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925 口籠

2012-09-25 08:31:04 | 雑記

 口籠(くつこ、くつご、くちかご)・・・動物が噛み付かないように、又は食べないようにするため付ける籠。

(1)馬の口籠・・・厩舎用具の一つで馬の口に付ける籠のこと。昔は竹製であったが今は金網製。寝藁(ネ

ワラ)を食べたりする異常採食のものに使う。また食いのいいものが定量以上の飼葉(かいば)を食うのを

制限するために使う場合もある。

(2)牛の口籠・・・現在の日本では見られなくなったが、牛に小麦、米などを踏ませて脱穀するとき、脱穀し

たものを食べてしまうのを防ぐため口に付ける籠のこと。

(3)犬の口籠・・・犬の場合、どういうわけか「口輪」と呼ぶことが多い。ナイロン製、プラスチック製などが

ある。噛み癖、鳴き癖などを直すためのしつけ用に使う。また、ストレスによる自虐性行為の治療の一環

として口籠を使う。

 口の語源

飲食物を取り入れる器官ということから「クフトコロ(食処)」の略か、「クヒミチ(食道)」の略と考えられる。

また、ふるくからある「ち」の付く言葉は「霊」を表すことが多いため、「く」は「食」を意味し、「ち」は「霊」を

意味している可能性もある。

 籠の語源

●「籠(こ)もよ、み籠(こ)持ち、堀串(ふくし)もよ、堀串持ち、この丘に菜(な)摘(つ)ます兒(こ)、家聞か

 な、告(の)らさね、そらみつ大和の国は、おしなべてわれこそ居(を)れ、しきなべてわれこそ座(ま)せ、

 われにこそは告らめ、家をも名をも」(万葉集・雄略天皇)

