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森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

第25回ライフトピア連携研究会

2009年02月08日 23時14分23秒 | 過去ログ
第25回ライフトピア連携研究会「脳科学の視点からみたリハビリテーション」
 講 師:森岡 周 (畿央大学大学院)
 日 時:2009年2月18日(水) 午後6時30分~8時まで
 場 所:名古屋大学大幸キャンパス保健学科東館4F大講義室


Manabu, Congratulations on your award !

2009年02月08日 22時29分19秒 | 過去ログ
共同研究者である高知大学大学院認知行動神経科学教室の沖田学先生(研究代表者)の研究が第8回KMS Research Meetingの最優秀賞に輝きました!

最優秀賞
「異種感覚情報の統合障害が検出可能な視覚遮断下模倣検査」
(共同研究者:行廣 孝、岡村忠弘、片岡保憲、森岡 周、八木文雄)

また、公私共に同士である片岡保憲先生(高知大学大学院認知行動神経科学教室)の研究「半側空間無視に残存された病態」も奨励賞に輝きました!

二人はかつて(高知医療学院)の教え子でもあり、
そしてかつての同僚でもあり、
今ではかけがえのない、故郷の共同研究者です。
先日のライブでは率先して前で盛り上げてくれました。
最後には畿央大学の学生たちに深夜ラーメンまでもおごってくれ、
理学療法について熱く語ってくれました。


いまや、自分が賞をとるよりも、うれしく、
なんとなく、涙腺がゆるくなった。
二人を良く知る、こっちのみんなも喜んだ。


このまま「高次脳機能障害」の研究を進めてもらい、
リハビリテーション治療開発を取り組んでもらいたい。
悩める未来の患者さんのためにも。

ちなみに賞金は二人合わせて20万円らしい。
後輩たちに還元してあげてください。




人間としての共同注意

2009年02月08日 08時33分55秒 | 過去ログ


金曜日より富士リハビリテーション専門学校に来る。
日本理学療法士協会の現職者講習会のために。
列車を勘違いし、自分の講演10分前に到着し、
少々、あせるが、いつものペースで行う。
年々、神経科学の難易度をおとしているが、
1年目から20年目と、
その標準偏差が大きいため難しさを感じる。
この場合、経験が必ずしも、よいわけでなく、
それがときに自己組織化の経験として、
相当強固な結合をしている場合があるため、
脳の可塑的変化機構を邪魔することもある。

他の先生の講演を聴き、
夜はレセプションへ。
1時ぐらいまでやった記憶している。
今度の5月のPT学会の話になったが、
シンポジウムの講師や司会の人たちはその慌ただしさから、
座長を免除(?)されたようだ。
自分にとっては拘束が少なくなり、
うれしい限りであるが、
逆に座長がまだきまっていなく、
演題の数の増加に対してそれ相応の人間の増加がされていないようにも感じた。
フレッシュな座長が増えるようである。
人を多く集めるためのいろんな人間の知恵を感じる。
ただ、発表する側から考えれば、
ある程度座長からは示唆を得たいものである。

翌日は9時より自分の講演を行い、
他の先生方の講演を聴き、
実技演習に入る。
セラピストの使用する言語によって、
力の調整が可変することを体感してもらったようだ。



翌日はスタッフらと懇親会を行い、楽しい時間をすごした。
心、うちとける、ゆるせる仲間が全国にいることは幸せなことだ。

内田先生をはじめスタッフに感謝。

今から先に講習会を退散して、
畿央大学大学院の試験監督のために静岡から奈良に戻ります。


生物としての適応と進化

2009年02月05日 08時41分34秒 | 過去ログ






昨日、ふと本棚を見ると、
卒業生から贈られた色紙に目がいく。
そこには、私から「常に挑戦し続ける姿勢を学んだ」と。
特に1期生はそれが多い。

1期生は先輩がいない中、学校のカラーを作った面々である。
何事も前例がなく、コピーはできない。
勉強にしても、クラブにしても、学祭にしても。
とくに、クラブなどの設立は、
「設立」というまさに白紙の状態から、
必要な情報を仕入れ、企画し、実行し、
そして、常に循環しながら改良・更新する。
それがカラーになり、大学の性格となり、
いわゆる「畿央大学らしさ」を作った。

彼らならではの言葉だと思った。
自分が挑戦し続けているかは不明だが、
新しいものを創作している自分ではあると思う。
年をとってはきつつあるが、
つねに、エンハンスにならないように、
磨いていけばと思う。

何ごとにも挑戦.
目標はすぐには見つからない.
しかし,もがけばもがくほどそれは近づく.

