債券は下落、長期金利は0.3%台後半で推移-先物は買い戻しに一服感
延広絵美
2023年1月24日 6:51 JST 更新日時 2023年1月24日 15:37 JST
債券市場は下落。先物は日本銀行による政策据え置き後の買い戻しの流れに一服感が出て売りが優勢だった。新発10年国債利回りは日銀の許容上限0.5%を下回る0.3%台後半で推移した。日銀が毎営業日実施している指し値オペや、流動性供給入札を無難に通過したことは相場を下支えした。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介債券ストラテジストは、先物は「ショートカバー(売り建ての買い戻し)と売り手不在で価格がどんどん上がっていった流れに一服感がみられた」と指摘。超長期ゾーンも40年債入札を26日に控えて上値が重く、20年債は先週の入札後の買いに一巡感が出やすかったという。
新発10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)高い0.395%
新発20年債利回りは1bp高い1.265%
長期国債先物3月物の終値は前日比24銭安の147円39銭。21銭安の147円42銭で取引を開始し、午後に一時147円24銭まで下落。その後はやや下げ幅を縮めた
長期国債先物3月物の推移
日銀は午前10時10分の金融調節で、10年国債を0.50%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを通知。チーペスト(先物受渡最割安)銘柄を対象とした指し値オペも継続した。
流動性供給入札
対象は残存期間1年超5年以下
最大利回り格差はマイナス0.001%、平均利回り格差はマイナス0.004%
応札倍率は4.15倍と、同年限の前回11月22日入札の5.39倍を下回る
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田氏
品薄銘柄を中心に需要を集め、無難な結果だった
備考:流動性供給の過去の入札結果 (表)
背景
23日の米10年物国債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp)高い3.51%程度で引けた
米景気先行指標総合指数、12月は前月比1%低下-市場予想0.7%低下
イエレン財務長官、米国のインフレに「極めて有益な兆し」
ECBカジミール氏、あと2回の0.5ポイント利上げを支持
日銀重視の基調物価指標は伸び拡大、「刈り込み平均」初の3%台-12月
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.010% 0.175% 0.395% 1.265% 1.550% 不成立
前日比 +1.0bp +1.5bp +2.0bp +1.0bp 横ばい -
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE