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930 十五夜なのに月見えず 

2012-09-30 09:31:11 | 雑記

 月見

月見は主に旧暦8月15日から16日に夜(八月十五夜)と、日本では旧暦9月13日から14日

の夜(九月十三夜)にも行われる。

八月十五夜の月を中秋の名月と呼ぶ。今年(2012年)の中秋の名月は9月30日である。

●十五夜の行事が旧暦8月15日に行われた理由

ちょうど里芋収穫期にあたるから、と言う説がある。日本の十五夜の月見行事は、中国の中

秋の名月の影響を多分に受けているが、この行事の起源を辿っていくと、2万5千年前前まで

時間を遡る。およそ2万5千年前、私達日本人のの祖先である縄文人の一部は、ヤムイモやタ

ロイモといった、いわゆるイモ食文化を持つ南洋の島々から渡ってきたと考えられている。しか

し、熱帯の南洋の島々と日本では自然環境が異なっていたので、彼らが携えてて来たヤムイ

モやタロイモの多くは環境に適応できず絶えた。しかし、その中には辛うじてこの環境の変化を

き永らえたものがあった。それが里芋と山芋である。里芋はタロイモの仲間で、球状の地下茎

が食用として里で栽培されるようになったことから、この名前ついたと言われている。また山芋

はヤムイモの生き残りだと言われていて(ヤマイモとヤムイモの音が似ている)、山の斜面など

に自生する。縦に長く伸びた山芋に比べ丸っこい形をしているせいもあってか、里芋は十五夜

の供物としてよく使われる、十五夜の(お)月見行事が「芋名月(いもめいげつ)」の名前で知ら

れているのもそのためだとも言われている。こうした事柄も、十五夜という行事が、里芋の収

穫期と重なるこの時期に行われていたという説を裏付けるものである。

●十五夜なのに月見えず?

江戸時代の書物に「中秋の名月、10年に9年は見えず」と言った記載もあり、この時期の晴

天率は、昔から高くなかったけれど、私達日本人の祖先の月への思いは熱く、秋の長雨や

台風のせいで月が見れないと、月を拝めなかったことを惜しんで、日本人特有の感性で美し

い言葉を作り出した。

*十五夜(15日)の晩に月を見れないと、人々は十六夜の月の出を「十六夜(いざよい:さあ、

 宵だ、月を見に行こうという意味)」

*十七夜に出る月を「立待月(たちまちづき:月が出るまで立って待っているという意味)」

*十八夜に出る月を「居待ち月(いまちづき:立って待っていたけれど、疲れて座ってしまった。

 それでも月が出るのを待っているという意味)」

*十九夜に出る月を「寝待月(ねまちづき;待ち疲れて横になってしまった。それでも月の出

 を待っているという意味)」

*二十夜に出る月を「更待月(ふけまちづき:夜更け、つまり深夜になっても月の出を待って

 いるという意味)」

*遂には「晦(つごもり:月籠もり由来の言葉で、月が隠れてしまって全く見えないことを意 

 味し、それから転じて陰暦の毎月の末日をさすようになった)」と呼ばれた三十夜まで日毎

 に変わる月を楽しみに待った。

●中秋の夜に雲などに月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」

●中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」

 月見団子

十五夜の日にはススキ(魔除けの力があるとされる)を花瓶にさして、団子をお供えする。

団子の個数は一般的に平年は12個、閏年には13個お供えする(15個の所もある)。

十五夜ではこれから始まる収穫期を前にして、初穂祭の意味合いがあり、9月頃収穫される

「芋」(里芋)をお供えすることから「芋名月」とも呼ばれる。

月見団子はこの里芋の名残だとも考えられる。 

十五夜に団子を備える風習は江戸時代に一般的になり、団子の形は江戸では丸型、京都

では芋型だったという記録が残っている。今でも地域によって素材や形は異なり、色々な

バリエーションがある。

 その他

(1)月見は農耕儀礼だった!

室町時代には、十五夜の月を神として崇める月見の習慣が始まり、野菜や果物を供えて月

を拝むことが、上流社会ばかりでなく、庶民の間にも広まっていった。この月見行事は古くか

らこの時期に行われ、「、収穫した里芋を供え、悪霊を払うために薄を飾って豊 

作を感謝する」という農耕儀礼が変化したものだと言われている。秋の収穫を前に豊作を祈

願する厳かな行事であり、決して風流なものではなかった。

更に十五夜は「芋名月」といわれ、今でこそ米が主食になっているが、当時の主食は里芋。

畑で採れた初物の里芋を神に供えたことから、この名がついたと考えられる。

では今では「団子とススキ」の組み合わせになっているが、この団子はどこから来たのか?

それは、主食の変化がカギを握っている。稲作が盛んになってくると、里芋より米の収穫を

祈願するようになり、それに伴いお供え物は米粉で作った月見団子へ変わっていった。

それでも里芋を一緒に供えることも多かった。今でも関西では月見団子の形は丸型でなく

里芋型で作るとか。

(2)きぬかつぎ

サトイモの小芋を皮のまま蒸し、その皮を剥いて食べる料理。サトイモの皮のついた様子を

平安時代の女性の衣装「衣被(きぬかづき)」になぞらえて名付けたもので、由来から「き

ぬかづき」と呼ばれたり、「絹かつぎ」と表記する場合もある。また、早川早生という品種の

サトイモの、特に秋口にのみ出回る小芋もきぬかつぎと呼ばれる。

(3)十六夜

いざよいは「ためらう」「躊躇する」意味の動詞「いざよう」の連用形が名詞化した語。旧暦

8月16日の月の出は十五夜の月に比べてやや遅いところから、月がためらっていると見

立てたものでである。「十六夜」も上代には「いさよい」と清音であった。

(4)静岡県の今日(9月30日)の天気は、台風17号からの湿った空気の影響で曇りまた

は雨で、台風の接近または上陸に伴い、夕方以降暴風域に入り、非常に激しい雨が降る

大荒れの天気になりそう。今日の十五夜は雨月。

明日(10月1日)は台風一過で晴れそう。十六夜の月を愛でよう。因みに1日の静岡の月

の出は17:53で月齢15.0の満月である。