しかし、その挑戦は、
時として、対称性のくずれを引き起こすこともある。
ビックバンが起こったように、
ねじれ・くずれから解体が起こる。
社会に置き換えると、
問題意識が生まれる瞬間でもあるが、
基盤がまったくもってなにもないのであれば、それは「無」になる。

雪の結晶体はすべて形が違う(自由)けれども、
それをきれい(美)と思うのも、そのもの自体に秩序(対称性)があるからである.
学生のみんなも、自由と秩序(ルール)を生きてもらいたい。
相応という言葉があるように、
美しさはある秩序のなかに生まれる。
今、テストの真っ最中であり、
国家試験まえであるが、
それを意識してもらいたい。

また、社会人になっているみなさんも、
それを意識してもらいたい、と、「色紙」をみながら思った。

色紙を見るということは、
そろそろ、3月になることを意識しはじめたのだろう。
教員にとってはうれしくもあり「センチメンタル」でもある時期だ。



昨日は、その前日に宣言したとおり、
原稿を1本終わらせた。
2日間で今週末の講習会の資料と同時にやるとは、
時間が有効に使え始めた。






忙しさのなかに適応する。
人間とは実に適応能力をもった生物である。
自己が更新されていることを内部世界で感じる。
これは「私」にしか出会わない感覚である。
外からは「結果」しかとらえることができない。
「内」「外」この両者を意識するから、
人間はこれだけの適応性をもっている。

3月末日に、「大西秀明・森岡 周(編):理学療法MOOK16 脳科学と理学療法(三輪書店)」が刊行される予定です。
私は第1章「脳科学の進歩と理学療法の接点-現在から未来」と第2章「大脳皮質における感覚情報処理と運動制御の神経基盤」を担当し、
その他の原稿を編集しています。




「身体運動学-知覚・認知からのメッセージ」が3刷決定になりました。

ご愛読感謝します。



忙しさのなかにこそ、美しさを!

2009年02月04日 00時09分33秒 | 過去ログ
今日は早々に大学に来て、
深夜に仕上げた週末の講演の資料を添付で送信する。
もう少し時間があれば、意味ある資料にできたと思うが、
元来、活字は論文もしくは著書で読むべきで、
それを情報として能動的に仕入れるということが、
学問する、のスタートだと臨床1年目から思い、
実践してきた自分にとって、
講習会の資料ですべてがわかるとは思わず、
あくまでも、イントロダクションで良いと思っているために、
図の挿入が中心となる。
これは、恩師である高知大学認知行動神経科学教室の八木教授のスタイルに影響を受けている。
八木先生の系統講義資料「Behavior Neuroscience」は図のみである。
その活字入りが「神経心理学」となった。
今読み返してもこの本は「名著」である。

9時過ぎには今日の試験である「人間発達学」の印刷を行い、
ホッチキスとめを行った。
このような自動化されたいわゆる上肢の周期運動とは?
などと考えながら、とめるとあっという間にすぎた。

10時にはweb magazine siteの「カラフル・エイジ」の松浦さんが研究室に来られ、取材を受ける。
松浦さんはご近所さんである。
「夜型キッズ」の増加の問題について、
視覚、記憶の視点から話した。
自然の光には自由度があるし、違いがある。
自然を感じるとは、違いに敏感になるということ。
人工光では、それは感じ取れない。
記憶は睡眠時の海馬の機能について話し、
いわゆる「期末試験」でなく、
「受験」という壮大な目標を達成するためには睡眠が必要であることを話した。

