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921 漬物

2012-09-21 00:05:57 | 雑記

 漬物(つけもの)、香の物

(1)日本の食卓には欠かせない食べ物

漬物は手軽に野菜の栄養分を摂れるご飯のお供として欠かせない食べ物。芋類以外のほ

とんどの野菜は漬物にできる。漬物にすることによって野菜の「アク」や「苦味」を簡単に抜く

ことができ、また、野菜の栄養価が高い皮などの部分も丸ごと食べることができる。

(2)漬物の起源・・・野菜栽培の伝来とともに

日本に漬物が伝わったのは縄文時代といわれている。大陸から野菜の栽培法が伝わった

のと同時に野菜の保存方法として漬物が伝わったと考えられる。

名古屋市郊外の萱津(かやつ)神社には次のような言い伝えがある。

毎年、秋になると豊かな自然の恵みに感謝して、野菜の初物と藻塩(もしお:ホンダワラ)の

初穂をお供えしていたが、せっかくのお供え物の野菜はそのままにして置くと腐ってしまう。

このことを嘆いてある村人が、かめ(甕)に入れて供物を供えた。すると、野菜と藻塩が作

してほどよい塩漬けができていた。村人たちは時が経っても変わらないこの不思議な食

べ物を、神社からの贈り物として尊び、諸病の免除、万病快癒の護符として、また健康食  

品として各家で蓄えるようになった。

(3)漬物の歴史

奈良時代頃まではナスや瓜の塩漬けが主流だったが、鎌倉から室町時代にかけ様々な材

料の漬物が登場した。この時代、漬物はその香り高さから「香のもの」と呼ばれようになり、

茶道や香道の席ではお口直しや嗅覚を癒すものとして用いられた。その後、江戸時代にな

ると「ぬか漬け」などの新しい漬物が登場し、やがて人々はそれらのお漬物のことを「お新

」と呼ぶようになった。

(4)漬物の方言

*つけもん・・・西日本で多い。滋賀、奈良、和歌山、島根、香川、福岡、長崎、熊本、宮崎、

 鹿児島で使われる。

*おしんこ・・・青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、長野、愛知、滋賀、京都、

 奈良、和歌山、鳥取、  徳島、香川、愛媛、長崎、大分、宮崎、鹿児島などではほとん  

 ど使われない。

*こうこ・・・茨城、千葉、新潟などでよく使われる。 

*おこうこ・・・福島、群馬、長野、山梨で使われる。 

*お漬物・・・千葉、広島でよく使われる。

*おつけもん・・・滋賀、奈良、熊本で使われる。

*その他

 ・かんば・・・滋賀、特に大根漬け

 ・がっこ・・・秋田

 ・くもじ・・・飛騨方言。奈良、京都、岡山の一部、小豆島

 ・こっこ・・・福島

 ・おごご・・・宮城

 発酵

発酵を伴う漬物は、材料に自然に付着する乳酸菌と材料に含まれる糖類によって発酵し、

保存性と風味の向上が起こるが、麹などを加えて発酵の基となる糖類を増やしたり、そこ

にふくまれる酵素により風味を増す酵素反応を誘導することもある。一方、浅漬け、千枚

漬け、松前漬け、砂糖漬けなど発酵伴わないものもあり、漬物すなわち発酵食品と分類

することはできない。 

★発酵により強い香りを放つものが多い。このため、「香のもの」、「お新香」とも呼ばれ

る。秋田県では「雅香(がこう)」が訛って「がっこ」と呼ぶ。

*日本の場合、乳酸菌発酵は酸味が著しく強くならないように抑制されるもが多いが、

 中には、柴漬けや「すぐき漬け」のように強い酸味をもつものもある。

*沢庵漬けのような糠漬けや糠味噌床は、「なれ寿司」の穀物を乳酸菌発酵の基質とし

 て利用する技術の延長線上にある。

*乳酸菌による発酵は、食品に酸味を主体とした味や香りの変化を与えるとともに、乳

 酸菌によって食品のph(ペーハー)が酸性側に偏ることで、腐敗や食中毒の原因とな

 る他の微生物の繁殖を抑えて食品の長期保存性を可能にしている。

 その他

●山葵漬け(わさびづけ)・・・粕漬けの一種。静岡県の名産。ワサビの根、茎をみじん切

 にして塩漬けにしてから、熟成した酒粕に和えて食塩、砂糖などを加え練り合わせた

 食品。ワサビの鋭い香りと辛味が酒粕の甘みによって和らげられ、口当たりをよくして

 いるのが特徴。

●メロンの漬物・・・静岡の特産品。メロンは1本の株に1個の実しか成らせないので、そ  

 れ以外の5cmくらいの成長段階のもの(摘果)を摘み取って漬物にする。味はキュウリ  

 やウリの漬物に似る。

●藻塩(もしお)・・・もしおとは、かつて玉藻(たまも)と呼ばれたホンダワラなどの海藻か

 ら作った塩のこと。淡いベージュ色の藻塩は、海水と海藻のウマ味が凝縮した、尖り

 がないマイルドな味が特徴。

●藻塩焼きを詠んだ万葉歌

 「来ぬ人を まつほの浦の 夕凪に 焼くや藻塩の 身をこがれつつ」(藤原定家)

意味:いくら待っても来ることがないあなたをこうして待ち続けている私の身は、帆の

 浦の夕凪のころに焼く藻塩のようにあなたをじっと恋こがれているのですよ。 

 


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