森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

29歳の自分へ

2012年03月21日 19時10分33秒 | 日記
昨日無事に41歳の誕生日を迎えました.
無事にというところがみそですが,私は18歳の時に
自分のイメージが40歳までしかなく,
だから40歳以降の人生が存在しているのか,
よくわからなかったのです.
若い時に漠然と年はとることは知っていても,
自分がそうなる,つまり中年になるとは想定できないわけで,
その類を真剣に考えていた時期です.


またそれからしばらくして40歳で松田優作がなくなり,
ブラックレインの映画の狂気な演技を見た際,
人間とはピークを迎える前に,
それを終える人がいるんだなと思った次第で,
それに自分を重ねていたのかもしれません.

また音楽をしていた関係で,そのほとんどが20代で命を落とし,
故郷の英雄坂本龍馬も33歳.
そして,私の祖父は両方とも短命で,30代,40代でなくなり,
さらには叔父や叔母も30代,40代でなくなったなど...
そういう心のコントロールもあったのかもしれません.


私は決して裕福な世間一般にいう幸せな家庭に育ったわけでなく,
小学校から家では一人で過ごすことが多く,
自然と中学校になればアウトロー的生活になるわけで,
いわゆる不真面目な部類にカテゴライズされるわけです.
そんな自分だから,人生人生において攻撃的で,
いつまでも自分の人生が続くイメージがわかなかったのが最大の原因かもしれません.


しかし,無事に41歳を迎えました.
ここまできたのも,何回か駄目になりそうなときに,支えてくれた方々のおかげです.
人生を支えてくれた人,方向を導いてくれた人,落ちそうになったとき救ってくれた人,などなど.
その方々なくして,今の私はありえません.
本当に感謝が身にしみます.
ありがとうございます,という一言では表わしきれません.




さて,

29歳の時,理学療法ジャーナルの取材を受けました.
Treasure Huntingという記事で,第34巻第10号の731ページ(2000年)には,
そのタイトルに「原点に立ち返って運動療法を見直したい」とあります.



そこには「休まず走り続ける”いごっそう”」と見出しがあり,
私の言葉が使われています.

「とりあえず40歳までは走り続ける」と・・・
また将来はパリにすみ,カフェでメルロポンティを読んで過ごしたいと私自身独白しています.

最後の記事見出しは「運動療法の想像と創造」とあり,以下の文章が挿入されています.
「森岡氏がこれから取り組んでいきたいと考えているのが神経生理学,神経運動学,神経心理学を融合した「脳と行動」の研究,それをあくまでも理学療法のレベルで行うことで「旧来の運動療法を変える」ことだそうだ.ご本人は夢のような話と仰るが,どうしてどうして,若い理学療法士に現実のパラダイムを転換しようとする問題意識と絶えざる未来志向があれば,あながち不可能なことではあるまい.理学療法のすべての領域で,とりわけ運動療法の効果を科学的に裏付けるすることが求められている今日こそ,想像力と創造力豊かな理学療法士による新しい運動療法の登場が待たれているのである.若い森岡氏には,その変革の旗手の役回りを期待したいものだ(編集室).」


さて,29歳の自分,12年後の今を見て,それが達成されているだろうか.
少なからずとも「脳研究」が療法士の手である程度当たり前になってきた感覚はあるかな.


29歳の自分,それなりに評価してくれるか?41歳の俺を...