つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

進路

2012年07月30日 | 子育て

4人の子どものうち、大学生が3人いる。

もう驚愕の自体だ。 どなたにお話しても目をみはられる。

で、「一番上の人は、就職してくるんでしょう?」という問いにつながっていく。

 

 

むむむむむ・・・・・・・・・・・・・・・

 

長男は物心ついたときから、「人にものを教わる」という状況を好んだ。

読み聞かせに連れて行っても、手遊びに行っても、とにかく一番前の真ん中にいた。

教えてくれる人の真ん前に陣取るのだ。

親が遺伝子として彼に与えられた資質の中で、彼の力になっているものは唯一これだと思う。

知力に関しては申し訳ないほど足りなかったと思っている。もう少しできたら楽だっただろう。

今、所属しているゼミでも成績評価に関しては、仲間から一歩も二歩も見劣りするのだと思う。

でも、教えてもらうことが好きだから、結果が思わしくなくても諦めることがない。

自分の足りないところを補う努力を厭うことをしない。

 

ゼミの教授が、息子のそういう様子を大変好意的に認めてくれている。

「うちの大学の学生は優秀だから、教えるとすぐ理解する。

でも、○○は勉強できないからいろいろ疑問に思うだろう。そして、それをわからないままにはしない。

理解しようと努力する。そういう資質は、研究者に向いているんだよ。

これはね、言って身につくものじゃないんだよ」

親として、涙が出るほど嬉しかった。

勉強ができなくて出来なくて、点数がとれなくて、いつもいつも苦労してきた長男。

「学ぶことが好き」という、その大事な大事な宝をやっと認めてもらえた気がした。

 

と、ここまで来たらお気づきだと思う。

来月、実はあの息子、入試を控えている。受験生なんだ!?

大いに悩んでいるようだ。これでいいのか、これでいいのか・・・と。

友人たちは、次々と、学びの場から巣立っていく。自分だけここにいていいのかと、本当に思い悩んでいるようだ。

 

後悔なんて、あとからいくらでもできる。

ああすればよかった、こうすればよかったなんて、いつでもどこでも掃いて捨てるほど出てくる。

今は選んだ自分の道に正直にあるべきだと、私は思っている。

 

ということで、我が家の、大学生の数はしばらく変わりそうにない。

(メ・ん・)?ところで、末っ子が大学生になる頃はどうなっているんだろう?

いやあ、考えたくないなあ・・・。

 

 

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ターン・・・北村 薫

2012年07月28日 | 本・・・

私はどうもそういうところが大雑把でいかんのですが、

「ターン」は《時と人》三部作の二作目になるようだ。

そんなことよく見極めもせずに棚から手に取り、読んでしまった。

連作ではないそうなので、早めに一作目の「スキップ」を読まなければいけない。

 

はじめは何がなんだかわからなかった。

読み終わってもまだよく関係が分かっていない。

物語の最初から最後まで主人公真希を“君”と読んで、語り続ける存在がある。

これは真希の心の中の声だと思って読みすすめていたのだが、

主人公と唯一電話でつながったイラストレーターの泉洋平とダブルと思わせるものが出てくる。

それがどうなのかよくわからなかった。

どうなってるんだ? 私には読みとれなかったんだなあと思っている。

また、雨・・・水が、彼女の心を体に戻すきっかけになったのはわかるのだが、

どうして戻れたのかが、私には解明できなかった。SFとしての詰がもう少し欲しいように感じた。

もうひとつ注文を付けさせてもらえるとしたら、多分メゾチントやイラスト製作の取材はされたのだろうが、

取材したものを羅列しただけのように感じた。

一回でも二回でも、製作過程を体験して、体の中に染みとおらせてから書かれたものではないのではないか。

この作家であれば、このような「銅版画指南書」のような文章ではなく、

作家が作品を生み出す場面を、生き生きと描き出せると私は思うのです。

それが主人公が元に戻る大事なシーンであったこともあって、残念です。

 

文句ばかり並べてしまったが、面白い本だった。

なかなか読み止めることができなかったくらい、次の頁が楽しみだった。

だからこそ、もうすこし書き込んで欲しかったと感じている。

全体は爽やかで、優しい空気が流れて、北村薫らしい本だと思う。

 

 

 

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篠田 節子 二作

2012年07月27日 | 本・・・

 

趣の違う二作を続けて読んだ。

なあるほど「絹の変容」はホラーだ。ホラーってこういうものもあるんですね。

私きっと思い違いしています。ホラーってあのおどろおどろしいだけのものと思っていて、

書棚にあっても、映画が公開されても決して食指は伸びなかった。

でも待てよ、この本は面白かったけれど、ドラマになったり映画になったとしても

「うわあ、楽しみ!絶対観に行こう!!」とは私は思わないな・・・。

読み応えがあった。虫が苦手の向きにはあまりオススメはしない。

私も決して好きな方ではないから“怖いもの見たさ”の気持ちを駆り立てて、前進あるのみと頁を進めた。

 

