中高大受験 難関校・人気校なら創研塾

生徒とのやり取りの中で感じたことを中心に、日頃から感じていることや変わった出来事などを発信しています。

凄い!けど真似しないで。

2021-12-03 15:58:58 | 日記
この時期になると毎年思い出すことがあります。

創研塾では、高校受験生には冬期講習前に大変多くの課題を出します。英数国理社、5科目の少し薄めのテキストをすべて終わらせてくるようにしているのです。

数年前にも同様の課題を出しました。普段から私は多少の冗談を言うため、その生徒は私のいつもの冗談だと思ったようです。冬期講習が始まる二日前に、その生徒が在籍していたハイレベルクラスで課題の進捗状況を確認しました。「ほとんど終わっていて、あと少しです。」「数学だけ5分の1くらい残っています。」「もう終わりました。」生徒たちが次々に報告する中、その生徒は「まだほとんど終わっていません。」と答えました。どう考えても二日で終わる量ではなく、またその生徒は普段から真面目に取り組む生徒でしたので、「わかった。課題を終わらせるのは難しいね。ただ、最善は尽くしておいで。」と伝えました。
そして冬期講習初日の朝、生徒たちに課題の終了状況を確認しました。他の生徒はまず終わらせることが可能な状況でしたし、実際に終わらせてきていました。そしてその生徒の順番になったとき、意外な返事が返ってきたのです。
「〇〇、課題は頑張ってできるだけ進めてきた?」と私が尋ねると、「はい、全部終わらせてきました。」とその生徒は答えました。私だけでなく、そのクラスの生徒全員も驚きました。「本当に?どうやって終わらせたの?」と尋ねると「結局今朝までかかって、今日は20分しか寝ていませんが、終わらせてきました。」と答えました。「さすが部活で鍛えた根性があるけど、体調は大丈夫?」「はい、何とか。眠いけど大丈夫です。」と言って普通に授業を受けていきました。休憩時間は毎回眠っていましたし、私は何度も無理をしないように念押しをしました。
その気持ち、取り組み方が実り、無事に都立のトップ校に合格して来ました。

その後、毎年高校受験生たちにはその時のことを伝え、「大した根性だし、その根性があったからこそ部活が忙しい中、難関高校に合格できたんだよ。でも、この時期にそんなに無理をすると体調を崩してしまいかねないから、真似をするんじゃないよ。」と話しています。今年の生徒たちも「その先輩の話を聞くと、受験は厳しいんだなと思いました。そのテキスト、冬期講習前に必ず終わらせてきます。」と心に響いたようです。
創研塾は今年50周年を迎えました。先輩たちのこのような話はいくらでもあります。今の受験生たちを勇気づけ、頑張ろうと思う気持ちを引き出す先輩たちの話を折を見てまた話そうと思っています。