寒くなると思い出すことがあります。もう２０年ほど前になりますが、大学受験生の生徒が毎晩遅くまで勉強していました。ある時、「気がすむまで塾で勉強したい。教室で徹夜で勉強してもいいか。」と聞いてきました。ご家族との相談の上、夜間は一切外出しない約束で許可をしました。
何回かそれを繰り返すと、高校受験生の彼の弟が「自分もやりたい。」と言い出しました。年齢的に心配なこともありましたので、兄弟二人が揃っていること、外出しないなどの基本的な約束を守ることで許可しました。ちょうど今頃のような寒い時期だったので、オイルヒーターを自宅から持ち込み、エアコンとオイルヒーターで教室を暖かくして朝まで勉強していきました。
創研塾では夏の夜中に受験生たちは山に登り、朝日を見て帰ってくる企画があります。この企画を行う以前は、「朝日を見るまで勉強しよう。」と、数年にわたり夏に徹夜で勉強する機会を設けていました。その時には塾のイベントとして行いましたが、自主的にそれもヒーターまで持ち込んで徹夜で勉強していったのは、後にも先にもこの兄弟だけです。
時々この兄弟のお母さまが塾に顔を出してくださり、近況を知らせてくれます。もう立派な社会人となって、二人とも活躍しているようでうれしいです。毎年寒さが厳しくなってくると、この二人の徹夜を思い出します。