宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

板倉鼎・須美子 展  目黒美術館

2017-05-31 10:08:50 | 美術

気温30度近くになるという気象情報にもかかわらず、主人と行ってきました。

板倉鼎という画家は知りませんでしたが、主人いわく「28歳でパリで歯の治療の後、敗血症で夭折して、その妻須美子も25歳で結核で亡くなった気の毒な画家なんだよ」と。
何とも悲運な画家…。時代は1920年頃のことです。

二人は与謝野寛、晶子の媒酌で結婚しました。そしてパリへ。

初めは温厚で写実的な印象派を思わせる画です。しかしパリ以後はモダンで華やかな作風に変わります。
妻の須美子をモデルとした画は印象的でした。目が大きくおかっぱ頭の赤い洋服を着た少女像(須美子は17歳で結婚したので少女のよう)です。

彼女も鼎に絵の手ほどきを受け絵をかいています。ちょっとメルヘン的な画。

若く結婚してパリで絵の勉強を始め、前途洋々であったであろう画家夫婦・・・子供にも恵まれて子供を抱っこしたりあやしたりしている幸せいっぱいの若夫婦の古いチカチカするビデオもありました。

帰りは公園をずっと歩いて目黒側沿いに出てバスで帰りました。気温は高かったようですが、そよ風も心地よく主人も久し振りで長散歩ができました。

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山是山 水是水

2017-05-27 19:40:44 | 茶道


『山是山水是水』という短冊を掛けました。
山は山であり、水は水である…当たり前のこと。子供でも分かります。

これは禅語の世界では次のような説明がされています。

悟りを開く前は『山は山、水は水』という認識ですが、悟り開いていくうちに山も水も一体化される、つまり自然の一体化。さらに悟りを深めていくとやはり『山は山 水は水』となるというのです。

禅問答は何とも分かりにくいです。

この軸を茶掛けとして掛けるからには、上記の説明の他に、なにか茶道に関連づけてその意味を考えようと思います。

私見ですが、茶道も初めはお点前はいろいろあって貴人点・茶入荘・長緒等 識別されます。いろいろ稽古を積んでいくとお点前はいろいろありますが、すべてお茶を点ててお客様にお出しするというおもてなし行為という一体化の認識が生まれます。さらに稽古を積んでいくとやはりそれぞれのお点前がちゃんとあらたに認識することができるようになる・・・

禅語は公案のようなものなので正解はなく、それぞれの人がそれぞれの答えを出す・・・。
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近代日本画展 五島美術館

2017-05-24 06:14:35 | 美術

このところ五月ともいえないような暑い日が続いてましたが、昨日はすがすがしい天気で風も穏やか。
主人は家に閉じこもってPCばかりしていたので、身体によくないと車で五島美術館に行ってきました。
館蔵の日本画展です。
まず橋本雅邦の《游鶴図》↑丹頂鶴でしょうか、二幅対で羽毛の柔らかい感じと細い足の繊細な描写。素晴らしいです。
川端玉章の《鴨鶏図》の二幅対も穏やかな絵。河合玉堂の《松鷹図》も鷹の鋭い眼が印象的。
橋本関雪の屏風絵《藤に馬》は仲良し夫婦の馬が右隻に、左隻には仔馬がしあわせそうな表情をしています。
前田青邨《紅葉》も画面いっぱいに紅葉が、華やかな画です。
知らなかった画家ですが、金島桂華の《富有柿》は柿の色が複雑な朱で実物そっくりです。

日本画の他に、硯・墨等中国の文房具も展示されていました。南宋から明時代のすごく重そうな立派な硯、実際には使われなかったような彫り物のある形もいろいろな墨がたくさん見られました。

また、近現代の書があり、「いろは」をいろいろな書体と筆で書かれた作品もあり、興味深かったです。
書をしている私も一枚の紙に「いろはうた」をいろいろ変化を付けて書いてみたくなりました。

外はさわやかな風が吹き渡り、庭園を散策しました。飲み物を飲んでひと休みしていると 私たちと同世代のご夫婦が通りかかり「写真撮りましょうか?」と言ってくださり写していただきました。
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振出のお菓子

2017-05-19 07:07:04 | 茶道


今月は茶箱の稽古をしています。
振出しの中に入れるお菓子ですが、入り口が小さいのでなかなか何を入れたらよいか迷います。
金平糖も小さいものがありますが、固いのでちょっと・・・。
今は麦チョコを入れてますが。洋風の味でこれもちょっと・・・。
干しブドウを入れたこともありました。
甘納豆も試したことがあります。

口が小さいのでお菓子が出にくいです。そこで思わず振ってしまいます。だから「振り出し」というのですね。
懐紙の隅を折って振り出したお菓子が畳に飛び出さないようにしますが、畳にコロンと飛び出し皆の笑いを誘います。皆同じ経験をするのでなごみの笑いです。

茶箱が考案されたときは何を入れていたのでしょう?やはり金平糖?豆?種?

薄茶にピッタリ合う小さい気の利いたお菓子の探求は続きます。
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奈良西大寺展  三井記念美術館

2017-05-14 19:52:43 | 日記



平城京の東大寺に相対する位置に建立されたのが西大寺です。奈良時代の建立・・とても古いお寺です。

茶道をしている私にとっては西大寺というと直径30㎝もの大きな茶碗で巨大茶筅で点てる大福茶(大盛茶会)が思い浮かびます。
奈良絵の大茶碗・大茶筅も展示されていました。大きいです。2人がかりでお茶碗を持って抹茶を飲む様子もビデオで見ました。当時薬として庶民には飲めなかった抹茶を大きな茶碗で点ててふるまったのが始まりとのことです。

西大寺は平安時代には疲弊しますが、鎌倉時代に叡尊(えいそん)という高僧(のちの興正菩薩)が、密教(真言律宗)と社会事業を広く庶民に広め大きく発展したようです。

西大寺一門の古刹からの仏像が沢山展示されていました。

愛染明王像は赤い体で6本の手、3つの眼を持つ恐ろしいお顔の明王さま。

興正菩薩坐像は昨年国宝になりました。眉毛が豊かで優しいお顔。

後、重文級のお釈迦様像・地蔵像・普賢菩薩像・文殊菩薩像・・・など幾体もの仏像が並んでいます。
舎利信仰もあったようで、舎利を入れた容器、形も材質も様々なものが沢山出品されています。

拝む対象である仏像を現代では美術館で美術品として鑑賞でする・・ちょっと申し訳ないような気持ちがしますが、皆本当に素晴らしい芸術品!心の中で手を合わせる気持ちで拝観してきました。
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