森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

可能性

2009年07月02日 16時46分14秒 | 過去ログ
火曜日はイタリア帰国後の授業を展開する。
1週間空けるだけで学生の記憶を呼び起こすのは難しい。
神経系理学療法学ではataxiaの古典的な治療の考え方(利点・欠点)を言い、
その意味を神経科学的に解説した。
効果が見られる場合と見られない場合の仮説を生み出し、
それを検証するのが治療だ。
誰かが言っているから、その体操をするだとか、
国家試験に出るから、その治療をするとか、
のみでは現場では通用しない。
古典的なものを知識として入れる必要はあるが、
その知識を知恵とかえるためには、
常に差異を感じ取らないといけない。
そうでなければ、プロの臨床家とはいえない。

発達系理学療法学では12ヶ月までとりあえずは到達した。

その日は大学院の授業が21時まであり、
柴田君が運動イメージ、河石君が予測的姿勢制御を取り上げた。
相当の指摘をしたが、その後の多忙さから細かな記憶が欠落してしまった。
鮮明なうちに更新することが大切であると身を持って感じた。

水曜日は朝一で看護医療学科の「感情体験の脳科学」の授業を展開する。
共感とは何か?共感の脳科学を「自己」「他者」の区別、「他者」を「自己」へ移入の両面から解説し、ケアする上での共感の意味、そしてどこまでできて、
どこからができないのかについて、神経科学から解説した。

10時20分に授業を終え、そのまま走り10時31分の電車にとびのり、
伊丹空港を経て高知空港まで。
近森リハビリテーション病院の実習地訪問兼出張講義を行う。

久しぶりの古巣。
古い事務の人たちから声をかけられ、
わが子の成長を見るようだ!と、」うれしい言葉をいただいた。
松木部長、小笠原科長、松村課長補佐などからもうれしい言葉をいただく。
実習生は問題なし。
心と心がつながっていれば、何のことはない。
実習指導者が先入観を持てば、学生の気持ちを引き出せない。
教育も臨床と同じである。
患者さんが動きができないから、罵声を浴びさせたりしないように、
学生の行動もそのまえの情報処理を引き出さないといけない。

講義は高次脳機能障害についてであったが、
その前の運動麻痺、神経可塑性で終わった。

しかし、近森のスタッフの多いこと。
PTが130名、OTが80名、STが20名である。
そのうち100名以上が今回の講義に来てくれた。
ここまで多くなったことはないようで、
やはり自分が育ったところで、そのように迎えられるとうれしい限りである。

臨床っていいな!と心から思った。
ただ、今はまだやるべきこと、表現できていないことがあるので、
もうしばらくは、教育研究系にいないといけない。
夜は遅くまで続く続く。
高知の夜は長い。

木曜日は兵庫の三田に向かわないといけない。
あ~自分の身体はどこへ向かうのか・・


続く。

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