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日銀が臨時オペ通知、長期金利が10年ぶり高水準で抑制姿勢-速度調整 2023年9月29日 13:05 JST 更新日時 2023年9月29日 15:55 JST ブルームバーグ

2023-09-29 16:37:08 | 日記

日銀が臨時オペ通知、長期金利が10年ぶり高水準で抑制姿勢-速度調整
船曳三郎、山中英典
2023年9月29日 13:05 JST 更新日時 2023年9月29日 15:55 JST ブルームバーグ

日本銀行は29日午後、臨時の国債買い入れオペを通知した。米国金利の上昇や日銀の政策修正観測を背景に長期金利が10年ぶりの高水準を連日更新する中、足元の金利上昇速度を警戒して抑制姿勢を示した形だ。日銀の通知を受けて、長期金利は小幅低下して円相場がやや下げる場面も見られた。

  日銀は午後1時の金融調節で、残存期間5年超10年以下の国債買い入れオペを通知した。予定にない臨時の買い入れオペを通知するのは8月3日以来。買い入れ額は前回の臨時オペと同じ3000億円。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、日銀の臨時オペ通知は円安に振れるリスクがある中で意外感があるとしながらも、「10月末に金融政策決定会合を控えており、このタイミングで長期金利が0.8%を超えてしまうことを避けたかったのではないか」との見方を示す。

  世界的に中央銀行が高金利を長期にわたり維持するとの観測を背景に金利が上昇する中、7-9月期の日本国債は四半期ベースで過去20年以上で最大の暴落となる見通しだ。日銀は一時的に金利抑制に動いても、最終的には金融政策を正常化せざるを得ないとの見方が投資家の間で広がっており、長期金利上昇の流れは続きそうだ。

日本国債は1998年暴落の悪夢再来へ、日銀の市場サポートが減退
新発10年国債利回りの推移



  この日の新発10年国債利回りは一時、前日比1.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い0.77%と、2013年9月以来の高水準を連日更新していた。オペ通知を受けて0.765%に小幅低下している。日銀は7月にイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策を柔軟化し、実質的な上限を0.5%から1%まで引き上げている。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、臨時オペの買い入れ額が3000億円と少額で金利を低下させるには力不足と指摘した上で、「絶対にこの水準で止めようとしているわけではなく、スピード調整が狙いだろう」との見方を示した。

  来週10月3日には10年国債入札が予定されている。同入札は償還日が延びる新発債になることで利回りが若干上乗せされる見通しで、0.8%前後まで水準が切り上がる可能性もある。道家氏は「今から0.8%を超えてしまうと、10月末の日銀会合では1%トライにもなりかねないと懸念した」と日銀の意図を想像し、来週は10年入札翌日に全年限の国債買い入れオペを発表してくる可能性があると言う。

  東京外国為替市場の円相場は一時、1ドル=149円40銭付近から50銭付近まで下落したが、その後は149円30銭台に戻している。クレディ・アグリコル銀行資本市場本部の斎藤裕司シニア・アドバイザーは、臨時オペに対する足元の反応は限定的と指摘する一方、「下半期に向けても日銀のハト派的な姿勢が再確認されたことで、週明け以降、円安圧力が続くだろう」とみている。


ドル・円の値動き



  みずほ証券の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは、日銀の臨時オペの通知は、市場に対して挑戦するなどのメッセージを発信していることを示唆しているとの見方を示し、来週に10年、30年国債入札が予定される中で金利上昇スピードが速い場合は再び臨時オペが行われる可能性があると予想する。

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(第4段落に市場の見方などを追加して更新します)

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