空(そら)
●意味
(1)頭上はるかに高く広がる空間。天。天空。「東のーが白む」「-高く舞い上がる」
(2)晴雨などの天空の様子。天候。空模様。「今にも降り出しそうなー」
(3)その人の居住地や本拠地から遠く離れている場所。境遇。「異国のー」「旅のー」
(4)すっかり覚えこんでいて書いたものなどを見ないで済むこと。「山手線の駅名をーで言える」
*空は、昼間晴れていれば青く、夜間は真っ黒に見える。また、太陽や星などの天体が見える場でもある。
●空の色
(1)空が青いのは、私達が空を見たときに青色の光が目に入って来ていること。太陽から光が空気中の窒素、酸
素、水などの気体分子や、光の波長より小さい微粒子にぶつかり散乱するとき、青のような波長の短い光がより強
く散乱されるので、私達の目に青色の光が入って来て空は青く見える。<レイリー散乱>
(2)光の波長より大きい微粒子も散乱を起こす。こちらは光の色(波長)には関係なく散乱するので、白みがかった
色になる。<ミー散乱>
(3)結果として、空の色は、地上では白みがかった薄い青色に見える。
●夕方の空の色
青より波長の長い光の緑・黄・赤は散乱しにくく、まっすぐ進む。そのため、太陽光は、青が散乱によって失われた
ためこれらの光が強く、夕方近くなるとかなり黄色がかった色になる。
また、夕方太陽光は大気圏を斜めに通ることになり、昼間に比べ太陽光が通る大気の距離(厚み)が増える。
初めのうちは、波長の短い青が多く散乱され、波長の長い黄や赤の光は散乱されない。しかし進んだ距離が長く
なるにつれて、黄や赤の光も散乱されていく。こうなると青は初めのうちに散乱され尽くしてしまっていて、黄色や
赤の光ばかりが地上に到達し私達の目に入る。このため夕陽は赤く見え、それに染まる空も赤く見える。
色即是空(しきそくぜくう)空即是色(くうそくぜしき)
(1)色即是空
*「色」とは「目にみえるもの」「形づくられたもの」の意で、木も草も人間もすべて「色」。
*この「色」は「諸行無常」、実体としてあるもではなく、刻々と変化するもの。
*「色」は不変の実体がないのだから、即ちそれは「空(くう)」だということ。
(2)「空(くう)」の意味
*「空」とは「空っぽ」とか「何もない」という意味ではない。
*あるものの存在は、そのものだけでは存在しない。まわりのすべての中で一つの表現としてある。言い換えれ
ば、すべてのものが網の目のようにお互いに関係しあっていて、単独で存在するものはない。だから、すべての
ものは根本的には一つのものと考えられる。全部を一つと表現することを「空」という。
*最近の言葉に置き換えれば、すべてのものはビッグバンから始まった。「空間のゆらぎ」を「空」ととらえる。
(3)色即是空と空即是色の違い
*色即是空は「私たちを含め目に見えるものはすべて、もとは同じ空という世界から生まれた」ということ。
しかし、それを理解しただけでは片手落ち。現実には、桜の花とバラの花は違うし、サルと人間は違う。人間も
一人一人違っている。それをすべて同じだといったら区別がつかない。
*だから「空即是色」というのは、「空」は必ず「色」という様相を伴ってこの世に現れるということ。
空(そら)の語源
(1)未詳
(2)アイヌ語の空
*kan-to-kotor(カントコトロ)・・・kan(=上の)to(=湖沼)kotor(=こちらの表面)
*nis(-or)ニシ(ニソロ)・・・nis(=そら)or(=ところ)
(3)ドレミファソラシドはイタリア語でソはsolで太陽で、ラが宇宙で、ソラ(空)。