森岡 周のブログ

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私たちが見ている世界

2008年01月26日 00時23分52秒 | 過去ログ
多くの人は、物体は自分の身体の外にあって、それを目で見たり手で触ったりして感じていると考えています。それを常識として疑ってみたことすらないと思います。でも本当をいえばあなたが感じている物体は、身体の外側でなくて、あなたの脳の内側に存在しているのです。
 「物体が存在していることと、物体が存在していると感じることは無関係である」
 脳が物体の存在を認知するためには、その物体に対応する適切な神経活動がおこる必要があります。神経が活動してはじめて物体が認知されます。
 もし何かしらの原因で、起こるべき神経活動が脳の中で生じなかったらどうなるでしょう。もちろん、あなたは物体を認知することはできないでしょう。物体が網膜に映ったとしても、あなたの脳が反応しなければ、何も感じていないのと同じです。

 神経が適切に活動することが「認知」のすべてであって、それ以上、それ以下でもありません。物体は私たちの体外に存在しているのではなく、脳の内側に存在しています。

By 池谷裕二


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