森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

ブルーベーリーと目

2010年01月13日 12時54分45秒 | 過去ログ
昨日は院生ラッシュであった.
朝9時過ぎには香川より十河さんが,
11時には熊谷さん,
15時には湯川君,
17時には河村民平君,
18時には平松君が,
院生研究室で論文の調整.
僕のほうは次から次へと校閲,
そして改変の繰り返しであった.





昨年は1期生であったため見本がなく,
相当に大変であったが今年は模倣学習が生まれている.
模倣する対象がよければ,その論文はよくなる.

D1の藤田君に校閲を援助してもらった.
私の眼,肩,腰は悲鳴を挙げている.

間に村田病院から富永先生,
島津製作所から今井さんが研究室に訪れ,
今後の臨床でのfNIRSの導入可能性について1時間少し論議した.

私のほうは授業資料,そしてISEKへの投稿を済ました.
Japanese mimetic wordに関するmotor control 研究という変わった内容であるため,
欧米人には理解できないかもしれない(アクセプトにおいて).
どのような感情が湧くか楽しみである.

23時過ぎ,香川に帰る十河さんを見送り,
藤田君に送ってもらった.
博士課程のメンツは今後指導力でも発揮してもらいたい.


情報性とシナプス結合

2010年01月12日 10時48分50秒 | 過去ログ
金曜日はいつものように岡山に向かう.
朝日リハの講義もあとわずか.
今年度は体調不良などから講義内容が飛びまくっているが,
ラスト数回は私の専門性も含めて「学びの手続き」について講義をする.
この日は,情報という視点から,
メタ認知という視点を中心に話した.
やはり,時代を抜けていくという精神は「メタ認知」であると思う.
リハビリテーションに携わる者は「まじめ」だが,
この「メタ認知」にかけているものが多いのが気になる.
このメタ認知は社会性ではない,
つまり,空気を読めるか読めないかというリアルな視点ではなく,
時代のどこに自分が生き,それは何の影響を受け,さらにはこれからどこに向かおうとし,それに対してどのような戦略をもっているか,
そしてどのように行動をとり,それに対して思考を循環しているか,
といった過去―現在―未来で自分がどのよう生きているのかをメタできる人物である.
一生懸命,まじめにやっていく,これは「当たり前」のことでありそれ以上,それ以下にはならない.つまり変化がない.
変化が生まれないと人は停滞していく.
変化を起こすメタ認知,今の若者には絶対的にそれが欠けている.
そんなことを講義しながら,あるいは成人式前に思った.

土曜日の朝6時過ぎに岡山を出て,
新大阪経由で大学まで.
途中新大阪駅で,愛媛石川病院の渡部さんに出会う.
うちのバイザー会議に向かう最中だったという.
偶然だが,おもしろかった.
昨晩,その科長から電話をもらったばかりだったので.

家に一時帰宅し,荷物を変え,
大学に.
バイザー会議が進んだ.
全国各地から来ていただいたが,
ここでもいろんな人の言動,行動,表情から,
人は実に面白い生物であると感じた.
学問にしろ,指導にしろ,教育にしろ,
人は自分が生きてきた経験を基本的かつ潜在的に一番大切にする.
おおざっぱな人,細かな人,どれもその人を表す行動であり,
その行動を生み出すのは認知であり,
そしてそれは経験に裏付けられたものである.
ことばは振る舞いはその人自身の生きてきた脳のなか.
学問をして,研究している人,
データは数値だが,その情報性は主観である.
その人が生きていくために研究をする.
ポジティブなデータが出るように仮説をたてる.
そしてその母集団を選ぶ.
そしてそれを公表する.
そしてその情報を選択する人はその情報をポジティブと思っているから.
と思うと,それは社会に連鎖し,
1つの社会性,構造をつくって,支配していく.
それが最終的には人の高次脳機能のなかでもっとも崇高なもの,
宗教へと進展する.
それを信じる.
データを信じる.ということはその人の志向性(最終的には人自身)を信じるということであり,
教育にも大きく根付いている.
それが人間社会である.
そう考えれば,いろんなところで教育の違いや情報の違いや臨床の違いが起こって当然である.
そこでお互いが批判しあってもしょうがない.
もっと大きなところで勝負しないと何も見えないのである.
人よりも一段高いところから時代を眺め,何がこれからの未来に必要か,
そんなことを自分自身で考え続けることを教えることが,
本当の教育だと思う.

