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森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

表情がつたえるもの

2009年05月15日 08時14分31秒 | 過去ログ
水曜日の看護学科の感情体験の脳科学では
万国共通の情動を取り上げ
たくましく生きるための
大脳辺縁系の機能について述べた.
いくつかの驚きがあったようだが
徐々に僕の語りに順応してきたようで
その驚きが減少しているようだ.
朝一の授業も中だるみに入りそうだ.

10時半よりは教育学部の発達脳科学
学童期から思春期の神経系の発達について述べ
みんなからもらっていた意見の解説である
「小学生のやる気と大人のやる気の違い」
「スポーツ選手の注意集中時の脳」
「ポジティブ思考とネガティブ思考の脳」
についていくつかの仮説を述べた.

その後,本学の実験装置を見学してもらい
防音室の閉鎖的な環境に逆に驚きがあったようだ.
せっかくなので,教育研究にも活かしてもらいたいものだ.


週末の長野県士会の講演資料をつくり,
昨年度までの科学研究費研究の成果報告書をつくり,
現在の実習生の動向をまとめ.
D1の谷口君と話した.


木曜日は今回から奈良県内のあるSTと「発達障害」の現象を
ビデオから読み解くことを開始した.
自閉症,知的障害など
動作,表情,言動などから読み解き
エクササイズを考えるというものだが
これが難解である.
上肢の動きと言語の関係や
リズムのこと,モダリティのことなどを話し,
次回,エクササイズを検討することにした.
目に見えない問題を読み解くのは本当に難しい.
自分の浅い知恵がもどかしい.
目に見える運動麻痺を相手にしているPTは本当に楽だと思うが
その楽さにあぐらをかいているから,
なんの発展もないのかもしれないとも思った.

2時間ほど検討し
そのあと,会議に向かった.
教授会,大学院研究科委員会,そして大学院履行に関する打ち合わせを行い,
19時半よりM2に向けた「テレビ会議」によるプレゼンを開始した.
今日は初回でありトラブルがあり,
思うように進行できなかったが,
何事にも初回はトラブルがつきものだ.
思うようにいかないから次がある.

今回はM2の河村(かわむら)君からの
聴覚ワーキングメモリに関する研究進捗状況が語られ,
High SpanとLow Spanの違いをある程度は見つけられそうだと
締めくくられた.
右耳と左耳の機能的差異が気になるところだし,
DLPFCとACCの機能的連結が促進されることで
どうして注意が干渉されないのかが気になった.

そのあとは,M2の河村(こうむら)君から,
Cueが与えられた場合のexecutionとimagery,
Self-paceの場合のexecutionとimagery,などの
脳内基盤の差を検証したものであった.
時間分解をどのようにすれば
一番自分が知りたいことか,今後のさらなる解析を期待したい.
この内容は本年シカゴで開催されるsociety for neuroscienceに発表する.
おそらくaccept されるであろう.

何はともわれ,テレビ会議によって
岐阜,名古屋,香川の院生らの顔が見られたことがうれしかった.



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