い事業計画が作成できたから申請に踏み切ったのだろうか。
しかし、これまでの報道を見る限り名古屋鉄道の姿勢には変化がないため、この推測にはムリがあると言わざるを得ない。

もう一つ考えられるのは、今回中部運輸局に申請書を出すことで「行政の関与」を引き出そうとしているのではないかということ。
これまで沿線自治体との協議を進めてきたが、この協議の進捗が思うように進んでいないのではないかという気がする。
ここで中部運輸局、ひいては国主導に切り換えることで一気に協議を進め、名古屋鉄道との資産取得交渉を進めようとしているのではないか。
今回の申請の目的は国に計画の存在を認知させること、協議に何らかの形で国を関与させること、この二点にあるのではないだろうか。

もう一度「岐阜地区新鉄道設立準備室」のHPを見る。
スケジュールには「2006年 春 新線の事業申請」と記されている。
その意味では計画通りと言えなくもないが、前提条件に変化がないこと、国がどう判断するか不透明な状況下での申請に意味をどれだけ見いだせるか。
現時点では申請が認可されるのは難しいと判断しているが、岐阜地区新鉄道準備室は何か「秘策」を持っているのだろうか。

今回の申請を国がどう判断するのだろうかも含めて、続報を待つことにしたい。

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2 コメント

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Unknown (maksim727)
2006-03-24 10:53:13
なんか、道東道とか、九州新幹線みたいに「歯抜けでも造ってしまえば埋めざる得ないだろう」なんてのを狙っているように見えます(計画出したら資産の譲渡を名鉄も考えざる得ないだろうって感じで)。

コレは賭けですな。申請却下なら今度こそ本当に軌道復活の熱が冷めかねないですもの。
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関駅近辺の再開発計画 ((略称)寒い香具師)
2006-03-24 20:10:52
 私はここの地理に疎いですが。

http://www.kentsu.co.jp/chubu/news/p01758.html



こういうニュースもあるようで、微妙に影響するのかな?
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