2010-2011シーズン国王杯(コパ・デル・レイ)決勝戦。
4月20日(水)にヴァレンシアにあるメスタージャ・スタジアムでスペインリーグ全ディビジョンが参加したカップ戦の王者を決める試合が行われました。
対戦カードはFCバルセロナvsレアル・マドリードCF。
マドリーは昨季アルコルコンに大敗、数年前には国王杯決勝まで進みながら敗戦するなどして1993年以降国王杯を獲得していません。
そんな状況下で、近年“世界最強”と謳われているバルサとの決勝戦に臨みました。マドリーは今季バルサと1分1敗。1回は0-5で負け、3日前のベルナベウのクラシコでは1-1で辛くも引き分けました。この為、下馬評ではバルサ有利とみられていました。
マドリーの布陣
4-3-3
GK:カシージャス
DF:カルヴァーリョ(延長後半14分→ガライ)、セルヒオ・ラモス、アルベロア、マルセロ
MF:ペペ、ケディラ(延長前半13分→グラネロ)、シャビ・アロンソ
FW:エジル(後半25分→アデバヨール)、ディ・マリア(延長後半15分→退場)、クリスティアーノ・ロナウド
■試合
マドリーは3日前と同じフォーメーション。トリボーテと呼ばれる対バルサ用の中盤を構成しカウンター重視の戦略でバルサと対峙しました。
前半、マドリーはバルサのポゼッションサッカーを攻略。強固な守備と速攻で試合を優位に進めC・ロナウド、ケディラ、エジルが決定機を得たものの精細を欠きます。
一方のバルサもパスワークでマドリー守備陣を崩しに掛かったものの、マドリーはその攻撃に対応し得点を許しません。
迎えた前半44分、エジルのクロスをペペが頭で合わせたもののポストに直撃し先制ならず。
後半に入るとバルサのパスサッカーがマドリーを圧倒。
マドリー側は前半飛ばしすぎたのか徐々に足が止まり始め、やがれ防戦一方の危機的展開になりました。
それでもカシージャスの大活躍とチーム一丸の粘り強い守備で0-0のまま後半を終了。マドリーが難しい局面を耐え切りました。
勝負は90分で決着が着かず延長戦へ。
延長戦に入るとバルサも疲労を隠せず両チーム共に運動量が減ります。
そんな展開で迎えた延長前半13分、マドリーは得意の速攻から一気に攻撃のスイッチを入れてバルサゴール付近に侵入!ディ・マリアがマルセロとのワンツーから抜け出しクロスを上げるとC・ロナウドがヘディングシュートを叩き込み0-1!
マドリーが見事な攻撃で先制!
失点したバルサはピケなどをトップに上げ、さらに3枚代え。
そんなバルサに対し、マドリーは守備ブロックを形成。これがガッチリ嵌り、バルサをまったく寄せ付けません。
そんな中延長後半ロスタイムにディ・マリアが2枚目で退場。少し不穏な空気が流れたものの、直後に試合終了のホイッスルが鳴り響きマドリーが国王杯を制しました!
■感想
リーグ戦、CLほどの魅力はないものの各国の強豪がシーズン始めに掲げる“3冠獲得”の中に確かに含まれている国内カップのタイトルである国王杯。
これを獲得できた事は非常に意義があります。マドリーは07-08のリーガ優勝以来のタイトル獲得。2008年以降はバルサに対して辛酸を舐めていただけにここでバルサを倒したという事実は相当大きいです!
そしてモウリーニョ監督は18年振りの国王杯優勝ということで、あのデル・ボスケ(CLとリーガ2度優勝)やカペッロ(リーガ2度優勝、07年に無冠時代に終止符を打つ)ですら成し得なかったタイトルを獲得した監督としてマドリーの歴史に強烈に記憶されることでしょう。
モウは3日前のクラシコ後、マドリーレジェンドのディステファノから「守備的すぎる」との批判を受けて反論しました。こんな事が出来るのはモウさんだけであり、普通の監督だったらレジェンドの言う通り攻撃的な布陣に変更してフルボッコされていたでしょう。
モウマドリーは、1年目にして2008年から続く無冠時代と2004年から続くCLベスト16敗退の不名誉な記録に終止符を打ち、18年振りの国王杯獲得を果たしました。
この結果を見る限り、モウ招聘は大成功で来季も続投するでしょう!(モウが辞任しなければですが…)
あとはユーロクラシコを見守るだけとなりました!皆で応援しましょう!
バルセロナ0-1レアル・マドリード
延長前半13分、C・ロナウド(マドリー)
日程
リーガ・エスパニョーラ第33節 4月23日(土)メスタージャ・スタジアム(ヴァレンシア)
ヴァレンシアvsレアル・マドリード
UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準決勝戦第1戦 4月27日(水) サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)
レアル・マドリードCFvsFCバルセロナ
リーガ・エスパニョーラ第34節 4月30or31日(土、日)サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)
レアル・マドリードvsサラゴサ
UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準決勝戦第2戦 5月3日(火) カンプ・ノウ(バルセロナ)
FCバルセロナvsレアル・マドリードCF
リーガ・エスパニョーラ第35節 5月7or8日(土、日)ラモン・サンチェス・ピスフアン(セヴィージャ)
セヴィージャvsレアル・マドリード
リーガ・エスパニョーラ第36節 5月10or11日(土、日)サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)
レアル・マドリードvsヘタフェ
リーガ・エスパニョーラ第37節 5月14or15日(土、日)エル・マドリガル(ヴィジャレアル)
ヴィジャレアルvsレアル・マドリード
リーガ・エスパニョーラ第38節【最終節】 5月21or22日(土、日)サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)
レアル・マドリードvsアルメリア
■まとめ
マドリー歴史について記憶が抜けてきたのでまとめ
02-03:リーガ優勝(最終節)。欧州CLベスト4(ユーヴェに敗北)
03-04:無冠。欧州CLベスト8(モナコに敗北)
04-05:無冠。欧州CLベスト16(レヴァークーゼンに敗北)
05-06:無冠。欧州CLベスト16(ユーヴェに敗北)
06-07:リーガ優勝(最終節)。欧州CLベスト16(M・ミュンヘンに敗北)
07-08:リーガ優勝(第35節)。欧州CLベスト16(ローマに敗北)
08-09:無冠。欧州CLベスト16(リヴァプールに敗北)
09-10:無冠。欧州CLベスト16(リヨンに敗北)
10-11:国王杯優勝。欧州CLベスト4進出。リーガ2位(首位と勝点8差)
2003年、2008年にスーペルコパ優勝。
p.s.
セルヒオ・ラモスがトロフィーを落として、トロフィーがバスに轢かれました…。