 意味:良い籠(かご)を持って、良い串を持って、この丘で菜(な)を摘むお嬢さん。君の家はどこかな、

 教えてくれないかな。私は大和の国を治めるものです。だから私には教えてくれるしょうね、君の家も

 名前も。

*求婚の歌、名前を言ってくれた場合、結婚を承諾したことになる。

*籠(かご)を「こ」と言っている。

●籠の語源

かごとは、竹、蔓、木の小枝、針金などを編んで作った入れ物。語源は定かではないが、上代に「こ」と

呼ばれていたことを考えれば、「か」に由来する言葉との合成語である可能性がある。即ち「」は

意とも堅の意ともいわれ、「こ」を形容的に冠している。あるいはまた、構籠(かきご)や囲むの略義であ

ろうとする説もある。

 蛇篭(じゃかご

じゃかごは古来、を主な材料として円筒形の筒を編み、内部に石材等を詰め込み河川工事などに

利用したことに始まる。竹は屈とう性(屈してたわむ性質)に富み、豊富で入手が容易であったことから

じゃかごの材料として最も多く使用された。紀元前の中国では堤防工事にじゃかごが利用されていた

ことから、その起源は今から2千年以上前と考えられる。じゃかごがわが国に伝来したのは西暦5~7

世紀ごろ(古墳時代~飛鳥時代)と考えられている。比較的広く使われるようになったのは安土桃山時

代以降のことであり、大名が自己領土の保全と開発、領土拡張のため治水工事が行われるようになっ

たことによる。その後、徳川幕府によって全国統一がなされ、河川改修、災害復旧工事が盛んに行わ

れるようになり大量のじゃかごが使用された。

それから長い年月を経て今日まで引き継がれるなかで、じゃかごの材料・製法・構造は徐々に発展し

てきた。1908年に材料として亜鉛めっき鉄線を使用することに成功し、1911年にはじゃかご製造

機が実用化され、機械生産が可能になった。そして昭和の時代に入り、戦後の荒廃地に毎年のよう

に襲った大水害にも、じゃかごは重要な土木資材として使用され、当時の建設省は1953年にじゃか

ごの基準を制定、更にその翌年には通産省が日本工業規格JIS A 5513亜鉛めっき鉄線製じゃかご

を制定し、これまで以上に品質の確保が重視されるようになった。

じゃかごは、蛇の形に似た石かごからその呼び名が由来するように、本来の形は円筒形のものだが、

今日のJIS A 5513じゃかごにおいては、円筒形じゃかご・角形じゃかごなどの製品が、いくつかの材

料とともに規格化され、現在、各種の工法に合わせた多様なじゃかごが使用されている。 

 その他

(1)ほんとうは恐い漢字「棄」 音:「キ」 訓:す・てる

字源{棄」・上部が「子」の逆字 ・下部が「両手と篭」を表し「生まれた赤子を捨てる」が字源

★古代、初めて生まれた子は、篭(かご)にいれて捨てたり、水に浮かべてみて、育てるかどうかを決

める風習があったらしい。

(2)「かごめかごめ」の歌詞に込められた意味

かごめかごめ かごのなかのとりは いついつでやーる よあけのばんに つるとかめがすべった

うしろのしょうめんだーれー

●水子の霊説・・・女郎さんが流産したときに、その供養のために唄った歌だとか。「かごめ」とは「籠女」

、妊娠している女性である。「かごのなかのとりは いついつでやーる」は「お腹の中の赤ちゃんがいつ

出てくるのだろう」ということ。「よあけのばんに」とは、夜明けなのに晩、つまり「この世でない世界」とい

うこと。「つるとかめがすべった」とは、おめでたいこと(その象徴として鶴と亀)が滑った、つまり「流産

した」ということ。「うしろのしょうめんだーれー」とは「後ろに水子の霊がいるよ」ということ。

 

 

 