人に対して謙虚というよりは,自分自身の今に対してもっと謙虚になること.
これが欠けていくことが不確実性を奪って自由度を狭めてしまう.

バイザー会議中そんなことを思いながら,
議題の進行をした.
時間がなくて残念であった.
いろんな意見を引き出し,
双方向性に意見をぶつけ,
そして,論理を磨き,
1つの方向性を導き出す.
そういうプロセスに実にかけていた.
私の問題でもある.

バイザー会議を終え,
遠方から来ていただいている先生方と少しお話をして,
大学院生でバイザーの佐藤君に2時間のドライブを要求し,
兵庫のリハセンターまで送ってもらった.
19時半に懇親会場につき,
コース1日目の状況を聞き,
講師の先生方やスタッフと話をする.
兵庫のコースは実に長くなった.
1年目に出会ったPTたちももう33歳.
ファミリー同然の関係になった.
兵庫のリハセンターのスタッフらは.
「阿吽」のラインまで行っており,
みんな苦痛の表情が見られない.
もう自分の仕事の一つと自然と動く.

23時過ぎに茨城の講演を終えた宮本先生とロックバーと合流し,
2時前までメタファー言語のこと,などを中心に論議した.
サイエンスをするための分析と介入するための手続き,
それがメタファー言語においては混同されているという共通の視点を議論し,
臨床家に親父的な苦言を呈した.

翌日は9時より11時まで講義を行った.
のちのアンケートを見る限りでは好評だったようだ.
私は大きな学会や研修会ではスライドを使い一方的に喋りまくるが,
こうした講習会では使わず,横道にそれながら話していく.
理解はこっちが進むし,これが本当の私の講義スタイル.
学会で一方的に早口でまくしたてるのは,
ある意図があるのである.
詳しくは言わないが,若いセラピストに教えてあげようとかこれっぽっちも思っていない.僕よりも上の世代に対するメッセージなのである.
この講演スタイルは.
一方,コースへきている人たちには双方向性に行う.
それは仲間だからである.

13時より実技をグループで演習し,
適宜,デモをしながら,何を調べないといけないかということを話した.
臨床は最前線の研究の場である.

その日はレセプション.
龍馬伝を見れずに残念だが,
アフター講習会が実は講習会では意味を持つ.
私の周りは今回は意味が見出せなかったと思うが・・・
毎回毎回熱い論議もできない・・・ときもある.

1時ごろまで飲み続け,
香川―木俣の漫才を見ながら,笑うという幸せを感じる.

翌日は9時より症例検討を行い,
15時に終了した.
今回は講師に強さがあったコースであった.
時に強さも大事である.

評判は上々であった.

それなりに,いや相当に私たちは勉強している.
時代を変えていく気概を持っているっていうことは
人一倍,勉強し,考え続けているのである.
人間ということを.

16時過ぎに西明石を出て,
生野―山下コンビに誘導されながら,帰り着いた.
どこでもドアがほしいと思うようになってきた.
もはや移動というものは,もっとも私から捨てたいものとなった.
毎週毎週,移動するっていうのは無にある一方で,
相当に不快になるときもある.自動化っていうのは不快なのかもしれない.


脳のなかの社会

2010年01月09日 05時49分50秒 | 過去ログ
一昨日は、修士2年の熊谷さんのautismに関する研究論文が
22時にかけて8割完成した。
残りの時間有意義にすごしてもらいたい。
火曜、水曜が追い込みである。

学部授業も始まっているが、大学院の論文提出が佳境であり、
今は大学院にエフォートをおきたい。

昨日は朝日リハの講義で、
学びの手続きにおける環境からの情報収集プロセス、
注意機能、メタ認知機能、メタファー思考などについて話した。
前頭葉と他の連合野の機能は、
教師と生徒の関係性に相当に似ている。
脳のなかが社会であることが良くわかる。

前頭葉はある感覚情報を強め、
ある感覚情報を弱める機能を持つ。
それはまさに教師の生徒に対する援助手続きである。

今からバイザー会議のために大学に戻り、
バイザー会議終了後、
ベーシックコースに向けて兵庫に向かう。
新幹線で西明石駅をすぎるとき、
移動がいったりきたりを感じるためにいやになるかもしれない。


猶予なく

2010年01月07日 16時48分18秒 | 過去ログ
めまぐるしく新年が動いている.
科研費研究に関すること.
ISEKに関すること.
そして発行予定の執筆本に関すること.
そして次年度のシラバスや授業に関すること.

