宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

大坂 藤田美術館 

2023-11-30 09:18:52 | 美術
中之島美術館に行ったついでに藤田美術館にも行きました。
大阪は土地勘が全くなく、地下鉄も全く分からないので中之島美術館からタクシーで行きました。
この美術館にはずいぶん前にも一度行ったことがありますが、まったくの変わりようです。前はお蔵のようなところが展示室でした。

しかしその時 曜変天目が出品されていて、「懐中電灯で見ますか?」と言われ懐中電灯の明かりを照らして見せていただいた覚えがあります。
今は明るい新しい建物に変わっています。切符売り場はありません。現金ではだめで係員の方にクレジットカードから1000円入館料として引き出されました。キャッシュレスです。違和感も覚えつつ、もうそういう時代なのかと驚きました。

いろいろスマホを当てると説明がされたり写真が撮れると説明を受けて中に入ります。中はうす暗く3室で、絵画、仏像、茶道具に分かれていて展示品はとても少ないです。各コーナー10点以下。
確かにスマホでバーコードを操作すると解説が聞こえました。キャプションがないのです。
運よく学芸員の解説が始まり いろいろわかりやすく説明がされました。

立派な美術館で沢山美術品をお持ちなのに展示品の少なさにはちょっとびっくりしました。
しかし、外にはよく手入れされた広ーい庭園があり、ニ重塔もあって紅葉も楽しめ、広い芝生エリア池もあってこれまたびっくりです!
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長沢芦雪展  @大阪中之島美術館

2023-11-30 07:18:38 | 美術
NHK日曜美術館で11月26日「シン芦雪」を見ました。

芦雪と言えば和歌山の無量寺の「龍」・「虎」襖絵を思い出します。前にも「応挙と芦雪」展(2006年)や「とら・虎・トラ」展(2013年)でも見ていますが、またあの迫力ある「虎」「龍」に会いたくなり大阪まで行きました。

中之島美術館は真っ黒な四角い建物…中に入ると「ターナー展」もやっていたのでチケット売り場は長蛇の列!


芦雪は応挙に師事して初期はきちんとした花鳥画や人物、動物画を描いています。描写が写実的で丁寧に繊細に描かれ美しく素晴らしいです!

しかしそれに飽き足らず、大胆な発想と構図で独自の芦雪ワールドを展開していきます。
期待していた「虎」の襖絵が前期展示で見られませんでした。残念!!
しかし「龍」」の方は見られ、迫力感を堪能。
「牛図」や「群猿図」も楽しめました。
応挙は狩野派に飽き足らずに独自の世界に、芦雪は応挙に飽き足らず独自の世界に・・・こうして画家・絵師は個性を出していくのですね。

生誕270年記念の展覧会、46歳で亡くなった芦雪の画業を余すことなく鑑賞でき大満足の展覧会でした。
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北宋書画精華 @根津美術館

2023-11-26 18:44:51 | 美術

年一回会う友人と明治記念館で昼食を取りお喋りした後、タクシーで根津美術館に行き北宋の書画を鑑賞しました。

今まで南宋(1127-1279)のものは結構見てきましたが、北宋(960-1127)の書画は初めてです。
清朝崩壊時に文化財が流出、それを日本人が蒐集に努めたのです。

山水画はよく見ると傘をさしている人物や天秤棒を担いでいる人物や家などが細かく描かれています。絵に上部には「天下第一」の大きな文字が描かれていてお墨付きを獲得した作品です。
古いものなので全体に赤茶けていて 暗い照明では細かい所は見にくいです。

今回の目玉、李公麟の「五馬図鑑」は大変な人気で行列になっていました。王朝では神品とされた作品です。西域から届いた馬とそれを引く人物も描かれています。五頭の馬はそれぞれ違ってそれを引く人も西域の人もいます。
また、李公麟の「孝経図巻」は源氏物語のように文字と絵が交互に続いて物語りなのではと思いました。

北宋製の料紙に書かれた古今和歌集巻子本がカラフルで美しかったです。


日曜日でしたので観覧者は多く外国の方もとても多かったです。
高低差のある庭園に出て紅葉も楽しみ、表参道駅まで歩き「来年もまたね」と言って別れました。
楽しい一日でした。
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慰労会

2023-11-25 13:53:47 | 茶道
お茶会で生徒の皆様に色々活躍していただいたので、慰労会と称して私が皆様をお濃茶でおもてなしをしました。
開炉も兼ねてお菓子は亥子餅、花入はふくべに、水指は伊部と、「べ」の付くものを使用しました。
久しぶりの皆様の前で行う濃茶点前です。各服点も私自身がするのは初めてでした。あとは居間に移って茶話会。
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茶人の【景色】感

2023-11-20 19:00:35 | 茶道
茶人はお道具の完全な形ばかりでなく、ゆがんだものや、傷があるもの、虫食いのあるものなども【景色】として珍重します。

茶入れの牙蓋に傷がある場合それを景色として良しとされます。

また陶器のお道具で長年に釉が一部剥げてしまったものも、「虫食い」と言って景色として喜びます。

茶杓も穴の開いてしまった竹で作ったものも↓景色になり「蟻通し」と銘がつけられ、節が盛り上がってしまったものも「蟻腰」と銘を付けて景色とします。

破れ袋水指のように陶器が焼けるときに裂け目が出来てしまったものも鑑賞の対象になります。




このように自然に出来てしまったこれ等のキズ、歪み、劣化など茶人にとっては【景色】とされます。
この【景色】という言葉も 茶道独特の言葉で素敵と思います。
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