924 削り節

2012-09-24 08:52:06 | 雑記

 削り節

削り節とは、鰹節、ガツオ、サバ、イワシ、マグロなどの干し魚を薄く削ったものである。日本食の調味料

の基礎に位置づけられ、出汁(だし)の素材として昆布などとともに欠かせない。料理の仕上げ、見た目、

香りやコクの付加としてふりかける場合もある。かつて鰹節と呼び広く流通していたが、カツオ以外

原料とするものまで混じっていたことから、商品としての誤解を避けるため「削り節」と呼ぶことになった。

(1)種類

*かつおかれぶし削りぶし・かつお削りぶし・・・上品で淡白な味と香り。風味を活かす吸い物、麺類の

 出汁、煮物、添え物、即席惣菜などに向く。 

*さばかれ削りぶし・さば削りぶし・・・コクがあって濃い出汁。味噌汁、麺類のかけつゆ、煮物などに向く。

まぐろ削りぶし・・・淡白でマイルドな味。吸い物、薄味の煮物、添え物向き。

いわしけずりぶし・・・味噌汁、麺類のかけつゆ、煮物向き。

混合削りぶし・・・各種削りぶしの混合による複雑な味。配合魚種の特徴による万能出汁用。

(3)削り方

*薄削り・・・お吸い物のだし(かつお・まぐろ)。短時間の加熱または水出しでだしがよく出て香りもよい。

*厚削り・・・麺つゆ、煮付け用。濃厚なだしをとるのに向いていて、水に対して多量に入れることができ

 る。

*糸削り・・・添え物、お好み焼き、ふりかけ用。手軽にふりかけて風味を楽しむには、破片、ソフト、マイル

 ドが向く。削りぶしの効果を重視するときに使う。

 さば節、その他の節

★この「節」という言葉は、鰹節の「節」由来だが、節のように堅いことと、「いぶす」ことに由来する。

(1)さば節・・・脂の少ないゴマサバで作る。香りが強くコクのある深い旨みのダシがとれる・。はっきりとし

 た性格をもっているダシで、うどん、煮物、味噌汁などにかつお節と合わせて使われるほか、お好み焼

 きやたこ焼きに使うと粗野な感じが出る。色も濃く、醤油、味噌との相性もいい。静岡県で全国の55%  

  を生産している。かつお節のようにカビ付けしたものもあり、(個性が)強いながらもクセがない品のある

 ダシがとれる。「削り節」で流通している。ダシを取る時間はかつお節の2倍、ゆっくりと時間をかける必

 要がある。ダシ汁が冷めると生臭みが出る場合があるので、熱いまま食べる料理に向く。

(2)うるめ節・・・イワシで作るいわし節の中で、、特にルメイワシで作った節。ウルメイワシは脂が少ない

 ので、節に向いている。香りが強く余韻の残る強いダシがとれる。

(3)そうだ節・・・めじか節とも呼ばれ、ソウダガツオで作る。出し汁に色がつくが、香りのいい濃厚なダシ

 が取れる。主に関東のソバ屋で使われ、さば節同様、時間をかけてダシを取る必要がある。

(4)むろあじ節・・・単に「あじ節」とも呼ばれ、香りはあまりなく、甘みのあるマイルドな感じのダシが取れ

 る。魚臭さが少なく、吸い物の味を柔らかくする時に使う。名古屋ではウドンのダシに使われる。

(5)まぐろ節・・・めじ節、しび節とも呼ばれ、小型のキハダマグロで作る。上品でくせのない味でダシ汁に

 色が付かないので、ダシの使用を意識させないようにしたい時に使う。吸い物、炊き合わせ、寄せ鍋な

 どに向く。ポン酢醤油のダシにも使う。関西での使用が多い。

(6)さんま・・・サンマを原料にし、魚の味を残したやや淡白なダシが取れる。主にラーメンのダシに使

 われる。

 (7)あさり節・・・あさりの剥き身を煮熱し焙乾加工したもの。節加工することであさりの旨みが凝縮し、

  かつ嫌味の少ない上品な味わいのあるダシが取れる。

 だし粉

★お好み焼き、たこ焼き、焼きそば、焼きうどん、きしめんなどでは、花鰹や削り節を食べる直前に乗せる

ことがよく行われる、

★カツオ、イワシ、サバなどの節類状になったものを、「削り粉」といい、たこ焼きやお好み焼きに振り

掛けたり、付け麺のつゆに入れてコクを出したりする。

★静岡おでんには、削り粉青海苔を混ぜたものを「だし粉」と呼び、だし粉を味噌を付けたおでんの上に

振り掛けて食べる。とても美味。

●だしの語源・・・日本料理に欠かすことが出来ない「だし」。そのだしの語源は、材料を煮出すことに由来

し、古くは「煮出し汁(にだしじる)」と呼ばれていた。それが「煮出し(にだし)」や「出し汁(だしじる)」になり

、更に略されて「だし」になったと考えられる。

 とろろ汁

(1)麦とろご飯は、麦飯にすりおろした自然薯の汁をかけて食べる料理で、旧東海道丸子(鞠子)宿のも

のが有名。米飯にかける場合は「とろろかけご飯」という。現在、元祖を標榜する有名店では、「とろろ汁」

と称している。材料は自然薯を用い、皮をむいた芋を直接すり鉢で卸していくと、滑らかなとろろが出来

る。天然の山芋はそのままでは飯にかけて食べられないほど粘りがあるので、これを出汁でのばし、酒、

みりん、醤油、白味噌、卵などを加えて「汁」にし、麦飯にかけて食べる。ねぎ、青海苔を付け加えることも

ある。口コミでは、この出汁さば節、鰹節が使われるらしい。とろろ汁を家庭で作る場合、さば節の代わ

りにサバ塩焼きし、その身をほぐし、それに水、酒、みりんを加え出汁を取り、白味噌を加え、味噌汁を

を作る。この味噌汁で山芋のとろろをのばし、醤油、卵など加え調味し「汁」を作ればよい。

 

 

 