・・・プラス,森岡研究室の修士課程2年の7論文の追い込み.
14日が提出である.

1)河村 民平:ワーキングメモリ容量の違いが音声情報処理およびその聴覚ラテラリティに及ぼす影響―Dichotic Listening Test を用いた検討―」   
2)河村 章史:Differential activation between externally-triggered and self-initiated movements : Motor execution and motor imagery」  
3)熊谷 奈緒子:錯視課題における眼球運動の特徴 ~自閉症スペクトラムと定型発達児の比較~
4)十河 彩子:ワーキングメモリ課題の難易度による脳活動の違いとストレス反応―数字順唱課題による検討―
5)平松 祐一:言語情報の提示が上肢の運動制御に及ぼす影響
6)湯川 喜裕:脳卒中片麻痺患者における振動誘発運動感覚錯覚中の脳活動
7)吉田 慎一:空間の差異が脳活動に及ぼす影響―近位空間と遠位空間の比較-


現在も名古屋から吉田君,そして地元から河村民平君が勤務先の休みをとり,
焦りながら追い込んでいる.
私も今週・来週は大学院生につきっきりになるようスケジュールを調整している.
自分の仕事は一時期棚上げ状態である.


日本認知運動療法研究会ベーシックコース

2010年01月06日 22時14分48秒 | 過去ログ
日本認知運動療法研究会ベーシックコース
日程 2010年1月9日(土)~11日(月)
会場 兵庫県立総合リハビリテーションセンター
対象 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 他(すでに定員に達しています)
テーマ「運動イメージと認知運動療法」 森岡 周(畿央大学)
「運動学習と認知運動療法」   森岡 周(畿央大学)


無類の仕事好きか??

2010年01月05日 23時19分07秒 | 過去ログ
年末は27日に帰省し、
もっぱら31日まで原稿の仕上げに徹した。
それも地方誌の。

滋賀県理学療法士会、長野県理学療法士会、そして近畿理学療法学術大会誌の原稿を
仕上げ、年末に編集会議を行った「機能障害科学入門」の担当章の修正や、
「リハビリテーションのための人間発達学」の担当章の修正を行い、
「理学療法探求」の加筆を行った。
4誌、2つの本を年末にかけてフィニッシュさせた。
その合間にISEKの抄録を書き、
原著のイメージをした。

28日は高知医療学院の宮本先生宅で遅くまでワインを飲みながら語り、
29日は大阪保健医療大学の野村先生主催の懇親会に出席した。
30日、31日も毎年なら飲むが、
やはり体調が完全でなく控えた。

明けて正月。
院生の修士論文を眺め・・、本研究室では今年は7名が修了予定。
元旦はMIYATAYAの宮田夫妻と家族ぐるみで懇親。
飲みの量を控えつつ、楽しい時間をすごした。
よさこい談義から、教育談義まで。
新たなプロジェクトの話も1月にはつめないといけない。

2日は、昨年は母親の喪中であったためできずにいた父親の還暦祝い。
自分は父親が22歳のときの子どもであるため、
父親はまだ若いのである。
祖父は父親が小学校2年生のときに30数歳の若さでなくなっており、
父親には父親像はないと思うが。
父子は概して多く語らず、ただ飲むだけ。

3日はいつもより早くUターン。
行きはハイウェイが1000円なかったため相当すいていたが、
帰りは1000円でUターンラッシュのピークなため、
行きは4時間、帰りは7時間と誤差が生じた。
ハムストリングス、TAがつっていた。

4日、畿央大学に着任して以来のはじめての仕事始め式。
昨日は大学だけでなく、学園全体で行う試みであったため出席した。
その後は200名以上の教職員での懇親会となったが、
お開き後、三井田環境デザイン学科長を中心に7~8名で、
それから3時間も余分に飲んだ。
アルコール度数40%程度の焼酎のストレートがジャブのように効いた。

今日は遅い年賀状を書き、
出勤し、年末仕上げた原稿を見直し、
一気に添付で送信した。

悪寒な体がちょっと気になる・・・


追伸:龍馬伝すばらしかった。いままでにない大河を見れた。福山龍馬もこれまた新鮮な龍馬であり、よかった。それにしても岩崎弥太郎役の香川照之の演技はもはやすごいとしかいいようがない。彼は本当に努力の天才だ。