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FRB、米利下げ時期が近づいていると示唆か-来週のFOMC会合 2024年3月11日 8:11 JSTブルームバーグ

2024-03-11 08:57:34 | 日記

FRB、米利下げ時期が近づいていると示唆か-来週のFOMC会合
Steve Matthews
2024年3月11日 8:11 JSTブルームバーグ

パウエル議長は利下げに必要な証拠から「遠くない」と議会で証言
投資家の主な関心はFOMC参加者による四半期ごとの金利見通し

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が昨年7月に主要政策金利を二十数年ぶりの高水準に引き上げて約8カ月が経過し、当局はインフレ退治のための引き締めの巻き戻しに近づいている。

  パウエル議長は先週の議会証言で、利下げの前にインフレ率が2%の当局目標に向かっているとの「証拠がもう少しだけ」必要だと強調。「われわれはそこから遠くない」との判断を示した。

パウエルFRB議長、利下げ開始は「遠くない」時点に確信へ

  金融当局は今月19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、5会合連続の金利据え置きを決めると広く予想されている。雇用やインフレの新たな統計が変化をもたらしたかどうかを含め、投資家の関心の大きな部分はFOMC参加者による四半期ごとの金利見通しだ。

  当局者が2024年に中央値で計3回の利下げを見込んでいることが示されれば、投資家が予想するように、6月利下げの可能性の環境が整うことになると考えられる。

Federal Reserve Moves Closer to Cuts | Rates were raised to a two-decade high last July



  元FRB金融政策局長で現在はドレイファス・アンド・メロンのチーフエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏は、「われわれは正しい方向にある」というのが今月のFOMC会合のメッセージとなるだろうと指摘し、「当局者は適度な確信を抱くのにそれほど遠くない」との見方を示した。

  当局者は1月30、31両日のFOMC会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%に据え置くことを全員一致で決めた。一方で、パウエル議長ら当局者は3月利下げの可能性はないと表明している。

  米金融当局が景気判断に時間をかける余裕がある理由の一つには、経済が底堅い成長を続け、労働市場が引き続き健全な数の雇用を生み出している点が挙げられる。2月の非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増と予想を上回る伸びとなった。

  2月の雇用統計では、平均時給の伸びが鈍化し、失業率が3.9%と2年ぶりの高水準に上昇したほか、1月までの2カ月間の雇用者数の伸びが下方修正されるなど、労働需給の緩和持続の兆候も見られた。

  LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は雇用統計について、「金融当局が利下げの時期を遅らせたり回数を減らしたりするリスクが幾分減った可能性がある」とし、「利下げのための十分な確信から『遠くない』とのパウエル議長の評価はまだ有効だ」と語った。

  12日には2月の消費者物価指数(CPI)が発表され、ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミスト予想では、前年同月比3.1%上昇と高止まりが見込まれている。1月のCPIは予想を上回る伸びとなり、当局者の間に動揺が広がった経緯があり、2月の数字も上振れサプライズとなれば、24年の金利の道筋を巡る当局者の予測に変化をもたらす可能性がある。

  なお、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアナ・ウォン氏らエコノミストは、BEとして労働市場が先行き一段と急速に冷え込むとみており、金融当局が市場見通しの6月よりも早く、5月に利下げに踏み切ると予想している。

  米金融当局者がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、1月の総合指数が前年同月比2.4%上昇、変動の大きい食料とエネルギーを除くコア指数は同2.8%上昇となった。当局者の一部は物価目標を上回るこうした数字に加え、このところのインフレ動向の改善が物品以外に広がりを欠いている点を懸念している。
ドット・プロット

  金融当局が昨年12月に公表した四半期経済予測の金利予測分布図(ドット・プロット)では、FOMC参加者の見方が大幅に分散していることが示された。当局者計19人中わずか2人が予想を変更しただけでも中央値が動く状況にある。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は6日、今年の利下げ回数の見通しを一つ減らす可能性を検討していると述べた上で、「それは今後のインフレのデータ次第だ」と話した。

US Inflation Has Eased Substantially From Peak

But consumer prices are still rising and consumers feel the pinch

Source: Bureau of Labor Statistics, Bloomberg

  パウエル議長はFOMC内のコンセンサスを維持し、見通しの変化や高度の不確実性にもかかわらず1年余りにわたり反対票が投じられていない。だが、当局が利下げに転じるに際しては、こうした全員一致の状況を保つのは困難になる可能性がある。

  KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「どのように利下げを実施するかに関してコンセンサスに亀裂が顕在化しつつある。予想される利下げが非常に近づく状況で、金利の軌道を巡るコンセンサスはそれほどタイトでないかもしれない」とコメントした。

  このほか金融当局は今月の会合で、現在進めているバランスシート圧縮についても詳細な検討を始める。量的引き締め(QT)と呼ばれるこのプロセスを巡り、テーパリング(段階的縮小)や停止の決定は見込まれていないものの、パウエル議長は会合後の記者会見でこの問題の議論の進展に言及する可能性がある。

原題:Fed Officials to Signal Interest Rate Cuts Are Getting Closer(抜粋)

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