923 小ねぎ 

2012-09-23 09:23:42 | 雑記

 小ねぎ(こねぎ)・・・青ネギ(葉ネギ)を若取りしたもの。細ねぎ万能ねぎなどともよばれる。葉鞘径が5mm

度、長さが50cm程度のものが一般的で、100g単位で袋詰めされた形態で販売されることが多い。地方、特に関

東以北ではアサツキ(浅葱)と混同されることがしばしば見られる。各地の農協でブランド化が図られている。

福岡の博多万能ねぎが有名。一般的にビニールハウスを利用した施設栽培が行われていて周年出荷される。

*博多万能ねぎ・・・福岡県 JA陸前あさくら 下関の安岡ねぎのコピー 「JALCargo空輸 オゾン消毒」

*うまかねぎ・・・佐賀県 JAからつ うまかねぎ部会

安岡ねぎ・・・山口県 JA下関 下関小ねぎ部会 「ふくねぎ」とも呼ばれ、東京では「ふぐ」との関係で、魚市場

で取り引きされる。主に福江、横野地区で栽培されている。ハウスの中水を調節しながら育てる。成長に合わて

中ねぎ、大ねぎとしても地元のJA下関の青果市場へ出荷している。

*おしゃれねぎ・・・静岡県浜松市おしゃれねぎ部会 できるだけ農薬を控え、完熟堆肥・有機肥料中心の生産。

 青ネギの種類

 西日本では陽に当てて作った若くて細い青ネギ(葉ネギ)が好まれ、東日本では成長とともに土を盛り上げ陽に当

てないようにして作った、風味が強く太い白ネギ(長葱・根深葱)が好まれる。このため、単に「ネギ」と言う場合

西日本では「青ねぎ」を指し、白ネギは「白ネギ」、「ネブカ」などと呼び区別される。同様に、東日本では「ネギ」

「白ネギ」であるため、青ネギについては「ワケギ」「アサツキ」「万能ネギ」「九条ネギ」など固有名詞で呼ばれる

ことが多いが、売り手も買い手も品種間の区別がほとんどついておらず、特に「ワケギ」「アサツキ」に誤用が多い。

(1)青葱

九条太ネギ・・・葉肉が細く柔らかい。京都九条が生産地であったが、今では西日本各地で栽培される。

*九条細ネギ・・・九条ネギの系統で葉肉が薄くて柔らかい。九条太ネギより株分かれが多く7~10本になる。

*博多万能ネギ・・・福岡県の九条細系ネギ。薬味や汁ものに向く。形が崩れないよう特別容器で出荷。

*岩槻ネギ・・・埼玉県岩槻原産の葉ネギ。青身は短く、白身は緑色を帯び、一株が10~15本になる分けつ

 性で青身・白身ともに柔らかく薬味に向く。

*谷田部ネギ・・・福井県小浜市谷田部(やたべ)で生産されているネギで、甘みがありやわらかく、見た目は白身

 が長く全体的に曲がっている。

*観音(かんおん)ネギ・・・広島県西区観音で生産されているネギで、九条ネギを品種改良したものとされる。

  独特の香りと風味があり、白身が多くやわらかいのが特徴。すき焼きなど煮物に向く。

ワケネギ・・・(分け葱) 種類としては九条ネギに近い品種で、東京、千葉、埼玉などで生産されている。ワケギ

 とは別の葱。

(2)青ネギではないもの

ワケギ・・・ネギと分球性のタマネギの雑種として分類されるネギ科ネギ属の植物で、ギリシャアが原産地で日

 本では広島県尾道しなどで生産されている。細く分かれたネギがワケギとして販売されることもある。

アサツキ・・・ネギ科ネギ属の植物で、イトネギ、センブキ、センボンネギ、センボンワケギ、ヒメエゾネギとも呼ば

れる。ネギより色が薄く細い葉を持つ。流通量が非常に少ないため、関東地区などでは、細い葉ネギのことをアサ

ツキと称して販売される例も多い。

 その他

(1)葱(ねぎ)の語源・由来 

