Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

廃止約二週間前の岐阜市内を行く。

2005-03-20 17:14:23 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
昨日、岐阜市内を路面電車に乗って回ってみた。
20日でも良かったが、510形の最後の団体臨時列車が走るため沿線は混み合う可能性がある。
それに、19日は市ノ坪で「ひっぱれ路面電車ファイナルinぎふ」が開催されるので、こちらを見てみたい。そう考えて19日に岐阜を訪れることにした。

朝、名鉄岐阜に到着して「ワンデーフリーぎふ」を窓口で購入。
これで路面電車の均一料金区間、具体的には新岐阜駅前~忠節、徹明町~競輪場前~日野橋、競輪場前~田神が一日乗り放題になる。

早速、新岐阜駅前6:58発の忠節行に乗る。先週と同じ列車、しかも570形が使用されているとあって朝早くから多くのファンがカメラを向けている。
乗客の割合も先週に比べるとファンの比率が上がっている。

当初の予定では先週と同じように忠節付近で写真を撮ろうと思っていたが、どうせ人も増えているし、同じ場所で撮るのも芸がないと思って千手堂で下車。そこのカーブを行く電車を撮りつつ徹明町まで歩く。早い時間帯とあって車は少ないため、さほど撮影場所には困らない。
同じように電車にカメラを向けている人も数人いた。

徹明町交差点に到着。朝しか運用に入らない570形を狙うファンが集まっている。かれこれ10人ぐらいいるだろうか。場所も広く、まだ人も少ないとあって殺伐とはしていない。
もっとも、路面電車を撮るのに「あれが邪魔、これが邪魔」と考えるようでは、撮影は無理ではないかと個人的には思う。
その中に混じって交差点を行く電車を撮る。電車の正面にはお別れステッカーが15日から貼られているため、もう日常の姿は望むべくもない。ただ、廃止を示唆するのはそのステッカーだけ、電車は淡々と日常の運行をこなしていく。

徹明町交差点で570形2両を撮影してから、徹明町8:20発の日野橋行に乗る。徹明町駅は駅ビルの中にあるが、既に無人化されて久しい。ここから出発するというのも久しぶりだ。いつもは一日の最後にここで降りることが多かったから、妙に新鮮だ。
車内は同業者ばかり数名。と思いきや、用務客の方が多かった。それでも着席出来る程度の入りだ。

電車にガタゴト揺られて野一色に着いたのは8:37。ここで正面にお別れステッカーが貼られた電車を撮影して、北一色まで歩く。踏切を見ると、廃止予告の立て看板が立てられていた。
「4月1日で廃止になります。」の「す。」の部分がシール式になっているのは書き換えの手間を惜しんでのものだろうが、何だかなぁ。

歩くこと10分足らずで目的地に着いた。併用軌道と専用軌道の境界付近で写真を撮ろうと思う。既に同業者が三脚を立てて電車を待っていた。
乗ってきたであろう車を見ると、「和泉」や「練馬」ナンバー。遠方から電車を撮りに来たことが窺える。

専用軌道に入る電車を撮ってから、北一色へ歩く。

歩きながら道行く電車を見る。電車は車の列に埋没している。
北一色を通り越し、岐阜方にある歩道橋に上る。ここにも同業者が電車を待っていた。
一声かけてカメラを構える。続行運転を俯瞰しようと思ったが、1本目と2本目の間隔が空いてしまい、思うように撮れなかった。
北一色に戻り、10:09発の徹明町行に乗る。フリーきっぷを手にしたお名残乗車目的のファンの方が多かったように思う。それでも座ることはできた。
徹明町には10:24着。定時より3分遅れだった。

徹明町から岐阜市内線に乗ろうと思い、横断歩道を渡ろうとしたら目の前を黒野行きが走っていってしまった。仕方がないので、電停で電車を待つ。
その内、岐阜バスも乗車可能なきっぷを持っていることを思い出し、すぐ隣のバス停に移動してバスを待つも、結局時間通りにバスは来なかったため、やってきた電車に乗る。電車は満員。これだけ見ていると廃止が信じられない。
途中、一度だけ訪れたことのある古本屋が潰れていることに気づく。扉には「テナント募集中」と貼り紙がしてあった。

忠節の一つ前、早田で下車。ここで自分を含めて数人が降りた。
道路にペイントしてあるだけ、安全地帯などない電停に降り立つと目の鼻の先を車が高速で駆け抜けていく。
ドライバーから見ると、我々の方が異物、邪魔者に見えるのだろう。
歩道橋から忠節橋を行く電車を撮影した。この歩道橋、先週の朝見た時は570形目当てのファンが結構多くいたが、少し逆光でなおかつ車両が二種類しか走らなくなる昼前になると一人いるかいないかという状況だった。
河川敷に下りて金華山をバックに忠節橋を行く電車を撮影する。

いかにも「ファン」という人だけではなく、一般の人も電車にカメラを向けていた。

堤防を上がり、今度は忠節橋を渡る電車を撮影する。
しかし、通行量があまりにも多く、車に阻まれて思うように撮れない。軌道敷が自動車通行可能となっているため、電車が廃止されても交通状況は劇的に改善されないのではないかと思う。
そうこうしている内に、早田の電停に路面電車と、こちらも月内で姿を消す岐阜市交通局のバスが並んで停まった。
この組み合わせも最後だなと思ってシャッターを切った。

徹明町へ戻ろうと、電停に入る。「上がる」のではなく「入る」。単に道路にペイントしてあるだけの電停を表現するのはこれしかないような気がする。
電車を待っている内に、交差点を右折しようとする車が迫ってきた。電停のペイント内を通過する案配だったので慌てて避ける。電車に乗るだけでも命がけである。
12:10発の新岐阜駅前行に乗って早田を後にする。

車内はこれまた満員だった。用務客の方が多い。揖斐線から乗り通してくる乗客が多いと感じる。もとより座れるとは思っていなかったが、幸運なことに何とか座ることができた。
鉄道ファンもちらほら見えるが、さほど目につく数ではなかった。しかし、満員に近い車内でビデオカメラを回したり、三脚を広げようとするのははた迷惑以外の何者でもない。
最近(に限らないけれど)、ファンのマナー低下云々が言われているが、単に常識が欠落している人の割合が無視できないぐらいに増えているだけではないか、そんな気がする。

徹明町には12:30頃着いた。徹明町で再度美濃町線の電車に乗り換える。
午後から「ひっぱれ路面電車ファイナルinぎふ」を少し覗いてから競輪場前付近で電車を撮ってみようと思う。

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