日本株アクティブファンド選定へ、科学的評価で-GPIF理事長
梅川崇
2023年10月18日 10:24 JST 更新日時 2023年10月18日 11:06 JST ブルームバーグ
日本株は第3弾の位置付け、22年秋以降に北米株と先進国株で採用
ファンド選定の際には「新興か老舗かに関わらず」と宮園理事長
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の宮園雅敬理事長は18日、ブルームバーグが開いた「バイサイドフォーラム東京2023」に登壇し、日本株のアクティブファンドの選定作業を進めていることを明らかにした。ファンドの選定に当たっては「目利きではなく、定量的・科学的な評価を行う」とした。
GPIF President Masataka Miyazono Announces Earnings Results
GPIFの宮園理事長
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
GPIFは22年秋以降、北米株と先進国株(除く日本)のアクティブファンドを採用してきたが、日本株はこれに続く第3弾の位置付けとなる。
6月末時点で約219兆円の巨額資産を運用するGPIFの動向は、ファンドの選定を含め、市場関係者の注目を集めやすい。
厚生労働相が定めるGPIFの中期目標では、原則としてパッシブ運用とアクティブ運用を併用することが明記されているが、アクティブ運用については「過去の運用実績も勘案し、超過収益が獲得できるとの期待を裏付ける十分な根拠を得ることを前提に行う」とされ、ファンドの選定には難しい条件がある。
宮園理事長はデータサイエンスを活用する手法を強化するとした上で、「運用資産の規模や、新興か老舗かといった要素に関わらず」ファンドを選ぶ考えも示した。
GPIFは、投資対象となる分野ごとに運用委託先の候補をあらかじめ募集しておく「マネジャー・エントリー制」を導入しているが、宮園理事長は「エントリーしたファンドだけではなく、幅広くこちらからアプローチしていくことも含め、門戸を広く取って選定していく」と話した。
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