*古くは「キ」の1音であり、葱(キ)の根(ネ)を意味することから、「根葱(ネギ)」とする。

*茎の白い部分を根に見た立て、「根茎(ネグキ)」が「ネギ」に転じた。

★古名「キ」の語源は、「気(キ)・(イキ)」や「黄(キ)」や「嗅(カギ)」などに由来する。漢字表記「葱」は漢名からの

借用で、長い葉を束ねることから「たば」の意に通じるとされる。

(2)ネギの古里

ネギは世界的に見ると北半球に分布し約300品種ある。特に中央アジアの高山に野生のネギが多くある。パミー

ル高原を中国語で「葱峰」と言う。ネギの原産地は、中国西部・中央アジアといわれる。有史以前から中国に伝わ

、華北東北地方を中心に軟白した白根を利用する太ネギ群が分布し、華中・華南・南洋地方には、葉を主とし

て食べる葉ネギ群が発達分布した。また、華北・華中を中心に、万能型の兼用種が古くから栽培されていた。

(3) 「関東の根深ネギ、関西の葉ネギ」のわけ

根深ネギが、元々中国の北の華北・東北地域で生まれた太葱の流れをひき寒さに強く、一方葉ネギは中国南部

の華南などに由来し暑さに強いという特性に因るところが大きい。また、土質の違いも関係する。白い部分(軟白

部)を長く育てるには土寄せを多くしなければならない。とすると、土層が深く砂質で、地下水位が高い方が作り

易い。関東地方がこの条件に当てはまり、これに対し耕土が粘質で土寄せしにくい関西地方の場合は、葉ネギを

作る方が楽というわけだ。でも人の好みが多様化している現在、関西で根深ネギが好まれ、関東では葉ネギが

売れているように、従来の枠に囚われない使い方が拡がっている。

(4)鴨葱=鴨が葱を背負って(しょって)来る

鴨鍋にネギをいれると臭み(くさみ)がとれて美味しくなることから、いいことが重なってやってくること。また、「鴨」

は利用しやすい人をいうことから、食いものにしたい人がこちらの利益になる材料を持ってやって来ることもいう。

(5)江戸時代、鳥とネギは相性が悪いと思われていた。

18世紀のはじめの図説百科事典『和漢三才図絵』の記述によれば、鶏とネギを一緒に食べると寄生虫がわくと

信じられていたようだ。これらの食い合わせはほとんどの場合迷信のようだ。ではネギの代わりは何かというと、

それは「芹」なのである。肉の臭みを取り、肉の味を引き立てる「」という香味野菜が選ばれた。「芹の上 鴨昼寝

して うなされる」の川柳がある。

幕末期になると、鶏とネギはよく食べられるようになる。タブーより美味しさが勝(まさ)った。

(6)ねぎま

ねぎま(葱鮪)・・・元来は、ネギとマグロを使った料理

 ・ねぎま鍋(葱鮪鍋)・・・マグロとネギを調味した汁(醤油、日本酒、みりん、出し汁)で煮ながら食べる料理

  ・ねぎま汁・・・ねぎま鍋を吸い物仕立てにしたもの

  ・ねぎま・・・マグロとネギを交互に串にさして焼いたもの。また、同様に鶏とネギを交互に串にさした焼き鳥。


922 啄木鳥 秋分の日

2012-09-22 00:31:41 | 雑記

 啄木鳥(キツツキ)の仲間

*一般にキツツキと呼ばれているが、ゲラと呼ばれる鳥の総称であり、キツツキという名

の鳥はいない。名前にゲラ(ケラ)がつくのでケラ類とも言われる。ケラの語源は「ケラツツキ

で「ケラ」は虫を意味し、「木を啄(つつ)き、中の虫を捕食すること」に由来する。

日本で見られるケラ類は、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、ヤマゲラ、クマゲラ、コアカゲラ

