藤沢周平の小説が好きで、ほとんどの作品を読んでいる。
一番好きなものは短編の 「山桜」 これは譲れない。 さて次はどれと聞かれると 「三屋清佐衛門残日録」 をあげたい。
十五編からなる連作長篇。 隠居した清佐衛門が第二の人生を始めるところからはじまり、やがて藩の中の派閥抗争に関わっていく様を
折々の多彩な登場人物の挿話をはさみながら、見事に描ききっている。 「蝉しぐれ」 や 「風の果て」 に並ぶ名作だと思う。
私は十五編の中で 「梅咲く頃」 が好きだ。この話は「山桜」に似ている。 「山桜」 と同じように、物語の大切な小道具に梅の花が使われている。
ただ 「山桜」 に出てくる野江は切なくて、その後の彼女に暗いものを感じさせて終わるが、
「梅咲く頃」 の松江は、清佐衛門の尽力で幸せな暮らしを手に入れたように感じられて終わる。
野江の心配を、松江でホッとしているような感じです。
この小説は平成5年にNHKの金曜時代劇で映像化されている。残念なことに私はその記憶がない。
平成5年と言えば次女が生まれた年。テレビどころではなかったのだろう。残念。
主演が仲代達也、それに財津一郎、久米明、佐藤慶、河原崎長一郎、平田満など、名優がそろっている。
NHKの値段の高いDVDはあるようだし、スカパーでも視聴できるようだ…思い続ければきっと観る機会は手にはいるだろう。
話は 「山桜」 に戻るが、先日、このごろ毎週欠かさず楽しみにしている 「リーガル・ハイ」 を観ていて、
“堺雅人なら、手塚弥一郎いけるなあ!”と思った。
手塚弥一郎は正義の人だが、少し臆したところがある人物と感じている。物語の中で「母一人子一人だから」ということで表現されている。
そう考えてきたら、
“あれ、福山雅治でもいけそうだなあ…?” と続けて思いが湧いてきた。
東山紀之では、あまりに清廉潔白欠点が無くて、今一つ違う感じなんです。 東山君ファンの人ごめんなさい。
あとは野江を誰にやってもらうかだが、綾瀬はるかなら手塚弥一郎が思い続けた野江と言う女性の魅力を十二分に演じてくれるような気がする。
ああああ、すっかり本題から離れてしまった。 でも、こういうのを考える楽しみかたも小説にはありますよね!
テレビ版の松江は友里千賀子が演じている。 うわあ、見事な配役だあ!!