また、「ゲームと脳」についても問われ、
ゲームが決して悪いわけでないが、
「対話」の重要性について「共同注意」の視点から話した。
すなわち、子どもと情報を共有することの意味について。
また、遊びの創造性において、
何かに見立てる脳の機能の重要性を問題解決能力から述べた。
以前にこれは地元の小学校のPTAの会報に書いた記事を視点に。

創造力豊かな子どもを育てる。
親としてはとっても魅力あるこの響きに、
現代社会のリアリティ重視の世界観は矛盾が生じている。
人間はいつか人間自身を滅ぼしてしまうのかもしれない。
遠い先の話かもしれないが、
時間は続いている、歴史を作るのは人間だし、自然現象だ。

近々、松浦さんの記事がWEB「カラフル・エイジ」に掲載されるようだ。
顔写真が入るので、ついに5割イメージになるのかもしれない。
写真は年々いやになる。
脳のなかの記憶が更新されない。

「カラフル・エイジ」とはいい響きである。
30~40代の一見自動化されやすい人生に、多様性、柔軟性をもたらすためにも「色どり」を与えるという響きにおいても。
また、「美意識」は人間の脳にとっての究極のもの。
美を意識することは、老いてもなお意識の中心にすえたいものだ。

13時より試験監督に入る。
追って試験問題は公開する。
監督最中、入来先生の主張である「感覚運動に心はいらない」視点を考え、
移動のための動き自体を自覚するには体性感覚のみでよいという神経科学的仮説について、
RizzolattiらのPE領域の機能とPFおよびAIP領域の機能の違いから、
ついにある視点にたどり着く。
合点がいった瞬間にである。
テスト監督中にず~と考えていた。
終了20分前に合点がいったために、「にやけて」しまった。
ついにある理論に到達する。
上肢と下肢機能に対するリハビリテーションは根本的に変えないといけない。
時間を見つけて論文にしたい。

試験監督を終え、残った原稿を半分書き(可塑性の部分)、
明日に半分(ブレイン・リーディングやコーディング)書くという自己約束をして、
17時以降にメールの返事を書き、
書類を書き、
そして、19時に奈良リハの佐藤先生を向かえ、
「脊髄損傷者の身体イメージ」に関する彼の論文を添削する。
彼は来年度から大学院生になる。
自らを追い込む、学者らしさを持っている。

20時過ぎにおえ、腰の痛さがピークになり、
しばらく、研究室内の赤いソファーで横になって、21時過ぎには帰路とした。
荷物には文献を多く入れて家でやるべし、と思ってもって帰ってきたが、
腰痛から、難しそうと判断し、
ただいま、ブログを書いて、明日にゆだねるとする。
今日から書き始めた原稿は、明日にはなんとか終わらせたい。
3月末日刊行に向けてはもうタイムリミットである。



家に帰りつくと、宮崎県士会の忠谷先生から南国フルーツが届いていた。
この場を借りてお礼を申し上げたい。


ノスタルジック・シティ

2009年02月03日 01時44分28秒 | 過去ログ
土曜日、朝早く岡山を発ち、伊丹空港へ。
伊丹空港から宮崎空港にはいる。
このパターンは10月の鹿児島県士会の講演以来だ。

宮崎空港では忠谷先生、岩本先生にお出迎えしていただく。
その隣に、見覚えのある顔が一つ。
竜田君ではないか・・・少々驚き、徳島より宮崎に10月に異動してきたことを聞いた。
今は学生教育に携わっているようだ。

旧シーガイアのシェラトンホテルで昼食をいただく。
ホテルはすっかりソフトバンクを迎える準備が整っている。

食事を終え、14時より会場にて講演を開始する。
この日は、1時間半の講義と2時間の講義の2つを行う。
脳の構造と機能
脳の可塑性
脳のなかの身体
情報器官
運動制御機構における頭頂葉の役割について話す。

今回は時間に余裕があるために、
ゆっくりと進むことができ、理解が促進されたようだ。
表情からもそう見て取れる。

18時半ごろ、一度ホテルにチェックインする。
バスとトイレが別になっており、良い感じだ。
19時半から懇親会を行い、
みんなの元気を身体で感じた。
午前1時過ぎまでのみ、カラオケまで歌う。
しかし、講演の出来よりも自らの音域低下に嘆く。
講演しすぎ、飲みすぎが少しずつ声帯に影響し、とどめをさすようだ。