、アリスイ、エゾアカゲラ、エゾオオアカゲラ、エゾコゲラ、(ミユビゲラ)など。

(1)アカゲラ(赤啄木鳥)・・・ケラ類で最もよく出会うのはアカゲラで、街中の公園などでもよ

く見かける。全長約25cm、背中に大きな逆八の字白斑があり、下腹部は赤い。雄は

後頭部が赤い。鳴き声は「キョ、キョ、キョ」と鋭い。繁殖期の囀りはしない。また、「ロロロロロ

ロ」と音をたてて木をつつく(ドラミング)。これは、縄張りの示威行動でもあると考えられる。

中部以北の留鳥である。

(2)オオアカゲラ(大赤啄木鳥)・・・アカゲラによく似ているが、やや大きく、全長約28cm、

腹部に黒い縦縞があるのがオオアカゲラの特徴。雄と幼鳥は頭頂が赤い。北海道~九州

の山林にすむ留鳥。鳴き声は「キョッ、キョッ」で、ドラミング音はアカゲラより大きい。

(3)コゲラ(小啄木鳥)・・・北方四島~沖縄まですむ留鳥で、低地から亜高山帯まで生息

する。寒冷地では冬季は暖地に移動する。全長約15cmで、日本では最も小さいキツツキ

。雄は後頭部の両側に数本の赤い羽色があるが目立たない。4~5月に枯れ木に巣穴

を堀り、1腹5個の卵を産む。秋~冬は平地の移動し、カラ類の群れに1~2羽で入って

ことが多い。鳴き声は「ギィー、ギィー、キキキ」と聞こえる。餌は虫を好むが、種実も食べ

る。

(4)ヤマゲラ(山啄木鳥)・・・日本では、北海道だけにいるキツツキで、これとよく似たアオ

ゲラは北海道にはいない。全長約29.5cm、背面は緑褐色の羽毛で覆われる。頭部の羽

毛は灰色で、嘴の基部から頸部にかけて黒い筋模様が入る。雄は頭頂部の羽毛が赤い。

春先木の幹の傷からしみ出す樹液を好む。鳴き声は、「ピョー、ピョピョピョ...」と聞こえる。

(5)クマゲラ(熊啄木鳥)・・・東北から北海道にかけての原生林にすむ日本最大のキツツ

キで、全長45~57cm、体重0.2~0.4kg、絶滅危惧種で天然記念物。独特の鳴き方

「キョーーーーン」を繰り返す。飛び立つとき「ピョッピョッピョッピョッピョッ・・・」と鳴く。

全身黒い羽毛で覆われ、雄は頭頂から後頭にかけて赤い羽毛で覆われる。雌は後頭のみ

赤い羽毛で覆われる。食性は動物食傾向が強い雑食で、主にアリを食べる(1日当たり最 

高1000匹))が、その他の昆虫(キクイムシ類の幼虫で1日当たり最高900匹)、果実も

食べる。 

(6)コアカゲラ(小赤啄木鳥)・・・日本では留鳥として北海道の落葉広葉樹林が混じった

針葉樹林に周年生息するが群れはつくらず、単独かペアで生活するか、冬季にはシジュ

ウカラ類の群れに混じって行動していることがある。繁殖期には縄張りを形成する。食性

は雑食で、繁殖期には昆虫(甲虫類の幼虫)など動物性のものを食べ、非繁殖期には主

に果実や種子など植物性のものを食べる。

(7)アリスイ(蟻吸)・・・日本では、北海道や本州北部では、、夏季に繁殖のため飛来し

(夏鳥)、本州中部以西では、冬季に越冬のため飛来する(冬鳥)。

全長17~18cm、背面は灰褐色の羽毛に覆われ、褐色や黒褐色の複雑な斑紋が入る。

頭頂から背面にかけて暗褐色の太い縦縞が入り、側頭部から肩部にも黒い斑紋が入る。

喉から胸部にかけて黄褐色の羽毛で覆われ、黒褐色の横縞が入る。尾羽には黒褐色の

横縞が約5本入る。食性は動物食で、主にアリを食べ、和名の由来になっている。

開けた森林、林縁、草原、湿地などに生息する。樹上では木の枝に対して水平に止まる。

警戒のyために頻繁に首をかしげるような行動をとる。鳴き声は「キィキィキィ・・・」と聞こ

える。

 その他

(1)石川啄木の「啄木(たくぼく)」の号(ペンネーム)は「啄木鳥(きつつき)」に由来する。

17歳で文壇にあこがれて上京したが、収入の道が得られず、栄養失調になって故郷(岩

手)に連れ戻された。その療養中に彼の心をなぐさめたのは、窓の向こうの深い森から絶

えず響いてくるキツツキの音(ドラミング音)だった。静かな空気を伝わってくるその「閑寂高

古の響」は、失意の彼の心を清め、再び歌に向かう気持ちをかきたてた。

以来、号を「啄木」と改め、そのことを『無題録』という文章に記した。

肺結核で26歳で夭折。歌集『一握の砂』『悲しき玩具』、詩集「呼子と口笛』など。

(2)クマゲラはアイヌの間では「チプタ・チカップ」(=船を掘る鳥)と呼称され、熊の居場所

を教えたり、道案内するとして崇められていた。

(3)ピ(-)クス(picus)・・・ローマ神話に登場する古代イタリアの農業神または王。名前

はラテン語で「キツツキ」という意味で、ピクスは変身することができ、特にマルスの聖烏で

あるキツツキに変身するのを好んだ。別の説では、魔女神キルケの求愛を退けたために

キルケにキツツキに変えられてしまたという。予言の力を持っており、マルスの神殿の木

の柱にとまって神託を下したという。未来のこと、特に天気を予言する力を持つと信じられ、

畑と家畜の守護者として農民や牧人に崇拝された。

(4)ドングリキツツキ(団栗啄木鳥)・・・北アメリカから中央アメリカにかけて分布するキツ

ツキで、森林に生息し、群れ(家族)で縄張りを構えて生活する。枯れた木に大量な穴を

あけ、その中に餌であるどんぐりを1個ずつ貯蔵する習性ががある。その他昆虫や果実も

採食する。(参考)→

http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_darwin_20100808_0516

(5)「啄木鳥や 落ち葉をいそぐ 牧の木々」(水原秋桜子)