その点「百年の恋」はホームコメディの色合いが濃い。

篠田節子の仕事仲間である青山智樹の育児日記に触発されて生み出された物語で、

作品中「真一くんの育児日記」が出てくるが、これは青山智樹が書いたもの。

なかなか説得力のある日記で、面白い。

篠田節子のあとがきに次のような記載がある。

「真一くんの育児日記」に前史を付けることになり、それを私が全面的に担当したことで、当初、意図したものとはだいぶテイストが変わってしまった。何しろSFモンスター物が得意(なつもり)なので、登場人物までもモンスターにしないでは気が済まなかった。」

モンスターね・・・確かに、主人公の大林梨香子はモンスターなのかもしれない。

でもどうだろう、女性だからモンスター扱いされるんだよなあと思った。

これが男性だったら、面倒見のいい奥さんがいればそれで問題解決だ。 うん、やっぱり性差だな。

だとしたら・・・多分、篠田節子はそのことを書きたかったのだろう。

でも、そこんところは女性が書いても男性に伝わらない。

やはり男性の書き手が“気がついて”書いてもらいたいテーマですね。

 

梨香子は、男性並みの能力を持ってバリバリのキャリアウーマンだが

“暮らし”に対する能力は一切ない。自分の意思で身につけなかったというのが正しいだろう。

そんな梨香子が、収入は今ひとつだが最低限のことは自分でできる夫との生活を描いたものだ。

視点は、色々と自分の世話をしてくれる主婦を手に入れるつもりだった夫のものだから、

奥さんのだらし無さに辟易とするところあたりから、俄然物語のテンポがリズミカルになる。

こんなはずではなかったと上司にぶちまけるあたりがターニングポイントとなり、

上司の女性編集者に長い長い女性の忍耐の歴史をこんこんと説教される場面で、

働く女性の代弁をしていると言えるだろう。

きっと仕事をもっともっとやりたいと望んでいる女性たちすべてがぶつかる問題なんだろうと感じた。

 

とにかく衝撃的で、笑えるし、テレビドラマにぴったりだなと思った。

そうしたら、ちゃんとNHKで制作していました。

バラエティな感じで、あっという間に読める面白い一冊でした。

 

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朝日新聞記者の挑戦

2012年07月27日 | 日記

生活欄担当の一人暮らしの記者が、電力会社との契約アンペアを40から最小の5アンペアに切り替えて、

生活を見直すことに挑戦したことを記事にしたものだ。

切り替えに訪れた電力会社の人に何度も「“普通の生活”ができなくなりますよ」と念押しされる。

記者は疑問に思う“普通の生活”ってなんだ?

始まってみると、電子レンジや炊飯器、トースターなどが使えないし、掃除機も強はだめという暮らしぶりだ。

しかし、思えば私の子どもの頃はすべて無かった家電製品だ。

無いは無いなりになんとかなるものばかりなのだろう。

「わざわざ電気を使う必要のないものが、身の回りにたくさんある」という言葉が、印象的。

だが記者はこうも言う。

「エアコンの効いた職場で涼んでいるし、コンビニで冷えた飲み物やおにぎりを買うし、

仕事柄パソコン充電も欠かせない。社会人として暮らす以上、電力消費ゼロは到底、不可能だ」

悔しがって、せめてもと高機能の携帯式ソーラー充電器を購入し、携帯電話の充電をまかないだしたという。

 

大飯原発が動き出した。次に動き出すのはどこなんだろう・・・?

どれだけこれでいいのかと疑問が湧いても、電気で生活を動かしている限り、続けるしかないのかもしれない。

でも、当たり前に家電を使い、当たり前に電気を消費する。そういう野放図な使い方はもういただけない。

せめて、これでいいのかこれでいいのかと自問自答しながら、文明の恩恵に浴するのが、

原発事故を起こしてしまった私たちが選ぶべき道ではないかと思う。

 

記者は最後にこう書いている。

「たくさんの電気を消費しなくても“普通の暮らし”はできる。」

もう一度、使っている電気製品が必要かどうか考えようと思う。

 

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飲めば都・・・北村 薫

2012年07月27日 | 本・・・

あまりのものすごさにぐっと詰まって、大笑いした。

すごいなあ、これだけ思いっきり酒に酔いしれる女の生き方って面白いんだろうなあ・・・。

女性編集者・・・旦那の仕事の関係で、具体的に想像できちゃうところがなんとも微妙な感じだが、

筆の立つ、心優しい作家が描くとこんなに面白い素材になるんだと感心した。

読み終わったとき、この作家って男の人だよね・・・と思わずネットで確認した。

その時に「飲めば都」は「走り来るもの」を大きく広げた作品という書評に出会った。

よし、次はこれを探そう!

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