ココナッツ
●ヤシ科のココヤシの果実。ココナツ、椰子の実ともいう。繊維質の厚い殻に包まれ、その中に、硬い殻に
包まれた種子がある。種子の内部は大きな胚乳(はいにゅう)に占められ、周縁部の固形胚乳と中心部の
液状胚乳に分かれる。1個の果実には約1リットルの液状胚乳が入っていて、ココナッツツュースとして飲
用する。胚乳はそのまま食用にされるほか、料理に使われる。胚乳は削り取って乾燥させ、コプラを作る。
これは油分が多く、工業原料にもなる。果実の皮からは、繊維を取り出して、ロープやたわしなどができる。
内側の硬い殻は容器として使用される。また細工物にも使われ、観光土産の定番。またヤシガラは、ヤシ
ガラ活性炭(有害成分や悪臭の吸剤)やココチップ(土壌改良剤)の原料になる。
●洋菓子の材料とされるココナッツは、コプラを細かく卸したもので、甘味をつけて使用することもある。
生の成熟果の胚乳やコプラを水に浸して浸出液を揉み出したものは、ココナッツミルクと呼ばれ、白色
で脂肪分に富み、熱帯地方では様々な料理の素材として重要。一般には缶入りのものや冷凍したもの
が販売されている。缶詰では濃厚な固形物状のココナッツクリームと呼ばれるものが上のほうに分離す
ることがある。料理によっては、これも素材になる。
世界のココナッツオイルの生産・消費・輸出・輸入(2011年)
(1)世界の生産量367万6千トン
*1位フィリピン169万t *2位インドネシア96万8千t *3位インド44万7千t *4位ベトナム
*5位メキシコ
(2)世界の消費量393万1千トン
*1位EU27カ国74万3千t *2位フィリピン66万2千t *3位アメリカ49万3千t *4位インド44
万7千t *5位インドネシア42万t *6位中国 30万t ★13位日本5万t
(3)世界の輸出量187万8千トン
*1位フィリピン102万t *2位インドネシア62万t *3位マレーシア13万5千t *4位パプアニュー
ギニア5万t *5位その他5万3千t
(4)世界の輸入量206万9千トン
*1位EU27カ国76万t *2位アメリカ51万5千t *3位中国30万t *4位アレーシア19万t
*5位ロシア9万t *6位韓国6万5戦t ★7位日本5万t
ココナッツ料理・・・ココナッツミルクを使用
(1)フィリピン料理
☆アドボ・・・肉や野菜の煮込み料理。酢が使われることが多く、常温での保存性を高めた料理法。
アドボはマリネを意味する。フィリピンのお袋の味。
☆ギナアタン・・・具材をココナッツミルクで煮た料理
*ギアナタン・カラバサ・・・かぼちゃとココナッツのクリ-ムスープ(+たまねぎ、にんにく、鶏肉)
☆ギナタン・・・ココナッツミルク炒め
(2)インドネシア
☆ナシウドゥッ・・・ココナッツミルクを加えて炊いたご飯
☆ナシクニン・・・ウコン(ターメリック)とココナッツミルクで炊いたご飯
その他
(1)ココナッツの語源・由来・・・英名「coconut」からの外来語。皮をむくとある3つの発芽孔が、不気味な
な顔のように見えることから、「亡霊」を意味するスペイン語「coco」+「nut(木の実)」が語源。
(2)ナタ・デ・ココのふるさとはフィリピン。100年ほど前には既に食べられていた。ナタデココは日本の糖
蜜のようなデザート「ハリハリ」によく使われる。
ナタデココの主な原料はココナッツで、固形胚乳と液状胚乳(ココナッツジュース)に水や砂糖を加えた後、
酢酸菌の1種であるアセトバクター・キシリナムという菌を加え発酵させる。すると表面に少しずつ膜が
でき、暑さが15mmほどになった時に取り出したものがナタデココ。日本で出回っているものは、これを
薄く切り、酸を抜いてシロップ漬けにしたもの。スペイン語で「ナタ」は「水に浮く上皮」、「デ」は「~の」、
「ココ」は「ココナッツ」の意味で、ナアタデココは「ココナッツに浮く膜」の意味。
(3)ももいろクローバー 「ココ☆ナツ」
http://www.youtube.com/watch?v=KiqLuL4AV4E&feature=related