*解釈:「や」が切れ字で、「啄木鳥や」の初句切れ。季語は啄木鳥(晩秋)。感動の中心

が啄木鳥あるので、落ち葉(冬)は季語ではない。

「落ち葉をいそぐ」という擬人法の美しさを感じる。落ち葉がしきりという情景を「いそぐ」と

捉えた視線の妙を感じる。また、「いそぐ」という言葉の裏に、{いそいでほしくない」という

「惜秋」の心情がある。「キツツキヤ」「マキノキギ」のように「キ」の音を多用して。啄木鳥

が木の幹を連打して虫を捕食するドラミング音のリズム感が、はらはらと降り急ぐ落ち葉

の印象をより鮮やかにしているようだ。 

(6)ネイティブアメリカン(インデアン)フルートはキツツキの贈り物

このフルートは求愛の際に用いられたことから、「ラブフルート」と呼ばれることがある。

一人の若者がいて、ハンターとしては勇敢だったが、酋長の娘に自分の愛を告白できな

い内気な面もあった。狩りの途中で野宿したある夜にキツツキの夢を見た。キツツキは

「若者よ、我々はお前のことは知っている。お前がよい人間だということも。お前が恋に

悩むことも。我々精霊が作る笛をお前にやろう。その音色は精霊の歌であり、愛の歌

ある。」と言った。若者が目を覚ますと、なんとキツツキが目の前にいるではありません

か。キツツキは若者が起きるのを確認するとゆっくり飛び去った。まるで若者よに「つい

て来い」といざなうように。若者がついて行くと、やがて大きな杉の木にたどり着いた。

キツツキは枝に取り付いて、クチバシで孔を開けはじめ、やがて枝っフルートに変わった。 

(7)キツツキのドラミングの回数

* コゲラ・・・1秒間に25回。1スパンが0.3秒で8~9打、1打目が最も強くだんだん

弱くなる。

*アカゲラ・・・1秒簡に18~22回。0.6秒で13打。平均間隔0.05秒。

*オオアカゲラ・・・1秒間に16回。1.8秒で29打。平均間隔0.06秒。

*クマゲラ・・・1秒間に18回。1日9,000~12,000回。

*アリスイ・・・抱卵交代など、繁殖期にドラミングを行うことがある。

 秋分の日

●2012年の秋分の日は、116年ぶりに22日になる。近年はずっと23日だったので、
 
23日が秋分の日とばかり錯覚していた。春分の日は3月20日と21日をいったりきた   
 
りするのに、秋分の日は9月23日が続くのか不思議に思う。しかも、33年前の1979   
 
年の秋分の日は24日だったというからまた驚き。ちなみに、次に「秋分の日」が22日
 
になるのは、4年後の2016年ということだ。
 

921 漬物

2012-09-21 00:05:57 | 雑記

 漬物(つけもの)、香の物

(1)日本の食卓には欠かせない食べ物

漬物は手軽に野菜の栄養分を摂れるご飯のお供として欠かせない食べ物。芋類以外のほ

とんどの野菜は漬物にできる。漬物にすることによって野菜の「アク」や「苦味」を簡単に抜く

ことができ、また、野菜の栄養価が高い皮などの部分も丸ごと食べることができる。

(2)漬物の起源・・・野菜栽培の伝来とともに

日本に漬物が伝わったのは縄文時代といわれている。大陸から野菜の栽培法が伝わった

のと同時に野菜の保存方法として漬物が伝わったと考えられる。

名古屋市郊外の萱津(かやつ)神社には次のような言い伝えがある。

毎年、秋になると豊かな自然の恵みに感謝して、野菜の初物と藻塩(もしお:ホンダワラ)の

初穂をお供えしていたが、せっかくのお供え物の野菜はそのままにして置くと腐ってしまう。

このことを嘆いてある村人が、かめ(甕)に入れて供物を供えた。すると、野菜と藻塩が作

してほどよい塩漬けができていた。村人たちは時が経っても変わらないこの不思議な食