翌朝、9時半より今度はリハ室に場所を移動して、
実践を含めて前日の続きを行う。
体性感覚のunimodal neuronの役割を踏まえて、
実技を行う。
その後、multimodal neuronへと進み、
今度は、視覚-体性感覚の照合の実践を行う。

この際、下肢機能と上肢機能の違いについて、
頭頂葉-前頭葉連結の違いから説明した。
視覚と体性感覚を説明するのに重宝する。
Rizzolattiらの研究はミラーニューロン研究以前の運動システムの研究が大変参考になる。
ミラーニューロンが一人歩きしているが、
そのそもは彼らは大脳皮質の運動制御システムを研究していたのだし、
それは本質的に専門であり、
その研究は相当に参考になる。

頭頂葉を話した後、運動イメージ前に、
遠心性コピーの運動制御の前向きモデルを説明し、
運動イメージ治療の実際を実技で展開した。

3時間が意外とあっというまだった。

午後は45分ほど症例検討を行い、
神経科学からの視点からの評価・治療について仮説を述べた。
少し難しかったかな。

その後、一旦ブレークし、
患者の脳の可塑性の視点でなく、
セラピストの脳の可塑性の視点を1時間半ほど述べ、
情動、共同注意の学習への関与を披露した。
やさしい対話を心がけてほしい。

感情、恋情、実情、温情、「笑顔は誰だって可愛い」
「思いやれるのって素晴らしい」 by 「どこ」木村カエラ


認知症で記憶力が衰え、誰の顔かを思い出せなくても、顔の表情から喜怒哀楽などの感情を読み取る力はあまり低下しないことが認知症介護研究・研修大府センター(愛知県大府市)と国立長寿医療センター研究所(同)の調査で明らかになった。
 国立長寿医療センター研究所の中村昭範・脳機能再生研究室長(48)は「認知症が進んでも、表情から気持ちを察する脳の仕組みは失われにくいことが分かった」と分析。笑顔の人を見ると自分までほほ笑んでしまうなどの現象が「ミラーニューロンシステム」と呼ばれる神経ネットワークの働きによることが最近の研究で判明している。
 介護現場で、言葉や記憶に頼るコミュニケーションが難しくなっても「介護者の笑顔が相手を幸せな気持ちにし、しかめっ面はその逆の効果をもたらすことを知っておくことは重要」と話している。

東京新聞より




概して、2日間で9時間ほどの講演は終了した。
当初より身体の重さを感じない。
疲労はピークだと思うが、皆さんの人柄で救われたのだろう。


帰りの宮崎空港は、キャンプモード一色だった。
宮崎県士会の皆さんはその気候の通り温かく、ゆったりしていた。
感謝します。

伊丹空港はあわただしいが、
帰りのバスから見える梅田のネオン風景は、
すっかり私の週末のオアシスになった。
なんとなく、この都会にも自己の心を介するとノスタルジーに感じ始めてきた。
私のふるさとになりつつあるのか、この風景も。
ネオンを眺めながら、それを感じることができる、人間の奥深さに感動した。


週末の資料を、今、この深夜帯から作成しないといけないと思うと、
私の心から、そういった感情を失わせてしまう。
「~しなければならない」という過剰な脳の実行システムは、
どきに、感じる統合システムを抑制させてしまう。

とはいうものの、ルールであるため、
人間らしく、道徳心から、それをする。
それも、社会的認知から重要。

そのせめぎあいをいつも生きている。
社会のせめぎあいのように、私の脳もいつもせめぎあっている。
脳は社会そのもの。



なんとなく、雑音ですが、前のテンプレートが良いといううわさなので、
再度、元に戻します。
色というものは心に影響するのでしょう。
初期はなぜ「黒」にしたかと記憶が戻ってきた。
ディスプレイの汚れが確認できるからだったと思う。

黒だといつもきれいに!という気持ちがわく。
確かそんな記憶だったと思う。

連合野からそれがとりだされた。