Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

寝台特急「出雲」廃止へ。

2005-12-15 21:01:54 | 鉄道(JR)
12月1日の記事で廃止が検討されている事をお伝えした寝台特急「出雲」。

「出雲」の廃止を巡っては、餘部鉄橋の架け替え費用を負担する鳥取県をはじめと沿線自治体が「沿線軽視」として反発する姿勢を示していた。
しかし、存続を求める鳥取県に対してJR西日本の結論は「廃止は確定」である事が伝えられた。

「寝台特急:「出雲」廃止へ JR支社長、県に伝える 「公共性無視」知事反発/鳥取」(毎日新聞・12/15)

記事の要旨は次のとおり。
○14日の鳥取県議会でJR西日本米子支社長から同県へ「出雲の廃止は確定」である旨が伝えられた事が明らかにされた。
○これに対して鳥取県知事は「作られた不採算で、公益性を考えているのか。憤りを感じる」、「猛省を促したい」として再検討を求めている。
○「出雲」が通る餘部鉄橋について、兵庫県が19.2億、鳥取県が4.8億円、JR西日本が6億円を負担し、総事業費約30億円で架け替えが決まっているが、鳥取県は架け替え方針に変更がない事も明らかにした。
○JR西日本は今月中旬に「出雲」の廃止を正式に表明する予定。

鳥取県は「廃止の再考」を求めているが、乗車率が3割という列車を存続させるには根拠に乏しいような気がする。
「代替交通機関がない」として11月に兵庫県・島根県知事の連名で運行継続を求める要望書を提出しているが、低い乗車率が示すものはあまりに重かった。

利用されないと思われる理由については、前回触れているのでここでは触れない。
結局、いくら安い割引切符を出そうが、車両サービスが時流に追いついていない現状、JR東日本が打ち出している品川地区の再開発構想などの複雑な要因が絡んで今回の結論に至ったとしか言いようがない。

「出雲」の廃止確定が地元へ伝えられた以上、次は廃止予定時期が問題になってくる。
早ければ来年3月の廃止、という事になるのだろうか。
もう一つの関心事は「出雲」廃止に伴い、山陰方面の長距離夜行は「サンライズ出雲」のみになる。この一本化に伴い、同列車の利用率はどう変わるのか、また接続列車はどのように設定され、現状の「出雲」利用客をどう吸収していくか、「出雲」廃止後のJR西日本のダイヤ設定に注目してみたいと思う。

少なくとも、現時点ではっきりしたのは、赤地に白い雲が描かれた「出雲」のヘッドマークを見る事が出来る時間は限られること。
また一本、ブルートレインの灯が追憶の彼方に消えること。
この事だけは確かだ。


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1 コメント

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Re (たかお)
2005-12-24 23:14:14
この件に関して、鳥取県は触れないでしょうが、「出雲」廃止の理由のひとつに、ANAのダイヤ改正があるでしょうね。



ちなみに、午前中の便は、



鳥取(07:15)→羽田(08:25)

鳥取(09:45)→羽田(10:55)



羽田(07:10)→鳥取(08:30)

羽田(11:45)→鳥取(13:05)



となります。(鳥取空港はB767も発着可能)



「出雲」廃止にかんしては、鳥取・倉吉よりも、兵庫県北部但馬地域の反対がはげしいそうです。
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