べ物を、神社からの贈り物として尊び、諸病の免除、万病快癒の護符として、また健康食  

品として各家で蓄えるようになった。

(3)漬物の歴史

奈良時代頃まではナスや瓜の塩漬けが主流だったが、鎌倉から室町時代にかけ様々な材

料の漬物が登場した。この時代、漬物はその香り高さから「香のもの」と呼ばれようになり、

茶道や香道の席ではお口直しや嗅覚を癒すものとして用いられた。その後、江戸時代にな

ると「ぬか漬け」などの新しい漬物が登場し、やがて人々はそれらのお漬物のことを「お新

」と呼ぶようになった。

(4)漬物の方言

*つけもん・・・西日本で多い。滋賀、奈良、和歌山、島根、香川、福岡、長崎、熊本、宮崎、

 鹿児島で使われる。

*おしんこ・・・青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、長野、愛知、滋賀、京都、

 奈良、和歌山、鳥取、  徳島、香川、愛媛、長崎、大分、宮崎、鹿児島などではほとん  

 ど使われない。

*こうこ・・・茨城、千葉、新潟などでよく使われる。 

*おこうこ・・・福島、群馬、長野、山梨で使われる。 

*お漬物・・・千葉、広島でよく使われる。

*おつけもん・・・滋賀、奈良、熊本で使われる。

*その他

 ・かんば・・・滋賀、特に大根漬け

 ・がっこ・・・秋田

 ・くもじ・・・飛騨方言。奈良、京都、岡山の一部、小豆島

 ・こっこ・・・福島

 ・おごご・・・宮城

 発酵

発酵を伴う漬物は、材料に自然に付着する乳酸菌と材料に含まれる糖類によって発酵し、

保存性と風味の向上が起こるが、麹などを加えて発酵の基となる糖類を増やしたり、そこ

にふくまれる酵素により風味を増す酵素反応を誘導することもある。一方、浅漬け、千枚

漬け、松前漬け、砂糖漬けなど発酵伴わないものもあり、漬物すなわち発酵食品と分類

することはできない。 

★発酵により強い香りを放つものが多い。このため、「香のもの」、「お新香」とも呼ばれ

る。秋田県では「雅香(がこう)」が訛って「がっこ」と呼ぶ。

*日本の場合、乳酸菌発酵は酸味が著しく強くならないように抑制されるもが多いが、

 中には、柴漬けや「すぐき漬け」のように強い酸味をもつものもある。

*沢庵漬けのような糠漬けや糠味噌床は、「なれ寿司」の穀物を乳酸菌発酵の基質とし

 て利用する技術の延長線上にある。

*乳酸菌による発酵は、食品に酸味を主体とした味や香りの変化を与えるとともに、乳

 酸菌によって食品のph(ペーハー)が酸性側に偏ることで、腐敗や食中毒の原因とな

 る他の微生物の繁殖を抑えて食品の長期保存性を可能にしている。

 その他

●山葵漬け(わさびづけ)・・・粕漬けの一種。静岡県の名産。ワサビの根、茎をみじん切

 にして塩漬けにしてから、熟成した酒粕に和えて食塩、砂糖などを加え練り合わせた

 食品。ワサビの鋭い香りと辛味が酒粕の甘みによって和らげられ、口当たりをよくして

 いるのが特徴。

●メロンの漬物・・・静岡の特産品。メロンは1本の株に1個の実しか成らせないので、そ  

 れ以外の5cmくらいの成長段階のもの(摘果)を摘み取って漬物にする。味はキュウリ  

 やウリの漬物に似る。

●藻塩(もしお)・・・もしおとは、かつて玉藻(たまも)と呼ばれたホンダワラなどの海藻か

 ら作った塩のこと。淡いベージュ色の藻塩は、海水と海藻のウマ味が凝縮した、尖り

 がないマイルドな味が特徴。

●藻塩焼きを詠んだ万葉歌

 「来ぬ人を まつほの浦の 夕凪に 焼くや藻塩の 身をこがれつつ」(藤原定家)

意味:いくら待っても来ることがないあなたをこうして待ち続けている私の身は、帆の

 浦の夕凪のころに焼く藻塩のようにあなたをじっと恋こがれているのですよ。