Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

岐阜県知事、「路面電車復活は難しい」。

2006-05-18 06:25:39 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
関市の「サン・ストラッセ」を中心として進められている岐阜市の路面電車再生運動。
既に国土交通省中部運輸局へ軌道事業特許を申請したことは既報のとおり。
その路面電車再生運動について、5月2日の日本経済新聞名古屋支社版で岐阜県知事が触れている記事を見る。

webに掲載されていないので要旨を書き出してみる。
言い換えれば、それだけ「ローカル」な話題に過ぎないということだろうか。

○岐阜市内線など路面電車三線の復活を求める動きについて、古田岐阜県知事は「今のところ採算性や見通しについて必ずしも十分な話を聞いていない。可能性がある計画を提示されていない」とし、現段階では復活は厳しいとの見解を示した。
○路面電車の復活については関市の「サン・ストラッセ」が国土交通省へ特許申請を行ったが、行政の財政支援を前提とした計画であるため自治体は難色を示している。最終的に参入の可否は国土交通省が判断することになる。
○県道に敷設された軌道敷について、岐阜県知事は「線路が交通上も危険という話もあるので、いつまでも放っておけない」として線路の撤去を視野に入れていることも明らかにした。

この記事から読みとれるのは次の二点だろうか。
・岐阜県をはじめとする行政サイドは「サン・ストラッセ」の計画について極めて厳しい見方をしている。
 それは財政支援の検討以前の問題として、計画自体に具体性が伴っていないとするコメントからも読み取ることができる。
・廃止から一年が経過し、軌道敷の存在が自動車の通行に危険になりつつある箇所が出てきている。行政から見て具体性を欠く計画に何時までも拘束されている訳にもいかず、差し迫った課題に対応する必要がある。

そもそも「サン・ストラッセ」が国土交通省へ提出した計画自体、軌道をはじめとする各種資産の基本情報を名古屋鉄道から得て作成したとは考えにくい。
また、市ノ坪に代わる車庫用地をどうするのか、開発に数年を要する「ハイブリッドトラム」を前提とした車両計画がどれだけ真実味を持ちうるのか疑問も多い。
そこに持ってきて行政への赤字補填・・・。
これでは行政サイドも及び腰になるのも無理はないかと思う。
これらの要素の行き着いた先が、今回の岐阜県知事発言に結びついたのではないだろうか、そんなことを考えた。

既に沿線では架線柱の撤去が揖斐線サイドでも始まっている。
今回の発言を路面電車再生運動側はどう捉えているのだろうか。
個人的には線路の撤去まで視野に入れた今回の発言から、議論は一気に厳しい方向へ行くのではないかと見ているが。

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