森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:十数年たって活かされる経験

2011年08月02日 06時35分10秒 | 日記
先週末は,福井での講演でした.
福井駅には修士課程2期生の民平が,出迎えてくれました.
Ⅱ期生は7名が修了しましたが,
この河村民平は,
大学院修了後,研究の面白さに取りつかれ,
母校の付属の福井県高次脳機能障害支援センターに移動し,
現在は,福井医療短期大学のST学科の講師をしています.

Ⅱ期生7名とも,各地で活躍し,
論文が掲載されたもの,
社会人大学院でなく,
大学院オンリーで他の大学院にいったもの,
大学院受験を考えている者,
県士会の役員として活躍している者,
そして結婚して,主婦プラス臨床をしているもの,
とそれぞれがおそらく大学院で得た経験を活かしていると思います.

経験とは論文という結果ではなく,
そこまで到達する努力です.
臨床との二足のわらじは
彼らにかけがえのない経験を残したでしょう.
そのような経験は血となり,肉となり,
とっさに活かされる知恵となるでしょう.

さて,講演前には,医師で医学博士であるリハ科部長の小林先生,
富山県高志リハ病院の院長で医学博士の野村先生にご挨拶し,
最近の動向などお話を伺いました.
やはり,医師はクレバーであり,
考え方に無理がなく,
話しててとても心地よい感じをしました.
セラピストに望みたいのは歩行訓練士でなく,
機能回復を求めるセラピストであるというお言葉をいただきました.
また,様々な治療テクニックに分解しすぎで,
自己満足になっているのかもしれない,との意見もいただきました.
それについては近い将来,なんとかしたい.

講演は2時間で
対象者がセラピストだけでなく,
医師,
看護師,
ワーカー
そして患者さんに家族と幅広く,
悩み,前半が表情から難しいと察知したため,
後半は,平易に解説しようと同じスライドですが,
変えていきました.
編に意識しすぎるとだめで,
そのままを表現しないといけません.
その表現は,経験が活かされるのです.

内容は,身体失認,半側空間無視,失行の
神経科学と臨床の考え方で,
やはり,半側空間無視が経験上,
よく理解されているため,
一番,受入れがよかったのではないかと思います.
終わってから,患者さんの家族からもそのような意見をいただきました.
・難しい内容でしたが、とても分かりやすかった。
・例えが分かりやすく楽しかったです。
・脳神経と実際の症状やアプローチ方法を関連付けたお話しで、大変勉強になりました。他の講演もぜひ聞きたいです。
・難しい内容を解りやすく、簡潔に話して頂けました。
・とても分かりやすく、面白い講演で良かったです。有名な方の講演を聞けて良かったです。
などなど,とその他にも多くの肯定的な意見をいただきました.
否定的な意見があったのかもしれませんが...

時に否定的意見が自分を成長させることが多々あるので,
そういう意見が必要です.
ただし,否定的意見の質があり,
その意見を無視する場合,つまり意見を述べている側に問題がある場合は,
そのコメントをもとに次回の修正をしようとも思いません.
このあたりは経験でしょうか.
そういう意見を聞いてもあまり凹まなくなりました,
心はだいぶ強くなってきたのでしょう.
学生のコメントの方がもっとヘビーなものもありますから.
もっぱら学生の授業評価も悪いことは最近ほとんどないので,
それなりに年をとってきたのだと,
自分を評価することもできます.

患者さんが社会復帰して,自分自身をそのように省みて,
自分の人生まんざらでもないと,評価できるように,援助したいものだ.




帰りも民平に送ってもらい,
サンダーバードに飛び乗りました.
福井での講演は4年連続かもしれません.
今度はゆっくりしたいと思います.
まだまだ小林先生や野村先生からも示唆に富むご意見を伺いたいと思います.
いつも講演に来ていただいている城鼻さんともゆっくり話ができませんでしたし...

しかし,帰りにいただいたお餅はおいしかった.
福井でしか手に入らないようなお土産でした.

私は甘党なので.
酒は好きだが,甘党.
ワインは好きだが,チーズは嫌い.

土産は甘党に限る(笑)



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