宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

紅葉真っ盛り

2017-11-29 19:30:58 | 美術

《明清絵画展》を見たいという主人を車に乗せて静嘉堂文庫に行きました。途中道を間違えて大変な遠回りになり思いがけないドライブを楽しみました。
静嘉堂文庫に着くと周りは素晴らしい紅葉!!黄色や赤の背の高い木が周りを囲んでいます。

若冲・応挙・文晁らがみんな夢中になったという明清絵画。
沈南頻(しんなんぴん)の「老圃秋容図》↑は黒白の猫がカミキリムシを狙っている絵です。真剣な目つき、ぬき脚さし脚の動きが見て取れ、毛並もリアルに描かれています。
あと山水画が並んでいますがその大きさは長い畳一畳半ほどあり、墨絵で淡彩が施されていたりします。それらの画を文晁や探幽が模写しています。

絵画の他、書や工芸品もありました。
いわゆる文人たちが楽しんだ煎茶道具もありました。

小春日和の午後、会場を出たところで素晴らしい紅葉をゆっくり楽しみました。
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引出し黒

2017-11-27 15:07:03 | 茶道
昨日の茶会で、遠州流では楽茶碗は使わないということ知りました。

そこで濃茶では《引出し黒》の茶碗が使われていました。


これは瀬戸や美濃で焼かれた黒い茶碗です。一見楽茶碗かしらと思いますが、まったく違います。光沢があって、今回は前面に渋い緑の釉薬が垂れている織部黒でした。

引出しという名は窯から出して急激に冷やすということで、鋏のようなもので引き出すからだそうです。

たまたまですが、今 柳宗悦の《茶と美》の本を再読していました。
宗悦は高麗の井戸茶碗の信奉者、茶のために作られた楽茶碗を相当嫌っています。

井戸茶碗は飯碗・汁椀として日常的に使われていた雑器。どういう人が造ったかは定かではない民窯品。
自然に生まれた茶碗である井戸茶碗に対して、茶を飲むために作られた物で作者がはっきりしている楽茶碗。
「無意識の作」に対して「意識の作」とか「無作為のもの」に対して「作為のもの」と違いを鮮明にしています。
井戸茶碗に無上の美を見出した茶の先人には宗悦は敬意を表しています。

宗悦の自説はちょっと激しさも感じますが、遠州流が楽茶碗を使わないということと何等か関係があるのでしょうか?
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小寄せ茶会に

2017-11-26 18:19:23 | 茶道

小春日和の中、小田急線に乗って茶友の小寄せ茶会に社中の方と出掛けました。

この茶友は東北大震災以後、年に3,4回支援茶会をされていて会費のいくらかを寄付されています。震災から6年ですからもう20回弱されているのです。なかなかできることではありません。

ご自宅での茶会で、時間制で一席8,9人ですので、本当に落ち着いて拝見などもゆっくりと、席主との会話も和やかにいきます。

この年令になると《正客に》と勧められることが多く、今日も正客になりました。もう正客バトルする元気もありません。
もっとも旧知の友人の席ですからお話も緊張せずにできました。
前は知らないことを恥ずかしいと思い、つい分かったふりをしてしまいましたが、今は分からないことはしっかりお尋ねし、自分なりの感想も自然に言えるようになりました。
歳を重ねるのも悪くありません。

茶友は裏千家流なのですが、今回は遠州流のお道具ぞろいでした。いわゆる「綺麗さび」。渋い中にも一色で描かれた楚々としたかれんな菊が一本だけ描かれている高麗御本茶碗、軸は小色紙、南蛮花入れにはヤマボウシの紅葉と一子(いちこ)ツバキと白の藪椿が。香合はまん丸い柚子型。

続きお薄でした。薄茶のお菓子は五郎丸屋の《薄氷》、それを葛桶(かずらおけ)に入れていかにも水が凍っているように見せていました。

お連れした方も「とても良いお茶会でした」と大変喜ばれました。
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庭仕事

2017-11-24 11:59:38 | 日記


気になっていた庭仕事をしました。
おとといから2回目です。
花の終わったホトトギスやシュウメイギク・水引の枯れたのを抜き、蔦の絡まったのを取り除いたり、ヤマブキの枝を整理、芙蓉の木を切り詰めたり・・・と2時間半ほどしました。
落ち葉も掃き、切った枝も短くしてごみ袋に入れましたらなんと45ℓの袋3個分になりました。
腰をかがめて手作業したので腰に来ました。
しかしきれいになって、気持ちよかったです。
作業をした後にさっぱりした庭を見ることで、疲れも取れます!
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皇室の彩(いろどり)展

2017-11-22 14:44:36 | 美術

寒さも日ごとに増してきました。家にばかりいては足腰が弱ってしまうと言う主人と午後に東京藝大美術館へ出かけました。
着くと、すごい行列! 《何か別のイベントがあるのかも》と思いきや、まさに皇室の彩展の行列でした。
約25分ほど経ってようやく入れました。

大正から昭和にかけて皇室の方々の御成婚や御即位などのお祝いのために 選りすぐりの美術工芸家が技術の粋を尽くして作られたものが並んでいます。当時の工芸家にとってもとても名誉あることでした。

普段は宮殿に飾られているものが、初めて我々庶民の目に前に展示されたのです。

どういうものをお祝い品にするか、又それを誰に注文するかは当時の東京美術学校の校長であった正木直彦氏が指揮を執りました。

中でも圧巻は↑鳳凰菊文様蒔絵の《御飾棚》と鶴桐紋様蒔絵の《御棚飾り》です。前者は天皇陛下に後者は妃殿下のための飾棚です。

横山大観・上村松園・安田靭彦・高村光雲・下村観山・前田青邨など明治のそうそうたる方々の美術品が展示されていて目の保養となりました。
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